「SDGsって聞くけど、ジェンダー平等とどう関係しているの?」「日本はSDGsの達成状況が悪いと聞くが、具体的に何が課題なのだろう」——そんな疑問を抱く方は少なくありません。SDGs(持続可能な開発目標)の17の目標のうち、目標5は「ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを行う」を掲げています。しかし、世界経済フォーラムが毎年発表するジェンダーギャップ指数において、日本は146か国中118位(2024年版)と先進国のなかで最下位水準に低迷しており、SDGs目標5の達成に向けた課題は依然として山積しています。
この記事では、SDGs目標5の内容と7つのターゲット、日本の達成状況と国際比較、関連する国内法制度、2026年時点の現代的論点、そして市民一人ひとりができる実践的な取り組みまでを体系的に解説します。人事担当者・学生・自治体関係者・当事者のいずれにとっても、ジェンダー平等を「自分ごと」として捉えるための基礎知識が得られる構成です。
SDGs目標5とは何か|17の目標のなかに位置するジェンダー平等
SDGsの成り立ちとジェンダー平等の位置づけ
SDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)は、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に掲げられた17の国際目標です。前身であるMDGs(ミレニアム開発目標、2000~2015年)では途上国支援に重点が置かれていましたが、SDGsは先進国を含む全加盟国を対象とし、「誰一人取り残さない(Leave no one behind)」を理念として掲げた点で大きく異なります。
SDGsの17目標は相互に連関しており、ジェンダー平等は独立した目標5であると同時に、貧困(目標1)・教育(目標4)・働きがい(目標8)・平和(目標16)など他目標の達成にも不可欠な「横断的テーマ」と位置づけられています。国連は「ジェンダー平等なくしてSDGsは達成できない」と明言しており、目標5を他目標の「アクセラレーター(加速装置)」と呼んでいます。日本においても、第5次・第6次男女共同参画基本計画にSDGsの枠組みが明示的に組み込まれており、国内法制度とSDGsは連動した体系をなしています。
目標5の7つのターゲット
目標5には5つのターゲット(5.1~5.6)と2つの実施手段(5.a・5.b)が設定されています。内容を整理すると以下のとおりです。
| ターゲット番号 | 内容(要約) | 日本の関連法令 |
|---|---|---|
| 5.1 | あらゆる場所での女性・女児に対する差別の撤廃 | 男女共同参画社会基本法、男女雇用機会均等法 |
| 5.2 | 人身売買・性的搾取を含む女性・女児への暴力の根絶 | DV防止法、性犯罪刑法改正(2023年) |
| 5.3 | 児童婚・強制婚・女性性器切除の廃絶 | 民法(婚姻年齢規定)、刑法 |
| 5.4 | 無償のケア・家事労働の認識と共有促進 | 育児・介護休業法(産後パパ育休2022年) |
| 5.5 | 政治・経済・公的生活における女性の完全参画 | 候補者男女均等法、女性活躍推進法 |
| 5.6 | 性と生殖に関する健康・権利への普遍的アクセス | 母体保護法、不妊治療保険適用(2022年) |
| 5.a | 土地・財産・金融サービス等への平等なアクセス確保 | 民法(相続・財産権) |
| 5.b | ICTの活用による女性のエンパワーメント促進 | 女性活躍推進法(情報公表義務) |
日本社会との関連が特に深いターゲットは5.1(職場・家庭での差別撤廃)・5.4(家事・育児等の無償労働の共有)・5.5(政治経済への参画)の3つです。これらは男女共同参画社会基本法(1999年6月施行)が掲げる基本理念とも重なっており、国内法制度とSDGsは相互補完的な関係にあります。
「ジェンダー平等」と「女性のエンパワーメント」の違い
目標5の正式名称は「ジェンダー平等(Gender Equality)を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメント(Empowerment)を行う」とされており、2つの概念が並立しています。
ジェンダー(社会的・文化的に形成された性別。生物学的性別=セックスと区別される概念)平等とは、法律・制度・慣行から性別による差別をなくし、男女が同等の権利・機会・責任を持つ状態を指します。一方、エンパワーメントとは、これまで権力・資源・意思決定の機会を奪われてきた人々が、それらを取り戻し自律的な選択ができる力を回復するプロセスを意味します。ジェンダー平等が「環境・制度の整備」を指すとすれば、エンパワーメントは「個人・集団の力の回復」を指す概念であり、両輪で取り組む必要があります。SDGs目標5がこの2つを併記しているのは、制度的平等だけでなく実質的な力の再分配まで求めているためです。
