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身体の性染色体・性腺・ホルモン・生殖器のいずれかが、「典型的な男性」または「典型的な女性」の基準に当てはまらない状態で生まれる人がいます。この状態を「インターセックス」と呼びます。インターセックスの特性をもつ人は世界人口のおよそ1.7%に及ぶとも推計されており(定義によって数値に幅があります)、決して珍しい存在ではありません。
LGBTQIA+の「I」として認識されることも増えてきましたが、日本では法律上の定義や保護が十分に整備されておらず、当事者や家族は医療・法的・社会的なさまざまな困難に直面しています。とりわけ、幼少期に本人の同意なく行われる「性器の外科的修正手術」をめぐる人権問題は、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)や世界保健機関(WHO)が深刻な懸念を示す重要課題となっています。
この記事では、インターセックスの定義と基本概念から、日本の法令上の現状・課題、諸外国の制度との比較、そして2026年時点の議論の到達点までを整理します。人事・法務の実務担当者、多様性・包摂(DE&I)に取り組む方、インターセックスの当事者・家族の方などに役立てていただけるよう、中立的な視点で情報をまとめました。
インターセックスとは何か|身体の多様性という視点
インターセックスの定義
インターセックス(intersex)とは、生まれながらに性染色体・性腺(精巣または卵巣)・性ホルモン・生殖器などの身体的な性特性が、医学的に「典型的な男性」または「典型的な女性」とされる基準に当てはまらない状態の総称です。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は、インターセックスを「生物学的な性の自然なバリエーション」と定義しており、それ自体は病気や障害ではないと明確に述べています。
インターセックスの特性は、出生直後に外見から明らかな場合もあれば、思春期・成人期に検査で初めて判明する場合もあります。また、本人が生涯を通じてその特性を知らないまま過ごすこともあります。身体的な多様性の現れ方はさまざまで、単一の「インターセックスという状態」があるわけではなく、複数の異なる性特性のバリエーションを含む広い概念です。
出現頻度と主な種類
インターセックスがどのくらいの頻度で生まれるかについては、定義の範囲によって大きく数値が変わります。生物学者のアン・フォースト=スターリング(Anne Fausto-Sterling)らの研究では、世界人口の約1.7%が何らかのインターセックスの特性をもつと推計されています。ただし、より厳密な性器の非定型的発達に限定すると0.02%程度とする推計もあり、研究者間で見解が異なります。
代表的な性特性のバリエーションには以下のものがあります。
- クラインフェルター症候群: 性染色体がXXYなど(男性に多く見られる染色体構成にXが余分に存在する状態)
- ターナー症候群: 性染色体がXO(X染色体が1本のみで、Y染色体がない状態)
- 先天性副腎過形成(CAH): 副腎の酵素異常により男性ホルモン(アンドロゲン)が過剰産生される状態
- アンドロゲン不応症(AIS): XY染色体をもちながら、男性ホルモンへの細胞の反応が弱い・またはない状態
- 性腺形成不全: 性腺の発達が典型的でない状態
「性分化疾患(DSD)」という医学的名称との関係
医学の分野では、「性分化疾患」あるいは「DSD(Differences of Sex Development)」という用語が2006年のコンセンサス会議以降に広く用いられるようになりました。DSDという名称は、当事者や家族に対して病態を説明する際に使われる医療用語ですが、「疾患(disorder)」という表現が当事者の身体を「欠陥」とみなす印象を与えるとして、インターセックス当事者団体からは批判もあります。
2022年に発効したWHO(世界保健機関)の国際疾病分類第11版(ICD-11)では、「disorder」という語を排除し「性分化の変異(Conditions related to sexual development)」という分類に改められました。インターセックス当事者運動では「性の自然なバリエーション」という観点を重視する立場から、「DSD」より「インターセックス」の使用を好む声もあります。
インターセックス・トランスジェンダー・ノンバイナリーの違い
三者の概念的相違点
