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地域防災と男女共同参画|避難所のジェンダー配慮と能登半島地震の教訓【2026年版】

地震・台風・豪雨などの自然災害が発生するたびに、避難所での生活が長期にわたることがあります。こうした緊急時、実は男女の間で直面する課題が大きく異なることが、多くの災害経験から明らかになっています。授乳スペースがない、生理用品の配布が後回しにされる、避難所の運営会議に女性が参加できない——こうした問題は、防災・復興の場面にジェンダー視点が欠けていたことで生じてきました。

2011年の東日本大震災では、避難所において女性や子どもが特有の困難に直面したことが広く報告されました。そして2024年1月の能登半島地震(令和6年能登半島地震)では、同様の問題が改めて浮き彫りとなりました。一方、男女共同参画社会基本法(最終改正:2015年9月施行)の理念を受けて策定された男女共同参画基本計画には「防災分野への女性の参画」が重点事項として明記されており、法制度の整備は着実に進んでいます。

本記事では、地域防災と男女共同参画の関係を整理し、避難所運営におけるジェンダー課題の実態、能登半島地震が示した教訓、そして市民・自治体が実践できる対策を解説します。防災担当職員・地域防災リーダー・自治体の男女共同参画推進員、そして「災害時に自分は何ができるか」を考えたい市民の方を主な対象としています。

目次

地域防災とジェンダー視点の関係

なぜ防災にジェンダー視点が必要なのか

防災・復興の現場において「ジェンダー視点」が重要視されるのは、災害が既存の社会的格差を拡大させる傾向があるためです。ジェンダー(社会的・文化的に形成された性別。生物学的性別=セックスと区別される概念)に基づく不平等は、平常時から存在していますが、緊急事態下ではそれが一層顕在化します。食料・住居・医療のニーズが均等でないのと同様に、安全・衛生・プライバシーのニーズも性別・年齢・障害の有無・家族構成によって大きく異なります。

内閣府男女共同参画局が2013年に発行した「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針」は、「災害時には女性・子ども・高齢者・障害者など多様なニーズが存在するにもかかわらず、避難所運営が画一的になりがち」と指摘しています。こうした認識を受け、第4次・第5次男女共同参画基本計画では「防災・復興分野への女性の参画」が重点施策の一つとして位置づけられてきました。

災害時に顕在化する多様なニーズ

災害時に性別差・多様性が顕在化する場面として、主に以下が挙げられます。避難所での着替え・授乳・月経への対応、トイレ・浴場のプライバシー確保、DV(ドメスティック・バイオレンス)被害者の安全確保、妊婦・乳幼児を抱えた世帯への細やかな支援、そして避難所運営の意思決定からの女性の排除です。

一方で、男性の場合にも特有の課題があります。男性はストレスや心身の不調を相談しにくい傾向があること、重労働を一手に担わされることへの負担、育児参加を周囲から想定されにくいケースなどが報告されています。また、LGBTQ+(性的指向・性自認が多数派と異なる方々)の方々は、男女二元論で設計された避難所においてどこを利用すべきか判断に迷うケースがあります。ジェンダー視点の防災とは、女性だけを対象とするものではなく、すべての人のニーズに対応した包括的なアプローチを指します。

男女共同参画基本計画における防災の位置づけ

第5次男女共同参画基本計画(2020年12月閣議決定)では、「第11分野:地域・防災」が独立した重点分野として設けられました。具体的な施策として、避難所の運営委員会における女性委員の比率向上(目標30%)、地域防災計画策定への女性の参画促進、防災担当職員への研修の実施などが盛り込まれています。

2025年頃から本格的な策定作業が行われている第6次男女共同参画基本計画(仮称)でも、この方向性が引き継がれる見通しです。能登半島地震(2024年)の経験を踏まえ、より実効性のある施策——特に指針の法的拘束力の強化や、中小規模自治体への支援策——が盛り込まれるかどうかが、今後の焦点となっています。

避難所運営におけるジェンダー課題

プライバシーの確保と安全性

避難所において最も早急な対応が求められる課題の一つが、プライバシーの確保です。間仕切りのない大広間での集団生活では、着替えや授乳の場所が確保されにくく、女性が「人目が気になり外出を控える」「避難所への移動をためらう」という状況が発生することがあります。プライバシーの欠如は、単なる不快感にとどまらず、被災者の尊厳と心身の安全に直結する問題です。

