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ジェンダーニュートラルな言語とは|日本語の性差表現・職場・行政文書での実践と課題【2026年版】

ジェンダーニュートラルな言語とは|日本語の性差表現・職場・行政文書での実践と課題【2026年版】

「看護婦」ではなく「看護師」、「スチュワーデス」ではなく「客室乗務員」――。日本では1990年代以降、職業名の性差を取り除く動きが続いてきました。しかし、言語に潜む性別の非対称性は職業名だけにとどまりません。「男性らしい話し方」「女性らしい言葉遣い」という規範、公文書に残る「男女」という二元的カテゴリ、各種申請書の性別欄の扱いなど、日本語と日本の行政・職場の仕組みには、ジェンダーの固定観念を強化しやすい構造が根強く残っています。

ジェンダーニュートラルな言語(性別中立的言語)とは、特定の性別を前提とした表現や、性差を過度に強調する言葉を見直し、あらゆる性的指向・性自認(ジェンダーアイデンティティ)を持つ人が排除されないよう配慮した言語使用のあり方を指します。2023年に成立したLGBT理解増進法(性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律)を背景に、職場・教育・行政の各場面でインクルーシブな言語への関心が高まっています。

本記事では、日本語に根ざした性差表現の構造を整理したうえで、職場や行政文書での具体的な実践例と法的背景を解説します。ハラスメント対策や多様性推進に取り組む人事担当者、自治体職員、男女共同参画に関心を持つ市民を主な読者として想定しています。

ジェンダーニュートラルな言語とは|日本語の性差表現・職場・行政文書での実践と課題【2026年版】 - 解説

目次

ジェンダーニュートラルな言語とは|定義と基本概念

性別中立的言語の定義

ジェンダーニュートラルな言語(英: gender-neutral language、gender-inclusive language)とは、性別を暗示・固定する表現を避け、すべての性別やジェンダーアイデンティティ(性自認)(社会的・文化的に形成された性別の自己認識。生物学的性別=セックスとは区別される)を等しく認める言語使用の実践です。

国連は1988年以降、公式文書においてジェンダーニュートラルな表現を推奨してきました。英語では「policeman」を「police officer」、「mankind」を「humankind」に置き換えることが定着しています。日本語においても、官民双方の文書で同様の方向性が議論されるようになっています。

なぜ言語がジェンダーに影響するのか

言語は単なるコミュニケーションの道具にとどまらず、社会的なジェンダー規範(社会や文化が性別ごとに期待する役割・行動様式)を再生産・強化する機能を持つとされています。社会言語学の分野では、「言語が現実を構築する」という視点から、性差別的な表現がステレオタイプを固定化することが指摘されてきました。

例えば、職業名に「女」の文字を含む「女医」「女優」という表現は、医師や俳優の担い手が男性であることをデフォルトとする前提を含意します。こうした言語構造が繰り返し使われることで、特定の職業や役割についての固定観念が維持されやすくなります。逆に言えば、言語を意識的に変えることは、社会的なジェンダー認識の変化を促す有効な手段の一つとも考えられています。

日本語特有のジェンダー差

日本語には、英語にはない独自の性差が多く存在します。

  • 一人称: 男性的とされる「俺」「僕」、女性的とされる「あたし」「うち」
  • 終助詞: 「わ」「の」「かしら」(女性的)、「ぞ」「ぜ」(男性的)とされる語尾
  • パートナー指示語: 「奥様」「旦那様」など異性愛・婚姻を前提とした呼称
  • 親族呼称: 「お父さん・お母さん」が家族の「保護者」として使われる場面

これらのジェンダー化された言語表現は、日常会話から公式文書まで広く使われており、二元的な性別観を前提とした言語空間を形成しています。性自認が「男性」「女性」のいずれにも当てはまらないノンバイナリーやXジェンダーの方々(非二元的な性自認を持つ方々)にとって、こうした言語空間は日常的な疎外感の一因となりえます。