インターセックス、トランスジェンダー、ノンバイナリー(非二元性別)は、それぞれ異なる概念です。混同されることがありますが、以下の点で明確に区別されます。
インターセックスは「身体の性特性」に関する概念であり、生まれながらの身体的状態を指します。一方、トランスジェンダーは「性自認(ジェンダーアイデンティティ)」に関する概念であり、出生時に割り当てられた性別と自己認識する性別が異なる状態を指します。ノンバイナリーは「性自認」の観点から、男性でも女性でもない・あるいは両方に属するといったアイデンティティを指します。
これらの概念は相互に重なり合う場合もあります。たとえば、インターセックスの特性をもちながら、トランスジェンダーやノンバイナリーのアイデンティティをもつ人もいます。しかし、インターセックスであることは必ずしもトランスジェンダーやノンバイナリーであることを意味せず、逆もまた同様です。
比較表:インターセックス・トランスジェンダー・ノンバイナリー
| 項目 | インターセックス | トランスジェンダー | ノンバイナリー |
|---|---|---|---|
| 主な関係領域 | 身体的性特性 | 性自認(ジェンダーアイデンティティ) | 性自認(ジェンダーアイデンティティ) |
| 先天的か | 身体特性は先天的 | 性自認は本人の内的感覚による | 性自認は本人の内的感覚による |
| 日本の関連法令 | 明確な規定なし | 性同一性障害特例法(2003年) | 明確な規定なし |
| WHO ICD-11の扱い | 性分化の変異 | 性別不合(Gender Incongruence) | 性別不合(一部) |
| 医療上の主な問題 | 非同意手術・強制的性別割り当て | 医療的移行へのアクセス | 医療認知・ノンバイナリーへの対応 |
| LGBTQIA+における位置 | I(Intersex) | T(Transgender) | NB・Xジェンダー |
LGBTQIA+における「I」の位置づけ
近年、「LGBTQ」という略称に「I(インターセックス)」と「A(アセクシュアル等)」を加えた「LGBTQIA+」という表記が国際的に広まっています。インターセックスがLGBTQIA+の文脈で語られることで、その存在への認知が高まる効果がある一方で、インターセックス当事者の中には「性自認や性的指向の問題と身体の問題は異なる」として、安易な括り方に違和感を示す声もあります。どのような枠組みで語るかも重要な論点となっています。
当事者が直面する医療倫理と人権問題
乳幼児期の「性器修正手術」という問題
インターセックスをめぐる最大の人権問題のひとつが、乳幼児期・幼少期に本人の同意なく行われる外科的処置の問題です。医学的に明確な治療の必要性がない場合でも、「男性器に近い」あるいは「女性器に近い」外見に統一するための手術が、歴史的に医師や親の判断で行われてきました。
この問題が人権侵害として国際的に注目されるようになったのは2000年代以降のことです。国連拷問禁止委員会(CAT)や国連障害者権利委員会(CRPD)は、インターセックスの子どもに対する非同意手術を「拷問または残酷・非人道的・品位を傷つける取り扱い」に該当する可能性があるとして、複数の国に対して懸念を表明しています。
インフォームドコンセントと本人の同意権
医療倫理の原則として、患者本人のインフォームドコンセント(十分な情報提供に基づく同意)が求められます。しかし、新生児や乳幼児が自らの意思を表明できない段階で、性器の外科的「修正」を伴う処置が行われてきた実態があります。インターセックス当事者の支援者や人権団体は、「緊急性のない処置については、当事者が自ら判断できる年齢に達してから本人の意思に基づいて行うべきだ」と主張しています。
この問題に対応するため、マルタ(2015年)やドイツ(2021年の制限強化)、スペイン(2023年)、オーストラリアの一部の州などでは、非同意のインターセックス手術を制限する法制度の整備が進んでいます。
国連・WHO等の見解
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は2011年の報告書および2019年の指針において、インターセックスの人々が非同意の外科的・医療的介入から保護される権利をもつことを明記しています。WHOも2014年に複数の国連機関と共同で、インターセックスの子どもへの非自発的・非同意の性器の「正常化」手術を廃止するよう各国に求める声明を発表しました。