また、DV被害者が避難所で加害者と同居させられるリスクも見過ごせません。配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV防止法、最終改正:2024年4月施行)では、被害者支援の充実が定められていますが、災害時の避難所における保護命令の継続・個人情報管理については運用上の課題が残っています。内閣府は「令和6年能登半島地震における配偶者暴力被害者への対応について」を公表し、自治体への周知を図っています。

生活必需品・衛生用品の供給

災害発生直後、支援物資として届けられる食料・飲料水・衣類に比べ、生理用品・母乳パッド・使い捨ておむつ・粉ミルクといった女性・乳幼児向け衛生用品は後回しにされやすいことが、複数の災害で報告されています。物資の選定・調達・配布を担う人員に女性が少ない場合、こうした必需品の調達が優先されにくくなる傾向があります。

内閣府は2021年に「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」を改訂し、女性特有の衛生用品の備蓄を自治体に促すとともに、物資の配布窓口に女性を配置することを推奨しています。ただし、実際にすべての自治体で実施されているかどうかは、担当者の意識や予算の制約によって依然として差があります。

避難所運営の意思決定への参加

避難所の運営ルール(消灯時間・食事の配布方法・清掃当番・外出規制など)を決める会議に、女性が参加できていないケースが問題視されています。避難所運営に慣れた自治会・防災会の役員は男性が多くを占める傾向があり、女性のニーズが議題に上りにくい構造があります。その結果、「授乳スペースが必要」「生理用品を配布してほしい」「夜間の安全確保が心配」といった声が、運営側に届かないまま放置されることがあります。

内閣府が実施した「避難所における被災者支援に関する行政の対応状況」調査によると、女性の意見を収集する仕組みを設けていた避難所は全体の少数にとどまっていると報告されています。対応策として、「女性専用の相談・意見ボックス設置」「女性運営スタッフの確保」「避難所運営委員会での女性委員比率の目標設定」が有効とされています。

東日本大震災が示した教訓と制度的変化

2011年東日本大震災での経験

2011年3月の東日本大震災(最大避難者数約47万人)は、日本の防災体制にジェンダー視点を組み込む契機となった転換点でした。支援団体・研究者・行政機関の調査から、避難所での女性の排泄・更衣・月経管理の困難、配偶者暴力被害者の避難所内での危険、復興会議への女性参加の著しい低さなど、多様な問題が明らかになりました。

特に注目されたのは、東北三県(岩手・宮城・福島)の自治体の復興計画策定委員会における女性委員の比率が、震災直後の段階で全国平均を大幅に下回っていたことです。多くの被災地域では、重要な意思決定から女性が事実上排除されており、女性の視点が反映された復興計画の策定が困難な状況にありました。

制度的変化と取り組みの改善

東日本大震災の教訓を受け、自治体や支援団体が取り組んだ改善策として、以下のものが挙げられます。女性専用トイレ・更衣室・授乳室の設置指針の策定、女性対応スタッフの確保、避難所運営マニュアルへのジェンダー配慮事項の追加、そして防災訓練への多様な住民の参加促進です。2016年の熊本地震では、一部の自治体が男女別トイレの確保や女性相談コーナーの設置を早期に実施し、一定の改善が確認されました。

また、内閣府は「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針」(2013年策定、2020年改訂)を策定し、以降の地域防災計画の基準となる考え方を示しました。この指針は義務ではありませんが、自治体の防災計画改定の際の参照基準として、全国で活用されています。

三大災害でのジェンダー対応の変化

比較項目 東日本大震災(2011年) 熊本地震(2016年) 能登半島地震(2024年)
ジェンダー指針の整備状況 震災後に策定開始(事後対応) 指針適用初期段階(周知途上) 指針整備後の大規模検証機会
女性専用スペース 対応が遅れたケースが多数 早期設置が一部で実現 地域差が残るが改善傾向
生理用品等の物資供給 著しく不足・後回し 改善されたが依然不足ケースあり 支援団体の早期介入で一部改善
避難所運営への女性参加 極めて低い水準 一部の避難所で改善 地域によって大きな差が残存
DV被害者への対応 制度的対応がほぼなし 一部の避難所で個別対応 内閣府が情報共有ガイドラインを整備
LGBTQ+への配慮 ほぼ考慮されず 一部自治体が検討開始 自治体間の格差が顕著