日本のSDGs目標5達成状況|国際指標が示す課題
ジェンダーギャップ指数と目標5の関係
SDGs目標5の達成度を国際的に比較する主要指標として、世界経済フォーラム(WEF)が毎年発表するジェンダーギャップ指数(Gender Gap Index=GGI)が広く参照されます。GGIは経済参加・機会、教育達成度、健康と生存、政治的エンパワーメントの4分野を指数化し、0(完全不平等)~1(完全平等)で表します。SDGsの進捗指標として各国政府が参照するほか、企業・自治体の取り組み評価にも活用されています。
2024年版GGIで日本は総合スコア0.663(146か国中118位)を記録しました。同年のG7平均は0.754であり、日本のスコアは大きく下回っています。分野別では健康(0.973)・教育(0.989)は高水準を維持していますが、経済参加・機会(0.568、世界120位)と政治的エンパワーメント(0.090、世界113位)が著しく低く、全体順位を引き下げています。
主要国との国際比較
| 国 | GGI総合順位(2024年) | 経済参加・機会 | 政治的エンパワーメント | 女性管理職比率(概算) |
|---|---|---|---|---|
| アイスランド | 1位(0.935) | 0.883 | 0.874 | 約47% |
| フィンランド | 2位(0.912) | 0.826 | 0.627 | 約38% |
| ドイツ | 5位(0.884) | 0.804 | 0.533 | 約30% |
| フランス | 11位(0.849) | 0.755 | 0.491 | 約35% |
| 米国 | 43位(0.788) | 0.792 | 0.331 | 約41% |
| 韓国 | 94位(0.718) | 0.622 | 0.128 | 約16% |
| 日本 | 118位(0.663) | 0.568 | 0.090 | 約15% |
日本が相対的に遅れている背景として、長時間労働慣行・無償ケア労働の女性集中・管理職登用機会の構造的不平等が挙げられています。特に政治的エンパワーメントのスコア0.090は極めて低く、ターゲット5.5の達成から最も遠い分野です。これらの課題は単一の法改正で解決できるものではなく、職場・家庭・地域の複合的な変容が必要とされています。
国内統計で見る目標5の到達点
内閣府男女共同参画局が公表する「男女共同参画白書(令和6年版)」によると、2026年時点における主要指標は以下のような状況です。管理職に占める女性の割合は民間企業で約15.3%(2023年)にとどまり、政府が掲げる30%目標(202030)には遠く及びません。国会議員に占める女性比率は衆議院で約15.7%(2024年選挙後)であり、G7最低水準が続いています。
一方で前進も見られます。育児休業取得率は女性80%超を維持する一方、男性育休取得率は2023年に30.1%(厚生労働省「雇用均等基本調査」)と初めて30%台に到達しました。2020年時点の12.65%から急速に改善しており、2022年10月施行の産後パパ育休(出生時育児休業)新設の効果が表れています。また、正規雇用に占める女性比率も緩やかな改善傾向にあり、非正規雇用の性別構成格差は縮小傾向にあります。
目標5に関わる国内法制度|法律の骨格と近年の整備
男女共同参画社会基本法との接続
日本のジェンダー平等の最上位法は男女共同参画社会基本法(1999年6月施行)です。同法第2条は「男女共同参画社会」を「男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会」と定義しており、SDGs目標5のターゲット5.5(政治・経済参画)・5.1(差別撤廃)と直接的に対応しています。
同法は第8~10条で「国、地方公共団体及び国民の責務」を規定しており、国民(市民)もSDGs目標5の担い手であることが明記されています。国は施策の総合的な策定・実施義務を、地方公共団体は地域の実情に応じた施策の策定・実施義務を、そして国民は「社会のあらゆる分野において、男女共同参画社会の形成に寄与するよう努めなければならない」とされています。
女性活躍推進法・育介法改正との関係