日本語の職業名・呼称に残る性差表現

職業名の性中立化の歩みと現状

日本では男女雇用機会均等法(雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律、最終改正: 令和7年法律第63号・2025年6月11日施行)の制定・改正を契機に、職業名の性差を排除する動きが本格化しました。代表的な変更例は以下のとおりです。

  • 看護婦・看護士 → 看護師(保健師助産師看護師法改正、2002年)
  • スチュワーデス → 客室乗務員(各航空会社が自主的に変更)
  • 保母 → 保育士(児童福祉法改正、2001年)
  • 助産婦・保健婦 → 助産師・保健師(保健師助産師看護師法改正、2002年)

一方、現在も性差が残る呼称や表現があります。「女優」(男優との非対称)、「女性弁護士」「女性管理職」などの表現は、その職業の担い手が男性基準であることを前提とした修飾語であり、完全には解消されていません。こうした表現は、特定の属性を「例外」として強調する構造を持っています。

書類・文書に残る「男/女」の二元構造

公的書類や民間の各種フォームに残る「性別欄(男・女)」は、二元的な性別観を前提とした設計です。インターセックス(性分化疾患を持つ方々)やノンバイナリーの方々にとっては、該当する選択肢がなく、いずれかを選ばざるをえない状況が続いています。

2023年10月、最高裁判所大法廷は性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律(最終改正: 2023年施行)の手術要件・外観要件を違憲と判断しました。この判断は、書類上の性別変更に関する法的枠組みの見直しに向けた重要な契機となっており、2026年時点でも制度整備の議論が続いています。

呼称・敬称のインクルーシブ化

「~さん」は性別を問わない中立的な敬称として広く定着していますが、パートナー指示語や家族に関する呼称には異性愛・婚姻を前提とした表現が依然として多く使われています。インクルーシブな表現への言い換え例を以下に示します。

  • 「妻・夫」→「配偶者」「パートナー」
  • 「彼氏・彼女」→「交際相手」「パートナー」
  • 「お父さん・お母さん」→「保護者」「親御さん」
  • 「奥様・旦那様」→「ご家族の方」「パートナーの方」

これらの言い換えは、同性カップルや事実婚カップル、シングル家庭、ひとり親家庭など、多様な家族のかたちを前提とした対応として広まりつつあります。

職場でのジェンダーニュートラルな言語の実践

社内規程・就業規則の見直し

多くの企業の就業規則には、「産前産後休暇は女性従業員に」「男性社員の制服は…」など、性別を前提とした規定が残っています。2022年施行の育児・介護休業法(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律、最終改正: 令和6年法律第42号・2025年10月1日施行)改正(産後パパ育休の創設)を機に、性別を問わず取得できる権利の広報と就業規則の整合性を見直した企業も増えています。

社内規程を見直す際の基本方針としては、以下が参考になります。

  • 「女性従業員が育児休業を取得する場合」→「育児休業を取得する従業員が」
  • 「男性管理職が」→「管理職が」(施策・目標として「女性管理職比率の向上」と記述することは許容されます)
  • 「婚姻の際は配偶者の性別を問わず」と明記することで、同性パートナーを含む多様な家族への対応を示す

通称名・代名詞への職場対応

2023年に成立した性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律(LGBT理解増進法、施行: 2023年6月)は、事業主に対してLGBTQ+への理解増進を求める枠組みを提供しています。同法に基づく理解増進措置の一つとして、社員が希望する通称名や呼称を尊重する対応が挙げられます。

通称名については、マイナンバーカードや社会保険書類に記載される法律上の氏名と区別したうえで、社内メール・名刺・呼称においては本人が希望する名前を使用するポリシーを設ける企業が増えています。意図的に異なる名前や旧名称で呼び続ける行為は、SOGIハラ(性的指向・性自認に関するハラスメント)に該当する可能性があります。