※内閣府男女共同参画局の各種調査・報告書および支援団体の現地調査をもとに編集部作成。詳細は各調査報告書を参照のこと。

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現代的論点|2026年時点の到達点

2007年以降の主な法改正・新法

防災とジェンダーに関連する主な法改正・新法・指針の整備は以下のとおりです。

  • 男女共同参画基本計画の改定(第3次:2010年、第4次:2015年、第5次:2020年):防災分野における女性の参画が段階的に強化されました。第5次計画では「地域防災計画策定への女性参画率30%」という数値目標が初めて明示されています。
  • 「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針」(2013年策定、2020年改訂):内閣府男女共同参画局が策定した指針で、自治体の防災計画・避難所運営に組み込むべき具体的事項を示しています。避難所の女性専用スペースの確保、物資配布への女性の関与、DV被害者の情報管理などが盛り込まれています。
  • 災害対策基本法(最終改正:2021年)第2条の2(基本理念):「男女共同参画の視点」および「多様な主体の参画」が明記されており、性別・年齢・障害の有無などを踏まえた多様なニーズへの対応が求められています。
  • DV防止法改正(2024年4月施行):精神的暴力・自由を制限する行為を保護命令の対象に追加。災害時の避難所でのDV被害者保護のあり方にも直接影響する改正です。
  • こども家庭庁の設置(2023年4月):子どもと家庭に関する支援を一元化する省庁が設立され、災害時の子育て家庭支援の枠組みにも変化が生じています。乳幼児向け物資の備蓄・供給体制の整備においても、こども家庭庁との連携が課題となっています。

議論の現在地

防災とジェンダーをめぐる議論には、複数の立場・見解があります。

積極的なジェンダー視点の導入を求める立場は、「災害時こそ多様なニーズへの対応が欠かせない」「女性や性的マイノリティを含む多様な視点からの意思決定が、より実効性の高い避難所運営につながる」と主張します。国連の「仙台防災枠組2015-2030(Sendai Framework for Disaster Risk Reduction)」や国際赤十字・赤新月社の防災指針でも、ジェンダー視点の組み込みが国際的な標準として位置づけられています。また、女性の防災リーダーが増えるほど地域コミュニティの防災力が向上するという調査結果も、複数の研究機関から報告されています。

一方で、「緊急時にジェンダー問題を前面に出すのは非現実的」「避難所はすべての人を平等に扱うべきで、性別による区分は不要」という見解も存在します。また、「女性参画率の数値目標設定が形式主義になりかねない」「地域によっては女性のなり手がおらず、目標を掲げるだけでは解決しない」という現場からの声も挙がっています。

政府・内閣府の現在の立場は、第5次基本計画に基づき数値目標を設定しつつ、自治体の自主的な取り組みを財政・技術面から支援するというものです。義務化ではなく推奨という位置づけが続いており、自治体間の格差が解消されていないことが課題として指摘されています。

残された課題

2026年時点においても、以下の課題が未解決のままとなっています。

第一に、指針と現場の乖離です。内閣府の指針では避難所運営への女性参加が推奨されていますが、地方の小規模自治体・過疎地域では、地域防災組織そのものの女性比率が低く、指針が実効的に機能しにくい状況があります。能登半島地震でも、中山間地の高齢化した集落において、旧来型の役割分担のまま避難所運営が行われたケースが報告されています。指針の内容を平時の防災訓練に組み込み、体験を通じた意識醸成が必要とされています。

第二に、性的マイノリティへの対応基準の欠如です。LGBTQ+の方々は、男女二元論で設計されたトイレ・更衣室・就寝スペースにおいて、どちらを利用すべきか困難な判断を迫られることがあります。一部の自治体が独自に対応指針を策定していますが、全国共通の基準は2026年時点でも存在せず、個々の避難所担当者の判断に委ねられているのが実態です。

第三に、外国にルーツを持つ方々への多言語対応です。日本語のみでの情報提供では、外国籍の方々が必要な支援を受けにくい状況があります。ジェンダー配慮と多言語対応を組み合わせた総合的な情報提供体制の整備は、多くの自治体で課題として残っています。

能登半島地震(2024年)が示した教訓

能登半島地震で見えたジェンダー課題

2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震(最大震度7)では、石川県能登地方を中心に甚大な被害が発生し、孤立集落・インフラ損壊・長期避難など複合的な困難が生じました。物流の遅延や支援の届きにくさが広く報道されましたが、ジェンダー面での課題も改めて浮き彫りとなりました。

日本女性会議・女性支援団体・研究者による現地調査・報告によると、生理用品の入手困難、授乳スペースの不足、着替えのためのプライバシーが確保されない避難所環境、運営会議での女性の意見反映の困難といった問題が、東日本大震災から12年以上が経過した後も再び発生していたことが報告されています。特に、過疎化・高齢化が進む能登地域では、地域コミュニティにおける固定的な役割分担が平時から根強く残っており、それが災害時の意思決定にも影響したとの指摘があります。