女性活躍推進法(女性の職業生活における活躍の推進に関する法律、2016年4月施行、最終改正: 2022年7月)はSDGs目標5のターゲット5.5・5.b(ICT活用による情報公開)に対応する国内実施法として機能しています。2022年改正では常時雇用労働者101人以上の企業に、女性活躍状況(採用比率・管理職比率・男女賃金差異等)の情報公表義務が拡大されました。
育児・介護休業法(最終改正: 2022年10月施行)は産後パパ育休(出生時育児休業)新設により、ターゲット5.4(無償ケア労働の共有)に直接応答しています。さらに2025年4月・10月の2段階施行では育休取得状況の公表義務や、子の看護休暇拡充など、男女ともにケア責任を担う制度整備が進んでいます。
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現代的論点|2026年時点の到達点
2007年以降の主な法改正・新法
SDGs採択(2015年)以降、日本ではSDGs目標5に関連する国内法制度が以下のように累次整備されてきました。
- 2015年 女性活躍推進法成立: 301人以上企業への行動計画策定・情報公表義務。その後2022年に101人以上へ義務対象を拡大
- 2016年 SDGs実施指針策定: 政府が目標5をジェンダー主流化の枠組みで国内実施計画に組み込んだ
- 2018年 候補者男女均等法成立: 政治分野における男女共同参画推進法。政党に候補者の男女均等を「努力義務」として規定。2021年改正で議員数の偏りへの配慮も追加
- 2020年 第5次男女共同参画基本計画: DV・ハラスメント対策強化、コロナ禍の女性への影響を重点課題に追加。SDGs目標5との整合が明示された
- 2022年 産後パパ育休(出生時育児休業)新設: 育児・介護休業法改正により、子の出生後8週間以内に最大4週間取得可能な男性向け育休が制度化
- 2023年 LGBT理解増進法成立: 性的指向・性自認(SOGI)に関する理解増進を目的とした法律。SDGs目標5が性別二元論を超えた多様なジェンダーへの平等を志向することと整合する
- 2023年 性犯罪刑法改正: 不同意性交等罪の新設(刑法第177条改正)。ターゲット5.2(性的暴力の根絶)に直接対応する改正
- 2024年 DV防止法改正: 精神的暴力を保護命令の対象に追加。被害者保護の範囲が拡大された
議論の現在地
SDGs目標5の達成をめぐっては、「数値目標の設定・公表だけでは実質的平等につながらない」という批判と、「まず指標を明確化し、達成を促すインセンティブ構造を作ることが先決」という見方が拮抗しています。特に以下の3点で論議が活発です。
第一に、指導的地位女性比率目標(202030)の実効性です。政府が掲げてきた「2020年までに指導的地位の女性比率30%」目標は達成できず、目標を「2030年までにできる限り早期に30%程度」へと修正されました(詳細は202030とは|指導的地位の女性30%目標と2026年の現状)。この目標後退をめぐり、「努力義務では不十分」「法的強制力のある数値義務化が必要」という立場と、「強制割当では質の低下を招く」「自主的取り組みを支援すべき」という立場が対立しています。
第二に、ケア労働の可視化と評価です。ターゲット5.4は「無償のケア・家事労働を認識し、価値を認める」ことを求めています。日本では家事・育児・介護の無償労働の80%以上を女性が担っているとされており(総務省「社会生活基本調査」)、この構造的不平等を可視化し、公的評価・支援につなげるべきとの議論が続いています。男性育休の取得促進だけでなく、育児・介護サービスの拡充や、フレックスタイム・テレワークの普及が複合的な解決策として提示されています。
第三に、SDGsの「ウォッシュ化」批判です。企業や自治体によるSDGsへの取り組み表明が増える一方、実質的な変化を伴わない「SDGsウォッシュ」への批判も高まっています。目標5に関しては、女性管理職の数合わせや形式的な研修実施にとどまり、採用・評価・賃金などの制度・慣行が変わらないケースが批判の対象となっています。実質的なジェンダー主流化(Gender Mainstreaming)との峻別が求められています。
残された課題
2030年のSDGs期限まで残り約4年となった2026年時点で、日本がSDGs目標5の達成に向けて直面している主な未解決課題は以下のとおりです。
第一に、政治参画の著しい遅れです。衆議院議員の女性比率は2024年選挙後も約15%台にとどまり、G7最低水準を脱していません。国際的には少なくとも30%がクリティカルマスとされており、これを大きく下回る状況ではターゲット5.5の達成は困難です。候補者男女均等法(2018年)は「努力義務」にとどまっており、法的強制力の有無は引き続き論点です。