国連のヨガカルタ原則(The Yogyakarta Principles、2006年策定・2017年増補)は、その「原則32(インターセックスの権利)」において、インターセックスの身体的特性を変更する医療的または外科的な処置は、本人の自由でインフォームドな同意のないまま行ってはならないと定めています。日本はこれら国際基準の策定・採択に関与してきましたが、国内法令への反映は2026年時点でも限定的です。
現代的論点|2026年時点の到達点
2007年以降の主な法改正・新法
インターセックスに直接関連する国内法整備はほとんど進んでいませんが、関連する国内外の動向として以下が挙げられます。
- 2006年: 国際的な医学コンセンサス会議で「DSD(性分化疾患)」という医学用語が採用される
- 2013年: ドイツが戸籍法を改正し、出生時の性別欄に「divers(多様)」の選択肢を認める(欧州初)
- 2015年: マルタがインターセックスの子どもへの非同意的な性器手術を明示的に禁止する法律を制定(欧州初)
- 2017年: 国連ヨガカルタ原則が増補され「原則32(インターセックスの権利)」が追加される
- 2022年: WHO・ICD-11発効。「disorder」表現を排し「性分化の変異」という分類に改められる
- 2023年: 性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律(LGBT理解増進法)が日本で成立。インターセックスは明示的対象外だが、附帯決議で言及
- 2023年: スペインが包括的LGBTQIA+権利法を成立させ、インターセックスの非同意手術を明示的に禁止
- 2026年現在: 日本国内でインターセックスの権利を直接保護する法令は未成立
議論の現在地
インターセックスをめぐる議論は、医学・倫理・法律の複数の領域にまたがっています。主な論点は以下の通りです。
手術をめぐる賛否: 「緊急性のない非同意手術は停止すべき」という人権団体・当事者団体の立場と、「個々の医療状況・家族の意思・現時点での医学的判断を尊重すべき」という一部の医療者・家族の立場が対立しています。日本の医療学会は手術の適応基準を慎重に判断する方向に移行しつつありますが、明確なガイドラインの策定は途上にあります。
戸籍の性別記載: 日本の戸籍法(昭和22年法律第224号)第49条は、出生届に性別を記載することを求めています。インターセックスの子どもが生まれた場合、医師が「男性」か「女性」かを判断して記載する慣行があり、第三の性別の記載を認める制度は存在しません。当事者・支援者から制度改正を求める声が上がっています。
LGBT理解増進法とインターセックスの関係: 2023年に成立した同法は性的指向・ジェンダーアイデンティティを対象としており、インターセックスという身体的特性を直接の対象としていません。包括的な差別禁止法が存在しない日本において、インターセックスの人々を保護する明示的な法的根拠が不明確だという指摘があります。
残された課題
- インターセックスの非同意手術を禁止・制限する国内法令の不在
- 出生届・戸籍における性別の二元記載のみという制度的限界
- インターセックスの当事者・家族を対象とした相談支援体制の不足
- 医療従事者・教育関係者・一般社会への正確な情報普及
- 包括的差別禁止法の不在によるインターセックス保護の空白
- 当事者団体と医療機関・行政との対話の場の制度化
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日本の法令とインターセックス|現行制度の課題
戸籍法の性別記載と出生届
戸籍法(昭和22年法律第224号。最終改正: 令和5年法律第53号)は、出生届の記載事項として「男女の別」を定めています(第49条第2項第1号)。現行制度では、出生時の性別は「男」または「女」のいずれかしか記載できません。インターセックスの特性をもつ子が生まれた場合、医師が外見・検査等に基づいていずれかを選択し記載することになります。
この仕組みは、性特性が典型的ではない状態で生まれた子に対して、本人の意思を反映しない形で法律上の性別が確定されるという問題をはらんでいます。その後、本人が成長してから自分の性別記載を変更することは、現行制度では困難または不可能です。性同一性障害特例法は性自認に関するものであり、インターセックスの身体的特性そのものには対応していないためです。
性同一性障害特例法はインターセックスに適用できるか