また、英語話者に一般化しつつある「they/them」のような非二元的代名詞に相当する確立した日本語表現は現時点では存在しませんが、本人が希望する呼び方を尊重することが、職場環境配慮義務(労働契約法第5条)の観点から望ましい対応とされています。

採用・面接場面での性中立的表現

採用活動における性中立的な言語使用は、法令遵守の観点からも重要です。「男性歓迎」「若い女性スタッフが活躍中」などの求人表現は、男女雇用機会均等法第5条(募集・採用における性別を理由とする差別的取扱いの禁止)に抵触する可能性があります。厚生労働省は職業安定法のガイドラインにおいて、性別固定的な求人表現の自粛を求めています。

面接時の質問においても、「結婚の予定は?」「子どもは何人ほしいですか?」などの質問は、性別・婚姻状況に基づく差別につながりえるとして、避けるべき表現とされています。

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行政・法律文書におけるジェンダーニュートラルな言語

法令上の「男女」表現の現状と課題

男女共同参画社会基本法(最終改正: 令和7年法律第80号・2026年4月1日施行)は第2条第1号において「男女が、互いにその人権を尊重しつつ責任も分かち合い」と定義していますが、法律の名称・文言自体が「男女」という二元的枠組みを前提としています。同法制定時(1999年)には現在のような性的多様性をめぐる議論は社会的に高まっておらず、当時の枠組みをそのまま引き継いでいます。

一方、2023年成立のLGBT理解増進法は「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性」を明示的に認め、「性自認(ジェンダーアイデンティティ)」という用語を法令に盛り込んだ点で大きな転換です。しかし、同法では事業者・行政に対する義務の多くは努力義務にとどまっており、実効性の確保が課題として残っています。

自治体の取り組み事例

いくつかの自治体では、公文書・広報物のジェンダーニュートラル化を積極的に進めています。

  • 性別欄のある申請書類に「その他」または「回答しない」の選択肢を追加(東京都渋谷区・世田谷区など)
  • 広報紙やWebサイトの写真・イラストで「家族=父母+子」の画一的描写を避け、多様な家族像を採用
  • パートナーシップ宣誓制度の書類において「夫・妻」ではなく「甲・乙」または「パートナーA・B」と記載
  • 男女共同参画センターのパンフレットでLGBTQ+を含む多様な性のあり方を明記

こうした動きは男女共同参画社会基本法第9条に基づく地方公共団体の施策推進義務の一環として位置づけられます。

国際規格・企業文書基準の動向

ISO(国際標準化機構)や国連のガイドラインでは、公式文書における性中立的表現を推奨しています。グローバルに展開する企業では英語文書のジェンダーニュートラル化と並行して、日本語文書でも同様の基準を適用しようとする動きがあります。ただし、日本語固有の文法・敬語体系との整合性をどのように確保するかは、実務上の重要な検討課題として残っています。

現代的論点|2026年時点の到達点

2007年以降の主な法改正・新法

  • 2001年: 児童福祉法改正により「保母」が「保育士」へ改称(男女を問わない資格として整備)
  • 2002年: 保健師助産師看護師法改正により「看護婦・看護士」が「看護師」に統一
  • 2015年: 女性活躍推進法(女性の職業生活における活躍の推進に関する法律)成立→職場における性別データの開示・公表を義務化し、「女性活躍」という政策言語が定着
  • 2019年: 女性活躍推進法改正→常時雇用労働者301人以上の企業に情報公表義務を強化
  • 2022年: 育児・介護休業法改正→産後パパ育休(出生時育児休業)を創設。育児に関わる言語が「産休・育休は母親のもの」から性別を問わない休業制度へ転換
  • 2023年: LGBT理解増進法成立(性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律)→「性自認(ジェンダーアイデンティティ)」が初めて国内法令に明記
  • 2023年10月: 最高裁大法廷が性同一性障害特例法の手術要件・外観要件を違憲と判断→戸籍上の性別変更に関する法制度の見直し議論が始動
  • 2024年: 性同一性障害特例法の一部改正により生殖不能要件が削除(最高裁違憲判断を受けた立法措置)