第二に、男女間賃金格差の解消です。OECD基準では日本の男女賃金格差は約21%(2023年)であり、OECD平均(約12%)を大きく上回っています。2022年の女性活躍推進法改正で賃金差異の情報公表が義務化されましたが、構造的解消には至っていません。非正規雇用の女性集中がペイギャップの主因の一つとされており、雇用形態の均等待遇問題と連動した対応が求められています。
第三に、LGBTQ+を含む多様性への対応です。SDGs目標5は性別二元論を超えた「すべてのジェンダー」を対象としていますが、日本ではLGBT理解増進法(2023年)が差別禁止規定を持たない「理解増進」にとどまっており、性的マイノリティへの制度的保護は国際水準に達していないとの指摘があります。
市民一人ひとりができること|SDGs目標5の実践
職場での実践
男女共同参画社会基本法第10条は国民の責務として「男女共同参画社会の形成に寄与するよう努めなければならない」と定めており、SDGs目標5の達成は政府・企業の役割だけでなく、市民・個人の行動変容と連動しています。
職場での実践として、まずアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)への気づきが提唱されています。「女性は細かい仕事が得意」「男性は感情を表に出すべきでない」といった固定観念は、採用・評価・育成機会の不平等につながる可能性があります。研修参加や日常会話の見直しを通じて、バイアスに気づき言動を変えることがSDGs目標5の日常的実践です(詳細はアンコンシャスバイアスとは|ジェンダー平等を阻む無意識の偏見と克服法)。
次に、育休取得の正常化です。特に男性の育休取得が「特別なこと」とみなされる職場文化はターゲット5.4(ケア労働の共有)に逆行します。男性育休取得を当然の権利として支持・奨励する職場文化の醸成が重要です。上司・同僚として取得しやすい環境を整えることも、ターゲット5.4への貢献となります。
家庭・地域での実践
家庭における家事・育児・介護の分担見直しはターゲット5.4に直接対応します。内閣府の調査では、共働き夫婦でも家事時間の約7割を女性が担う状況が続いており(「男女共同参画白書令和3年版」)、この非対称性は女性のキャリア形成機会を構造的に制約しています。家事・育児分担を話し合い、実態に即して再設計することは、ターゲット5.4を家庭レベルで実践することにほかなりません。
地域活動では、自治会・PTA・消防団などの運営体制におけるジェンダー平等の実現が課題です。女性の意見を反映した防災計画の策定(ターゲット5.5)や、地域の男女共同参画条例・パートナーシップ宣誓制度の活用(詳細は自治体の男女共同参画|条例制定とパートナーシップ宣誓制度の現在地)も、市民参画の実践的な場です。能登半島地震(2024年)の被災地支援でも、避難所運営における女性の意思決定参画の重要性が改めて指摘されています。
声をあげる方法と社会参加
SDGs目標5の達成には、制度設計に市民の声を反映させる参加型民主主義のプロセスが不可欠です。具体的には、地方議会への傍聴・陳情、国政・地方選挙における候補者のジェンダー政策の確認、パブリックコメントへの参加、市民団体・NPOへの参加・支援、SNSを通じた意見発信などが挙げられます。
また、男女共同参画 個人ができること|市民参画・声をあげる方法で紹介しているように、地域の男女共同参画推進委員として活動する道も開かれています。内閣府・各自治体の男女共同参画担当課が推進員を公募する機会もあり、政策の最前線に市民として関わることができます。SDGs目標5は「政府の目標」ではなく、市民・社会全体で取り組む目標です。
公的相談窓口・参考リンク
SDGs目標5に関連する問題への公的相談窓口
SDGs目標5に関わる問題(ハラスメント・DV・就労差別・性暴力等)に直面した場合、以下の公的窓口に相談することができます。
- 配偶者暴力相談支援センター(各都道府県): DVに関する相談・支援。内閣府ウェブサイト(https://www.gender.go.jp/policy/dv/)で窓口一覧が確認できます
- DV相談ナビ #8008: 入力した電話番号から最寄りの相談機関につながる全国共通短縮番号
- 性犯罪被害者のためのワンストップ支援センター #8891: 性暴力被害の医療・法律・心理の相談を一か所で受け付ける全国共通番号
- 法テラス(日本司法支援センター)0570-078374: 法的問題全般の無料案内・弁護士費用立替制度あり。収入・資産が一定基準以下の方は弁護士費用の立替が可能
- 内閣府男女共同参画局: https://www.gender.go.jp/ — 各種統計・政策情報の一次情報源。男女共同参画白書・基本計画等の全文が閲覧可能
