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DV・ハラスメント対応法令一覧|2026年現行法まとめ

家庭内で起きる暴力、職場でのいやがらせ、性的な被害――これらはかつて「個人間のトラブル」として公的制度の外に置かれることの多い問題でした。しかし2000年代以降、日本では被害者保護を目的とした複数の法律が制定・改正され、状況は大きく変化しています。

DV防止法・男女雇用機会均等法・パワハラ防止法・ストーカー規制法・刑法(不同意性交等罪)・AV出演被害防止救済法といった法律は、それぞれ異なる被害類型を対象とし、所管省庁も異なります。「どの法律が適用されるのか」「どこに相談すべきか」を正確に理解することは、適切な対応への第一歩となります。

本記事では、2026年時点で有効な主要法令を網羅的に整理し、規制対象・施行年・所管省庁・相談窓口を一覧比較表でまとめます。あわせて、2024年のDV防止法改正や2023年の刑法改正など、近年の重要な法制度の変化についても解説します。法律の全体像を把握したい方、支援機関・窓口を探している方、制度の現代的課題に関心のある方を主な対象としています。なお、個別の事案に対する法的な判断については、弁護士・法テラス等の専門家へのご相談をお勧めします。

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目次

DV・ハラスメント対応法令を体系的に理解すべき理由

複数の法律が存在する背景

DV・ハラスメント・性暴力に対応する法律が複数存在するのは、「被害の発生場所」「加害者と被害者の関係」「被害の種類」がそれぞれ異なるためです。たとえば同じ「精神的苦痛を与える行為」であっても、配偶者からの暴力であればDV防止法、職場での上司による継続的な圧力であればパワハラ防止法(労働施策総合推進法)、見知らぬ人からの付きまといであればストーカー規制法が主に適用される法律となります。被害の性質や関係性によって、どの法律が中心的な根拠となるかが異なります。

これらの法律は、民法・刑法という一般法の枠組みに加えて設けられた特別法です。特別法は民法・刑法の適用を排除するものではなく、特定の被害類型に対して、より迅速・具体的な保護手続きを追加するものとして機能しています。また、特別法の整備によって、それまで「犯罪」として明確に扱われにくかった行為が法的制裁の対象となった面もあります。

所管省庁と連携の仕組み

ハラスメント・暴力対応の法律は、内閣府・厚生労働省・警察庁・法務省にまたがって所管されています。DV防止法は内閣府(基本方針・調整)と警察庁(保護命令の執行)・厚生労働省(支援機関の整備)が連携しており、職場ハラスメントは主に厚生労働省が所管します。問題が複数の領域にわたる場合、複数の機関が関与することになりますが、各窓口はネットワークを持っており、最初の相談先が最適でなくても適切な機関に案内してもらえる体制が整いつつあります。

法律の「並行適用」という考え方

ある被害が複数の法律に同時に関係することがあります。たとえば職場でのセクシャルハラスメントは、均等法の事業主措置義務違反に加え、行為の内容によっては刑法上の不同意わいせつ等が問題となる場合があります。民事上の損害賠償請求(民法709条・715条)と刑事告訴は独立した手続きであり、同時進行することも可能です。また、職場環境の改善を求める均等法上の申立てと、個人への刑事罰を求める告訴を並行して行う選択肢もあります。どの手続きを選択するかについては、専門家への相談をお勧めします。

DV防止法 — 配偶者・生活パートナーへの暴力を規制する基本法

「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV防止法)」は2001年(平成13年)に施行されました。国際的な潮流と被害当事者の声を受けた超党派の議員立法により成立した法律です。家庭内に潜在していた暴力を「犯罪となる行為をも含む重大な人権侵害」として明確に位置づけ、被害者保護のための法的手続きを整備しました。施行以来、数次の改正を経て適用範囲を拡大してきた法律です。

e-Gov法令参照:配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(e-Gov法令検索)

2024年改正の主なポイント

2024年(令和6年)の改正DV防止法では、保護命令の対象となる「暴力」の範囲が大きく拡張されました。改正前は身体的な暴力または生命・身体に対する脅迫が中心でしたが、改正後は「精神的暴力」「性的暴力」「経済的圧迫」「社会的隔離」が法文上に明示され、これらを理由とした保護命令申請が可能となっています。「言葉による支配・脅し・継続的な監視・金銭の管理・外部との接触の遮断」といった行為が、保護命令の根拠として認められる範囲が広がりました。

また、同改正では適用対象も拡大されています。従来は「配偶者・元配偶者」が主な対象でしたが、生活の本拠を共にする交際相手(婚姻関係にない同居カップル等)からの暴力も明確に適用対象となりました。さらに、保護命令の種類・内容も拡充され、接近禁止の対象となる行動類型が整理されています。