支援物資とジェンダー配慮の実態

能登半島地震の救援活動では、生理用品・サニタリーショーツ・液体ミルク・介護用品などを早期に届けようとする女性支援団体・NPOの取り組みが展開されました。一方、物資の受け入れ・仕分け・配布の現場では、こうした用品が届いても目立たない場所に置かれたり、「必要な方は申し出てください」という方式では受け取りにくい状況が生じたりと、配布の仕組みに課題が残ったとの報告もあります。

支援物資のジェンダー配慮については、「フェーズフリー(平常時と緊急時の両方に対応する設計)」の観点から、平時の備蓄品目の見直しを求める声が研究者・支援団体から上がっています。女性特有の衛生用品は、食料・飲料水と同列の「生命・健康に関わる必需品」として、第一段階の支援物資に明示的に含めるべきという議論が進んでいます。

行政・支援団体の対応と今後の課題

能登半島地震では、内閣府男女共同参画局が「令和6年能登半島地震における男女共同参画の視点からの対応について」を公表し、被災地の自治体・支援団体に具体的な対応を呼びかけました。また、NPO・女性支援団体が被災地に入り、女性専用の相談窓口設置や衛生用品の配布を支援するなど、行政と民間が連携した対応が一部で実現しました。能登半島地震の経験は、内閣府・消防庁・自治体が防災計画を見直す際の重要な参照事例として位置づけられています。

ただし、指針の公表と現場での実践には依然として差があり、すべての避難所で標準的な対応が実現したとはいえない状況です。研究者・支援団体からは、「指針を努力目標にとどめず、法的拘束力のある基準として整備することが必要」「避難所運営マニュアルのジェンダー配慮事項を都道府県が統一的に定めるべき」という意見が提起されています。

自治体・市民ができること

防災計画へのジェンダー視点の組み込み

自治体が地域防災計画を策定・改定する際には、男女共同参画の視点から以下の点を確認・反映することが推奨されます。防災会議・避難所運営委員会への女性委員の参加(第5次基本計画の目標比率30%)、女性専用スペース(着替え・授乳・月経管理)の確保方針の明記、生理用品・乳幼児用品・介護用品の備蓄品目への明示的な計上、DV被害者の個人情報保護と安全確保の手順書の整備、そして多様な性別・国籍・障害の有無に対応した情報提供体制の整備です。

内閣府男女共同参画局は、チェックリスト形式の「男女共同参画の視点からの避難所運営チェックシート」を公開しており、自治体の防災担当部署・男女共同参画担当部署が協力して活用することができます。防災担当部署と男女共同参画担当部署の連携体制を平時から構築することが、実効的な取り組みのカギとなります。

避難所運営訓練での実践

平時の防災訓練において、ジェンダー配慮を実際に体験する機会を設けることが有効です。例えば、「女性が避難所運営委員役を担う」「生理用品・母乳パッドの備蓄確認を訓練項目に組み込む」「男女別スペースのレイアウトを実際に作成してみる」「DV被害者の相談を受けた場合のシミュレーションを行う」といった取り組みが、現場スタッフの意識向上と実践力の強化につながるとされています。

また、自主防災組織・自治会の役員構成において女性の参加を促すことは、地域防災力の強化にもつながります。固定的な役割分担(男性が力仕事、女性が炊き出し)を見直し、それぞれの経験・スキル・希望を活かす形で役割を分担することが求められています。

市民一人ひとりにできること

地域防災とジェンダー平等を実践するために、市民個人レベルでできることもあります。まず、非常持ち出し袋に女性特有の衛生用品・乳幼児用品をあらかじめ準備しておくことは、個人レベルでの備えとして有効です。また、自治会・防災訓練に積極的に参加し、そこで「女性の意見が反映されているか」「多様なニーズが考慮されているか」を確認することも大切です。

さらに、自治体の男女共同参画計画や地域防災計画が公開されている場合、それを読み、パブリックコメントなどの機会に意見を提出することも市民参画の一形態です。「気になったことを声に出す」「地域の防災訓練で意見を提案する」という行動の積み重ねが、より包括的な防災体制の構築につながります。