議論の現在地

ジェンダーニュートラルな言語をめぐる議論では、推進側・慎重側それぞれから異なる論拠が提起されています。

【推進側の主な論拠】

  • インクルーシブな言語使用は、ノンバイナリー・トランスジェンダーなどの方々の精神的健康(ウェルビーイング)向上に寄与するとの研究が国際的に蓄積されています
  • SOGIハラ防止の観点から、本人が望まない性別・名前での呼称は職場環境配慮義務(労働契約法第5条)の問題となりえます
  • グローバル企業では英語・日本語ともに性中立的ガイドラインを策定する事例が増えており、国際業務との整合性や採用競争力の観点からも対応が求められています
  • LGBT理解増進法の趣旨に照らせば、言語使用も「理解増進」の一部として位置づけられます

【慎重側の主な論拠】

  • 日本語の文法・敬語体系は性中立化が難しい側面があり、強引な変更は文章の可読性・自然さを損なうおそれがあります
  • 公文書の言語変更には国民的な合意形成が必要であり、段階的な浸透が重要という意見もあります
  • 「男女」という区分は統計・政策効果測定の観点で必要な場面も多く、一律の廃止は政策立案のエビデンス基盤を弱める可能性があるという指摘もあります
  • LGBT理解増進法が「努力義務」にとどまる以上、法的強制力のある変更には別途の立法措置が必要との見解もあります

残された課題

  • 法令用語の「男女」二元的枠組みとノンバイナリー・インターセックスの存在との整合性: 男女共同参画社会基本法を含む多くの法令が「男女」を前提としており、包括的な法令改正は未着手の部分が多い状況です
  • ノンバイナリーの代名詞問題: 日本語では英語の「they/them」に相当する確立した非二元的代名詞がなく、言語的コンセンサスの形成が課題となっています
  • 性別欄の廃止・見直し: 民間・行政ともに性別記載の必要性を個別に検証し、不要な場合は廃止する仕組みが体系的に整備されていません
  • 職場でのLGBT理解増進法の実効性: 義務規定が限定的であるため、大企業と中小企業の間で取り組みに格差が生じています
  • 教育現場での取り組み: 学校教育における教科書・教材の言語表現の見直しは、文部科学省の検討課題となっていますが、具体的な基準整備は途上段階にあります

分野別の実践状況と課題の比較

各分野におけるジェンダーニュートラルな言語への対応状況と残された課題を比較整理します。

分野 現状の取り組み 主な課題
職業名・肩書き 看護師・保育士・助産師など多くの資格名が性中立化済み 「女医」「女性管理職」など「女性」を修飾語とする表現が残る
社内規程・就業規則 育介法改正を機に育休関連規程を見直す企業が増加 制服規程・服務規律・呼称規定に性差が残る企業が多い
採用・求人 厚労省ガイドラインにより性差別的求人表現を自粛 面接での踏み込んだ質問(結婚・育児予定)への対応が不十分な場合がある
行政書類 一部自治体が性別欄に「その他」選択肢を追加 住民票・マイナンバー等の国の基幹書類は「男・女」の二択のまま
公式文書・広報 大企業・先進自治体がガイドラインを策定 中小企業・多くの地方行政では体系的な対応が遅れがち
法令用語 LGBT理解増進法が「性自認(ジェンダーアイデンティティ)」を採用 多くの法令が「男女」の二元的枠組みを維持しており包括的改正は未着手
呼称・代名詞 職場での通称名・代名詞尊重の取り組みが企業単位で増加 日本語における非二元的代名詞の不在・法的義務化は未整備