保護命令制度の仕組み

DV防止法の中核となる制度が「保護命令」です。被害者は裁判所に申し立てることで、配偶者・元配偶者(事実婚・離婚後も含む)に対して以下の命令を発令させることができます。①接近禁止命令(被害者本人・子・親族等の身辺への接近禁止)、②退去命令(共同住居からの退去)、③電話等禁止命令(電話・FAX・SNS・メール等による連絡の禁止)。これらの命令に違反した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます(第29条)。

保護命令の申立ては、配偶者暴力相談支援センターまたは警察への相談を経た上で、地方裁判所に行います。緊急性が高い場合は、センター・警察と連携して迅速に申立て手続きを進めることも可能です。

配偶者暴力相談支援センターと支援体制

DV防止法は、都道府県に配偶者暴力相談支援センターの設置を義務付けています(第3条)。同センターでは、相談受付・情報提供・一時保護施設への入所支援・弁護士等専門家への橋渡し・自立支援に関する情報提供などを行います。内閣府が設置するDV相談ナビ(#8008)に電話すると、最寄りの相談窓口に自動転送されます。また、DV相談+ではオンライン・外国語・深夜帯の相談にも対応しています。

職場ハラスメントを規制する法令群

職場でのハラスメントに対しては、セクシャルハラスメント・パワーハラスメント・妊娠・出産・育児に関するハラスメントのそれぞれについて、事業主に防止措置義務を課す規定が整備されています。これらの措置義務は、すべての規模の事業主に適用されます(一部は施行時期が異なります)。措置を怠った場合、行政指導・勧告の対象となるほか、民事上の使用者責任(民法715条)が問われる可能性があります。

均等法第11条 — セクシャルハラスメント防止の事業主義務

「男女雇用機会均等法(均等法)」第11条は、職場における性的な言動(セクシャルハラスメント(以下、セクハラ)。職場において、労働者の意に反する性的な言動により就業環境を害する行為、または雇用上の不利益取扱いに関する行為)に対し、事業主が必要な措置を講じることを義務付けています。2007年改正により防止措置義務が強化され、男性労働者へのセクハラも対象に含まれました。

セクハラは「対価型」(性的な言動への拒否等に対して解雇・降格等の不利益を与えるもの)と「環境型」(性的な言動により就業環境が害されるもの)の2類型があります。事業主には、就業規則への規定・相談窓口の設置・事案発生時の迅速な調査と措置・プライバシー保護・相談者への不利益取扱いの禁止が求められます。厚生労働大臣は、事業主が必要な措置を講じない場合、指導・勧告を行うことができます(第29条)。

e-Gov法令参照:雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(e-Gov法令検索)

労働施策総合推進法 — パワハラ防止法の6類型

「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法)」第30条の2に、パワーハラスメント(パワハラ)の防止措置義務が規定されています。大企業には2020年6月から、中小企業には2022年4月から適用されています。

パワハラは「①優越的な関係を背景とした言動であり、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるもの」と定義されています。厚生労働省の指針では、以下の6類型が典型例として挙げられています。①身体的な攻撃(暴行・傷害)、②精神的な攻撃(脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言)、③人間関係からの切り離し(隔離・無視・仲間外し)、④過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能な業務の強制・妨害)、⑤過小な要求(能力や経験と大きくかけ離れた程度の低い業務の命令や仕事を与えないこと)、⑥個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)。これらは典型例であり、6類型以外の行為でも要件を満たす場合は該当します。

e-Gov法令参照:労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(e-Gov法令検索)

育介法 — マタニティ・育児ハラスメント防止義務

「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(育介法)」は、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント防止措置を事業主に義務付けています。いわゆる「マタハラ」(妊娠・出産を理由とした不利益取扱い・嫌がらせ)、「パタハラ」(男性の育休取得への妨害・嫌がらせ)、「育ハラ」(育休取得後の職場復帰に際した嫌がらせ)がこれにあたります。

2022年改正では、産後パパ育休(産後8週間以内の男性育児休業)が創設されるとともに、育休取得促進のための措置義務が強化されました。妊娠・出産の申出時、育休の申出時にそれぞれ個別の周知・意向確認を義務付けるなど、ハラスメント防止と取得促進を一体的に推進する体制となっています。

e-Gov法令参照:育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(e-Gov法令検索)

※本記事はアフィリエイトリンクを含みます(PR)