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相談窓口・公的支援リソース

災害時・平時に使える主な相談窓口

防災に関する情報収集や、DV・ハラスメント被害についての相談ができる主な公的窓口を紹介します。

  • DV相談ナビ(#8008):DV被害者が最寄りの相談機関に電話でつながる全国共通短縮番号。24時間対応(都道府県によって対応時間が異なります)。災害時には安全な場所から利用することが可能です。
  • 性犯罪被害相談電話(#8103):性犯罪・性暴力に関する相談ができる全国共通短縮番号。24時間対応(一部時間帯を除く)。ワンストップ支援センターへのつなぎも行っています。
  • 法テラス(日本司法支援センター):電話番号0570-078374。法的トラブルの相談窓口として、DV・ハラスメントに関する弁護士相談へのつなぎも行っています。資力が不十分な場合は、弁護士費用の立替制度が利用できる場合があります。
  • 内閣府男女共同参画局:防災とジェンダーに関する指針・チェックリスト等を公開。自治体担当者・支援団体が参照できる実践的な資料が充実しています。(https://www.gender.go.jp/
  • 都道府県の男女共同参画センター:各都道府県に設置されており、相談・情報提供・セミナー等を実施しています。所在地・連絡先は内閣府ウェブサイトで検索できます。

まとめ

地域防災とジェンダー平等の論点整理

地域防災と男女共同参画は、「誰もが安全に避難し、尊厳を持って生活を再建できる社会」という共通の目標を持っています。東日本大震災・熊本地震・能登半島地震という大規模災害の経験から、避難所運営にジェンダー視点が欠如していると、特定の人々が不利益を被りやすいことが繰り返し示されてきました。

法制度・指針の面では、男女共同参画基本計画・防災復興の取組指針・DV防止法改正など、近年着実な整備が進んでいます。しかし、指針と現場の実践には依然として乖離があり、自治体間・地域間の格差も解消されていません。第6次男女共同参画基本計画の策定や、能登半島地震の経験を受けた政策見直しの動向が、2026年以降の大きな注目点となっています。

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具体的な法律相談が必要な場合は、法テラスや都道府県の男女共同参画センターへのご相談をご検討ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 避難所で生理用品がもらえないことはありますか?

過去の大規模災害では、生理用品など女性特有の衛生用品が支援物資の優先順位で後回しにされるケースが複数報告されています。内閣府の指針では自治体に備蓄を推奨していますが、すべての避難所で確実に供給されるとは限りません。必要な場合は、避難所の運営担当者・支援団体スタッフに直接申し出ることが有効とされています。また、自治体によっては備蓄状況を事前に確認できる場合があります。

Q. 避難所での着替えやプライバシーはどう確保されますか?

内閣府の避難所運営指針では、女性専用の着替えスペース・授乳室の確保が推奨されています。実際の設置状況は避難所ごとに異なります。設置されていない場合は、運営委員会または女性スタッフに相談するほか、間仕切りカーテン・段ボールパーティションの設置を依頼することが考えられます。平時の防災訓練でこうした設営を実際に体験しておくと、緊急時の対応がスムーズになります。

Q. 男性も避難所でのジェンダー課題に直面しますか?

はい、男性特有の課題も報告されています。重労働の担い手として一手に任される傾向、心身の不調や精神的ストレスを相談しにくい環境、育児参加を周囲から期待されにくいケースなどが挙げられています。ジェンダー視点の防災は、女性の課題だけでなく、あらゆる性別の人々のニーズに対応し、誰もが尊厳を持って被災生活を送れることを目指しています。

Q. 避難所でDV被害者が加害者と同居させられることはありますか?

避難所では個人情報の保護が徹底されていない場合、DV被害者の居場所が加害者に知られてしまうリスクがあります。内閣府や都道府県は、災害時のDV被害者対応マニュアルを整備しており、被害者からの申し出があった場合に別の避難場所を案内する体制を整えることを自治体に求めています。危険を感じる場合は、避難所スタッフまたはDV相談ナビ(#8008)に連絡することを検討してください。

Q. 自治体の地域防災計画にジェンダー視点が含まれているか確認できますか?

多くの自治体では、地域防災計画を公式ウェブサイトで公開しています。「男女共同参画」「ジェンダー」「女性」などのキーワードで計画内を検索することで、ジェンダー配慮の取り組みが盛り込まれているかを確認できます。また、自治体の男女共同参画担当部署や防災担当部署に直接問い合わせることも可能です。パブリックコメントの機会に意見を提出することで、計画への反映を求めることもできます。

Q. 防災分野でのジェンダー平等は法律で義務づけられていますか?

2026年時点では、避難所のジェンダー配慮対応を個別に義務づけた法律はなく、内閣府の指針による推奨という位置づけです。ただし、男女共同参画社会基本法第3条(男女の人権の尊重)・第5条(政策等の立案・決定への共同参画)の理念を受け、防災計画への女性参画促進は、同法第6条・第8条に基づく国・地方公共団体の責務として位置づけられています。

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