具体的な事案については、弁護士など専門家への相談をご検討ください。
参考:SDGs目標5に関する主要統計・レポート
- 内閣府「男女共同参画白書」(毎年6月頃公表): https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/
- WEF「グローバル・ジェンダーギャップ報告書」(毎年6月頃公表): https://www.weforum.org/
- 国連「SDGsプログレスレポート」(毎年7月頃公表): https://unstats.un.org/sdgs/
まとめ|SDGs目標5は「遠い話」ではなく日常の課題
SDGs目標5「ジェンダー平等の達成と女性のエンパワーメント」は、国際的なアジェンダであると同時に、日本の職場・家庭・地域に直結する現実の課題です。7つのターゲットは男女共同参画社会基本法・女性活躍推進法・育介法など国内法制度と連動しており、2030年の期限に向けた達成度は市民一人ひとりの意識と行動にも左右されます。
ジェンダーギャップ指数118位という順位は「日本が変わる必要がある」という現実を示しています。一方で、男性育休30%台到達・女性活躍情報公表の義務化・性犯罪刑法改正など、変化の萌芽も生まれています。制度と文化変革を両輪で進めるためには、法令・政策の動向を継続的にウォッチし、職場・家庭・地域で実践することが求められます。
さらに理解を深めたい方は、社会人の男女平等意識|2026年ジェンダーギャップ指数と職場文化や男女共同参画 未来社会のビジョン|2030年目標と国際的潮流もあわせてご参照ください。
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よくある質問(FAQ)
Q. SDGs目標5と男女共同参画社会基本法は同じものですか?
異なるものですが、目指す方向性は共通しています。SDGs目標5は2015年に国連で採択された国際目標であり、全国連加盟国を対象としています。男女共同参画社会基本法は1999年に成立した日本の国内法で、日本社会における男女の対等な参画を実現するための基本原則・国の責務・施策体系を定めています。SDGs目標5の達成に向けた国内の制度的根拠として機能する法律の一つが男女共同参画社会基本法です。
Q. ジェンダーギャップ指数118位という数字はいつのものですか?
世界経済フォーラム(WEF)が2024年6月に発表した「グローバル・ジェンダーギャップ報告書2024」の数値です(146か国中118位)。同指数は毎年更新されており、最新の順位はWEFの公式サイト(https://www.weforum.org/)で確認できます。
Q. SDGs目標5の「2030年目標」は達成できそうですか?
国連の中間評価(2023年発表「SDGsプログレスレポート」)では、目標5を含む大多数のSDGs目標が2030年までの達成軌道から外れていると警告されています。日本に関しては特に政治・経済分野の女性参画が低水準であり、現状のペースでは目標達成が困難とする評価が多数見られます。ただし政策・文化の変容によって達成が加速する可能性もあり、2026年以降の取り組みが重要な局面とされています。
Q. 一般市民がSDGs目標5に貢献できることはありますか?
男女共同参画社会基本法第10条は国民の責務として「男女共同参画社会の形成に寄与するよう努めなければならない」と定めており、市民も制度の担い手です。職場でのアンコンシャスバイアスの見直し、家庭での家事・育児の再分担、地域活動への参加、選挙での政策確認など、日常の行動を通じた貢献が可能です。
Q. SDGs目標5は女性だけを対象にしているのですか?
SDGs目標5の正式名称には「女性及び女児のエンパワーメント」とありますが、これは歴史的に権力・機会から排除されてきた側への是正を強調したものです。ジェンダー平等の実現は、固定的な性別役割分業から男性も自由になることを含んでおり、すべての性別の人々にとって恩恵があるとされています。また目標5はLGBTQ+を含むすべてのジェンダーへの平等を視野に入れた目標と国連は解釈しています。
Q. 「SDGsウォッシュ」とはどういう意味ですか?
SDGsウォッシュとは、実質的な変化を伴わずにSDGsへの取り組みを表明することへの批判的な呼称です。「グリーンウォッシュ(環境配慮を装う偽装)」からの造語です。目標5に関しては、女性管理職の象徴的な登用や形式的な研修実施にとどまり、採用・評価・賃金などの制度・慣行が変わらないケースがウォッシュの典型例として指摘されています。実質的なジェンダー主流化(Gender Mainstreaming)との違いを見極めることが重要です。