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性暴力・ストーカー・撮影被害に関する法令

性暴力・ストーカー行為・無断撮影などに対しては、刑法の改正と特別法の制定によって対処する枠組みが整備されています。これらの問題は被害が深刻であり、法的手続きの活用とともに専門的な支援機関の利用が重要です。いずれの手続きも、専門家への相談を経た上で選択することをお勧めします。

刑法2023年改正 — 不同意性交等罪の創設と年齢要件の変更

2023年(令和5年)の刑法改正により、「強制性交等罪」が廃止され「不同意性交等罪」が新設されました。改正前は「暴行または脅迫」が構成要件の中心でしたが、改正後は「同意しない意思」の有無を中心に据えた規定となっています。同意が認められない根拠となる事由として、暴行・脅迫に加え、「恐怖・驚愕・アルコール・薬物による意識障害・意識不明・地位・関係性を利用した心理的支配」などが例示列挙されました。これにより、被害者が抵抗できない状況にあった場合の法的評価がより明確になっています。

また、性的行為に対する同意能力が推定されない年齢として16歳未満が明示されました(改正前の13歳未満から引き上げ、ただし13歳以上16歳未満については5歳以上年長の者との行為が要件)。監護者性交等罪(保護者等による性的行為の処罰)も整理され、法体系が統一されています。改正の運用については、捜査・司法実務での判断積み重ねが続いています。

e-Gov法令参照:刑法(e-Gov法令検索)

ストーカー規制法の変遷と2021年改正

「ストーカー行為等の規制等に関する法律(ストーカー規制法)」は2000年(平成12年)に施行されました。「つきまとい等」の行為を繰り返す「ストーカー行為」を規制し、被害者からの申出に基づく警告・禁止命令・逮捕の根拠を定めています。施行以来、通信技術の変化に合わせて「つきまとい等」の対象類型が段階的に拡大されてきました。

2021年改正では、GPS機器を用いた位置情報の無断取得・送信が「つきまとい等」の類型に追加されました。スマートフォンや小型GPS発信器を車・荷物に無断で取り付けて追跡する行為も規制対象となり、実務上重要な改正とされています。「つきまとい等」の類型にはほかに、待ち伏せ・押しかけ・面会強要・無言電話・SNSメッセージの大量送付・名誉毀損的な内容の送付なども含まれています。警告に従わない場合は禁止命令の発令、さらに違反した場合は刑事罰の対象となります。

e-Gov法令参照:ストーカー行為等の規制等に関する法律(e-Gov法令検索)

AV出演被害防止救済法と性的姿態撮影等処罰法

「AV出演被害防止・救済法」は2022年に施行されました。性的な映像作品への出演契約について、契約から一定期間内の無条件解除権(契約取消権)、撮影済み映像の公表差止請求権が規定されています。制作・販売・配信側に書面交付義務・出演強要禁止・支払期限規制等が課され、違反には罰則が設けられています。出演を求められた側が契約を取り消すことを可能にし、公表後であっても差止請求を認める点が特徴です。

「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に係る電磁的記録の消去等に関する法律(撮影罪)」は2023年に施行されました。盗撮・不同意撮影・性的姿態の無断送付(いわゆるリベンジポルノを含む)を直接処罰する統一的な刑事規定です。従来は各都道府県の迷惑防止条例や不正競争防止法等に分散していた規制が整理され、全国統一の刑事処罰として明確化されています。

e-Gov法令参照:AV出演被害防止・救済法(e-Gov法令検索)

主要法令比較表 — 規制対象・施行年・所管省庁・相談窓口

以下の比較表は、2026年時点における主要なDV・ハラスメント・性暴力対応法令を一覧整理したものです。状況に応じて参照してください。

法令名 主な規制対象・行為 施行年(主な改正年) 主な所管省庁 主な相談窓口
DV防止法 配偶者・生活パートナー等からの暴力(身体的・精神的・性的・経済的・社会的) 2001年(2024年改正) 内閣府・警察庁・厚生労働省 配偶者暴力相談支援センター/DV相談ナビ #8008
均等法(第11条) 職場でのセクシャルハラスメントへの事業主の防止措置義務 1986年(2007年改正) 厚生労働省 都道府県労働局雇用環境・均等部(室)
育介法 妊娠・出産・育休等に関するハラスメントへの事業主の防止措置義務 1992年(2022年改正) 厚生労働省 都道府県労働局雇用環境・均等部(室)
労働施策総合推進法(パワハラ防止法) 職場でのパワーハラスメント(6類型)への事業主の防止措置義務 1966年(2020年・2022年改正) 厚生労働省 総合労働相談コーナー(全国の労働局・労働基準監督署)
ストーカー規制法 つきまとい・GPS追跡・電話等の繰り返しによるストーカー行為 2000年(2021年改正) 警察庁 警察本部ストーカー・DV相談窓口/警察相談専用 #9110
刑法(不同意性交等罪等) 性的暴行・不同意わいせつ・監護者性交等(2023年改正で再編) (2023年改正) 法務省 性犯罪被害相談電話 #8103
AV出演被害防止救済法 性的映像出演契約の取消権・公表差止請求権 2022年 内閣府・消費者庁 性暴力被害者のためのワンストップ支援センター
撮影罪(性的姿態撮影等処罰法) 盗撮・不同意撮影・性的姿態の無断送付 2023年 法務省・警察庁 性犯罪被害相談電話 #8103
カスハラ関連(都条例・指針等) 顧客等からの著しい迷惑行為・業務妨害(カスタマーハラスメント(以下、カスハラ)。顧客等の立場を利用した著しい迷惑行為) 2024年(東京都条例) 東京都(条例)・厚生労働省(指針) 都道府県労働局・産業保健総合支援センター