性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律(平成15年法律第111号)は、トランスジェンダーの人が一定の要件を満たした場合に戸籍上の性別変更を認める制度です。しかし同法は「性同一性障害」(生物学的性別とは異なる性別を本人が自認している状態)を対象としており、インターセックスの身体的特性をもつ人が必ずしも「性同一性障害」の定義に該当するわけではありません。
インターセックスの人の中には、割り当てられた性別に違和感を感じる場合もありますが、同法の各要件(精神科診断・外観条件等)のすべてをインターセックスの状況に適用することには、医療・法律の両面から課題があります。2023年の最高裁大法廷決定で生殖不能要件が違憲とされるなど、同法の見直しが進む中で、インターセックスの当事者を含む多様な状況への対応が求められています。
男女共同参画社会基本法の射程
男女共同参画社会基本法(平成11年法律第78号)は、男女が社会のあらゆる分野に参画できる社会の実現を目指す基本法です。同法の「男女」という用語はインターセックスの人を明示的に包摂するものではありませんが、第3条の「男女の個人としての尊厳が重んぜられること」という基本理念は、インターセックスの人の尊厳にも通底する考え方として解釈できます。
2020年に閣議決定された第5次男女共同参画基本計画では「性的指向・性自認(SOGI)の多様性に関する理解増進」が明記されましたが、インターセックスに関する具体的な施策は含まれていません。第6次基本計画(2025年度以降)の策定過程では、より包括的な視点の導入が求められており、インターセックスの明示的な位置づけが課題となっています。
諸外国の法制度との比較
主要国の立法動向
インターセックスの権利保護に関して、欧州を中心に立法が進んでいます。
| 国・地域 | 年 | 主な内容 |
|---|---|---|
| ドイツ | 2013年 | 戸籍法改正。出生時の性別欄に「divers(多様)」選択肢を追加(欧州初) |
| マルタ | 2015年 | ジェンダーアイデンティティ・性表現・性特性法を制定。インターセックスの子への非同意手術を欧州で初めて明示的に禁止 |
| ポルトガル | 2018年 | ジェンダーアイデンティティ法改正。インターセックスの子どもへの処置基準を明確化 |
| ドイツ | 2021年 | インターセックスの子どもへの非同意手術の制限をさらに強化 |
| スペイン | 2023年 | 包括的LGBTQIA+権利法を成立。インターセックスの非同意手術を法的に禁止 |
| 日本 | 2026年現在 | インターセックスの権利を直接定める法律は存在しない |
国際人権基準(ヨガカルタ原則)
ヨガカルタ原則(The Yogyakarta Principles)は、国際的な人権専門家グループが2006年にインドネシアのヨガカルタで採択した、性的指向・性自認に関する国際人権法の適用原則です。2017年に増補された「ヨガカルタ原則+10」では、インターセックスの人々の権利を専門に扱う「原則32」が追加されました。
原則32は国家に対し、次の事項を求めています。
- インターセックスの人の身体的完全性(bodily integrity)への権利を保護すること
- インターセックスの特性を変える非自発的・非同意の処置を禁止すること
- インターセックスの人々が法的性別を選択・変更できる制度を整備すること
- インターセックスの人への差別を禁止すること
日本の課題と今後の方向性
日本においてインターセックスの権利保護が進まない背景には、①インターセックスに関する社会的認知の低さ、②当事者団体の活動規模の制約、③法制度における「男女の二元的区分」の根強さ、などの要因が指摘されています。
近年、日本DSD学会や当事者グループの活動により、医療現場でのガイドライン見直しが進みつつあります。また、LGBT理解増進法の附帯決議では「インターセックスを含む性的少数者への理解」への言及がなされており、政策的な視野には入り始めています。今後、第6次男女共同参画基本計画や包括的差別禁止法の議論の中で、インターセックスの明示的な位置づけが求められる状況です。
相談窓口と支援機関
当事者・家族向けの相談窓口
インターセックスの当事者および家族が相談・情報収集できる主な機関を紹介します。各機関の対応範囲・受付時間は変更される場合があるため、最新情報は各機関の公式サイトでご確認ください。
- よりそいホットライン(0120-279-338): 性別・性的指向に関する相談を含む24時間対応の相談窓口(一般社団法人社会的包摂サポートセンター運営)。深夜・休日も対応しています。
- 性犯罪被害相談電話(#8103): 性被害に関する相談窓口。最寄りの都道府県警察の相談窓口につながります。