現代的論点|2026年時点の到達点

2007年以降の主な法改正・新法

DV・ハラスメント・性暴力分野では、2007年以降に以下の主要な立法・改正が行われてきました。年表として整理すると、その変化の速さと広がりが明確になります。

2007年:均等法改正(男性被害者への適用拡大・措置義務強化)。2013年:ストーカー規制法改正(電子メール・SNSメッセージ等を「つきまとい等」に追加)。2013年:DV防止法改正(生活の本拠を共にする交際相手への適用拡大)。2020年:労働施策総合推進法改正によるパワハラ防止措置の大企業への義務化。2021年:ストーカー規制法改正(GPS・位置情報取得を「つきまとい等」に追加)。2022年:パワハラ防止措置の中小企業への義務化。2022年:AV出演被害防止救済法施行。2023年:刑法改正(不同意性交等罪新設・年齢要件変更)。2023年:性的姿態撮影等処罰法施行。2024年:DV防止法改正(精神的暴力等の保護命令対象化・適用対象拡大)。2024年:東京都カスタマーハラスメント防止条例施行。この20年弱の間に、法整備は量・質ともに大きく進展してきました。

議論の現在地

これらの法令整備に対しては、さまざまな立場からの評価と議論があります。被害者支援団体や研究者からは「法整備のスピードが被害実態に追いついていない」「相談窓口の認知度が依然として低い」「被害者が2次被害を受けやすい状況が続いている」という指摘があります。一方で、「適用範囲の拡大が冤罪リスクを高める可能性がある」「事業主への義務負荷が過大になっている」という立場の意見もあります。

2023年刑法改正による不同意性交等罪については、「同意」の立証をめぐる捜査・司法実務での運用が注目されており、判例の蓄積とともに実務的な判断基準が形成されていく段階にあります。パワハラ防止法についても、6類型の境界の明確化や相談窓口の実効性への課題が引き続き議論されています。特定の立場から断定的な評価を下すことは難しく、継続的な実態調査と制度見直しが求められています。

残された課題

2026年時点での主な課題として、3点が挙げられます。第一に、カスタマーハラスメント(カスハラ)については東京都条例(2024年)が全国初として注目を集めましたが、国レベルの法整備は指針・ガイドライン段階にとどまっており、法的義務化に向けた議論が続いています。職場での被害が深刻化しているとの報告もあり、制度的対応の整備が急がれる分野の一つです。第二に、オンライン上の誹謗中傷・非実在的性的コンテンツ(ディープフェイク被害等)への対応は国際的にも課題とされており、日本でも立法的対応の検討が進んでいます。第三に、支援体制の地域間格差の解消と、相談窓口の認知度向上・一元化が引き続きの重要課題となっています。特に地方では窓口が少なく、深夜帯の対応が限られるという実態もあります。

公的相談窓口の活用方法

状況別の相談先一覧

被害の種類・状況に応じて、最初に相談する窓口を選ぶことが重要です。以下を参考にしてください。

配偶者・パートナーからの暴力(DV):DV相談ナビ(#8008)に電話すると、最寄りの配偶者暴力相談支援センターや女性相談センターに自動転送されます。緊急性がある場合は110番(警察)に連絡してください。内閣府のDV相談+ではオンラインでの相談も受け付けています。

性犯罪・性暴力被害:性犯罪被害相談電話(#8103)に電話すると、最寄りの警察相談窓口に転送されます。各都道府県に設置されている「性暴力被害者のためのワンストップ支援センター」では、医療・法律・カウンセリングの各専門家による総合的な支援を受けることができます。

職場のハラスメント(セクハラ・パワハラ・マタハラ等):都道府県労働局の「雇用環境・均等部(室)」が、均等法・育介法・パワハラ防止法に関する相談を受け付けています。全国の労働局・労働基準監督署に設置されている「総合労働相談コーナー」でも相談が可能です。

法的手続き全般・費用が心配な場合:「法テラス(日本司法支援センター)」では、収入・資産要件を満たす方への無料法律相談・弁護士費用立替制度があります。電話(0570-078374)またはウェブサイトから相談予約が可能です。

カスタマーハラスメントの最新動向

カスタマーハラスメント(カスハラ)とは、顧客・取引先等が事業者の従業員に対して行う著しい迷惑行為を指します。具体的には、暴言・長時間の不当な拘束・土下座の強要・SNSでの悪意ある拡散・実現不可能な要求の繰り返しなどが該当します。2024年に東京都が全国初の防止条例を制定し、事業者に従業員保護の取り組みを求めています。国レベルでは厚生労働省が労働施策総合推進法に基づく指針等でカスハラ対策を事業主に求める方向で検討が進んでいます。従業員として被害を受けた場合は、勤務先の相談窓口のほか、都道府県労働局への相談も選択肢となります。

よくある質問(FAQ)

同じ被害に複数の法律が適用されることはありますか?

はい、適用される可能性があります。たとえば職場での性的ハラスメントは、均等法(事業主の措置義務違反)と刑法(不同意わいせつ等)の両方が問題となる場合があります。民事上の損害賠償(民法709条・715条)と刑事手続きは独立していますので、複数の手続きを並行して利用することも可能です。また、行政機関への申立てと民事訴訟を同時に進める選択肢もあります。具体的にどの手続きが状況に適しているかは、法テラスや弁護士への相談をお勧めします。

民事と刑事の手続きはどう違いますか?

刑事手続きは、国家(検察)が加害者を訴追し、有罪の場合は刑事罰(懲役・禁錮・罰金等)が科されます。被害者は告訴することで手続きを開始できますが、捜査・起訴の判断は検察にあります。民事手続きは、被害者が加害者(または事業主)に対して損害賠償等を求めて訴訟を起こすものです。刑事と民事は独立した手続きであり、刑事で不起訴となっても民事訴訟を起こすことは可能です。損害賠償の認容額については、過去の事例でさまざまな金額の判断が出されていますが、事案ごとに異なります。

管轄省庁が複数ある場合、最初にどこに相談すればよいですか?

問題の性質に応じて第一相談窓口を選ぶことが効率的です。職場に関わる場合は都道府県労働局・雇用環境均等部(室)または総合労働相談コーナー、配偶者・パートナーからの暴力ならDV相談ナビ(#8008)、性犯罪・ストーカーなら警察(#8103・110番)、法的手続きの費用が心配なら法テラス(0570-078374)が出発点となります。各窓口は必要に応じて他機関と連携するネットワークを持っていますので、最初の相談先が最適でなくても適切な機関に案内してもらえます。

2024年のDV防止法改正で何が変わりましたか?

主な変更点は3点です。①保護命令の対象となる「暴力」に精神的暴力・性的暴力・経済的圧迫・社会的隔離が法文上に明示されたこと。②生活の本拠を共にする交際相手(婚姻関係にない同居カップル等)からの暴力への適用が拡大されたこと。③保護命令の種類・内容が拡充されたこと。改正前は身体的暴力が中心でしたが、改正により精神的DVを理由とした保護命令申請が法的に明確化されました。

事業主はハラスメント防止にどのような義務がありますか?

均等法・育介法・労働施策総合推進法により、すべての事業主に以下の措置が義務付けられています。①ハラスメントを行ってはならない旨の方針の明確化と従業員への周知・啓発、②相談窓口(担当者)の設置と相談への適切な対応、③ハラスメントが発生した場合の迅速な対応(事実確認・加害者への適切な措置・再発防止等)、④プライバシーの保護、⑤相談者や調査協力者への不利益取扱いの禁止。措置を怠った場合、厚生労働大臣による指導・勧告の対象となるほか、民事上の使用者責任が問われる可能性があります。

相談窓口はどのように選べばよいですか?

大まかな目安として、安全確保が急務なら110番(警察)、性犯罪・性暴力被害なら性犯罪被害相談電話(#8103)またはワンストップ支援センター、配偶者・パートナーからの暴力ならDV相談ナビ(#8008)、職場のハラスメントなら都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)または総合労働相談コーナー、法的手続きの費用が心配なら法テラス(0570-078374)が出発点となります。状況が複合的な場合は、最も緊急性の高い問題を扱う窓口に最初に相談し、そこから必要な機関につないでもらうことも有効です。

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