- 法テラス(0570-078374): 法的な問題について弁護士等の専門家に相談できる公的機関。戸籍の性別記載や医療同意に関する法的問題を扱える専門家の紹介が可能な場合があります。
- 各都道府県の男女共同参画センター・相談窓口: ジェンダー関連の相談を受け付けています。インターセックスについての専門的対応は機関によって異なります。
医療・法律の専門相談
インターセックスの医療的な側面については、小児内分泌科・小児泌尿器科・産婦人科など複数の専門科が関わります。担当医への質問や、セカンドオピニオンの活用も、治療方針を検討する際の選択肢です。精神的なサポートが必要な場合は、各都道府県の精神保健福祉センターへの相談も選択肢のひとつです。
具体的な事案については、弁護士など専門家への相談をご検討ください。
まとめ
インターセックスとは、性染色体・性腺・ホルモン・生殖器などの身体的性特性が「典型的な男性または女性」の基準に当てはまらない状態の総称です。トランスジェンダーや非二元性別(ノンバイナリー)とは異なる概念であり、身体の多様性に関わる問題として捉えられています。
最大の人権問題として挙げられるのが、乳幼児期に本人の同意なく行われる性器の外科的修正手術です。国連・WHOは一貫してこれを人権侵害の可能性があるとして廃止を求めており、マルタやスペインなど複数の国が明示的な禁止法を制定しています。
日本では2026年時点で、インターセックスを直接保護する法律は存在せず、戸籍法の二元的性別記載や性同一性障害特例法の対象外という制度的課題が残っています。今後の第6次男女共同参画基本計画や包括的差別禁止法の議論の中で、インターセックスの明確な位置づけが求められています。インターセックスの人々が身体的完全性・尊厳・法的平等を享受できる社会の実現に向けて、医療・法律・社会の各分野での取り組みが続いています。
よくある質問(FAQ)
- Q1. インターセックスとはどのくらいの頻度で生まれますか?
- 定義の範囲によって異なりますが、生物学者のアン・フォースト=スターリングらの推計では世界人口の約1.7%に何らかのインターセックスの特性があるとされています。性器の非定型的な発達に限定するとより低い推計(0.02%程度)もあり、研究者間で幅があります。
- Q2. インターセックスとトランスジェンダーは同じですか?
- 異なる概念です。インターセックスは生まれながらの身体的性特性(染色体・性腺・ホルモン・生殖器)に関する概念です。トランスジェンダーは性自認(自分が認識する性別)と出生時に割り当てられた性別が異なる状態を指します。双方の特性を同時にもつ人もいますが、インターセックスであることはトランスジェンダーであることを意味しません。
- Q3. 日本でインターセックスに関する法的保護はありますか?
- 2026年時点で、インターセックスの権利を直接保護する法律は日本に存在しません。戸籍法は男女二元記載のみを認め、性同一性障害特例法はトランスジェンダーを対象としておりインターセックスの身体的特性には直接対応していません。LGBT理解増進法(2023年)はインターセックスを明示的な対象としていませんが、附帯決議で言及されています。
- Q4. インターセックスの子どもが生まれた場合、出生届の性別はどう記載しますか?
- 日本の現行制度では、出生届の性別欄は「男」または「女」のいずれかを記載することが求められます。インターセックスの特性をもつ子が生まれた場合、担当医師が外見や検査に基づいていずれかを記載するのが実態です。第三の性別の記載を認める制度は現時点では整備されていません。
- Q5. 乳幼児期の性器手術を禁止している国はありますか?
- マルタ(2015年)は欧州で最初にインターセックスの子どもへの非同意的な性器修正手術を法的に禁止しました。その後、スペイン(2023年)なども同様の立法を行っています。ドイツは2021年により制限を強化しています。日本では2026年時点でこのような明示的な禁止規定はありません。
- Q6. インターセックスの当事者や家族はどこに相談できますか?
- よりそいホットライン(0120-279-338・24時間)や法テラス(0570-078374)などが相談窓口として機能しています。医療的な問題については担当の医療機関への相談に加え、セカンドオピニオンの活用も選択肢です。具体的な法的問題については弁護士などの専門家への相談をご検討ください。
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