公的相談窓口・参考リソース

LGBTQ+・多様な性に関する相談窓口

ジェンダーニュートラルな言語の実践や職場でのSOGI関連の問題について、以下の窓口に相談することができます。

  • よりそいホットライン(性的マイノリティ専門回線): 0120-279-338(24時間対応、無料)。LGBTQ+当事者からの生活上の困りごとや相談に対応しています。
  • 法テラス(日本司法支援センター): 0570-078374(平日9時~21時、土曜9時~17時)。職場での差別・ハラスメントに関する法律相談の案内を行っています。
  • 都道府県労働局 雇用環境・均等部(室): 各都道府県に設置。職場での性別・SOGIに関するハラスメントや差別についての相談・是正指導を担当しています。

参考資料・ガイドライン

  • 内閣府男女共同参画局「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律について」(公式解説)
  • 厚生労働省「職場におけるハラスメント防止対策の徹底について(パワハラ防止対策総合情報ポータルサイト)」
  • 国連「国連ガイダンスノート: ジェンダーインクルーシブ言語の使用について」(翻訳資料)

具体的な事案については、弁護士など専門家への相談をご検討ください。

まとめ|言語から始めるジェンダー平等

ジェンダーニュートラルな言語とは、言葉の選択を通じて、あらゆる性別・性自認の方々が排除されない社会をつくるための実践です。職業名の性中立化は一定の進展を見せていますが、法令用語・行政書類・職場の呼称など、依然として多くの課題が残されています。

2023年のLGBT理解増進法の成立や最高裁の性同一性障害特例法違憲判断は、法的枠組みが「男女」の二元論を超えて多様な性のあり方を認め始めた重要な転機です。一方、努力義務にとどまる規定が多く、職場や行政の実践は企業・自治体の意欲に依存している現状があります。

言語の変化は社会認識の変化とともにあります。日常の呼称や文書表現を一つひとつ見直すことは、職場のインクルージョンを高め、SOGIハラの防止にもつながります。法制度の整備と並行して、市民・企業・行政が言語の使い方を継続的に問い直していくことが、ジェンダー平等社会の実現に向けた実践的な一歩となるでしょう。

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ジェンダーニュートラルな言語とは|日本語の性差表現・職場・行政文書での実践と課題【2026年版】 - まとめ

よくある質問(FAQ)

Q. ジェンダーニュートラルな言語とは何ですか?
A. 特定の性別を前提とした表現や、性差を強調する言葉を見直し、あらゆる性的指向・性自認を持つ人が排除されないよう配慮した言語使用のあり方です。職業名の「看護師」化や、パートナー指示語の「配偶者」への置き換えなどが具体例として挙げられます。
Q. 職場で社員が希望する通称名や呼称を使わないとハラスメントになりますか?
A. 意図的に本人が望まない名前や性別で呼び続ける行為は、SOGIハラ(性的指向・性自認に関するハラスメント)に該当する可能性があります。2023年のLGBT理解増進法の趣旨に照らしても、職場での理解増進措置の一環として通称名・呼称への配慮が求められています。具体的な事案については、都道府県労働局などの専門窓口にご相談ください。
Q. 行政書類の性別欄を「男・女」以外の選択肢にすることを求める法律はありますか?
A. 2026年時点では、国の基幹書類(住民票・マイナンバー等)について「その他」選択肢の追加を義務化する法律は整備されていません。一部の先進的な自治体が独自に「その他」や「回答しない」の選択肢を設けていますが、全国的な制度化には至っていない状況です。2023年の最高裁違憲判断を受けた立法措置の議論の中で、この点も今後の検討課題とされています。
Q. LGBT理解増進法は、職場の言語使用に具体的にどんな影響がありますか?
A. LGBT理解増進法は事業主に対してLGBTQ+への理解増進措置を講じるよう求めていますが、言語使用に関する具体的な義務規定はなく、多くは努力義務にとどまります。ただし、同法の趣旨は「性自認及び性的指向について国民が理解を深めること」であり、通称名の尊重・インクルーシブな呼称の使用はその実践として位置づけることができます。
Q. 日本語でノンバイナリーを示す代名詞はありますか?
A. 2026年時点では、英語の「they/them」に相当する、社会的に広く定着した非二元的な日本語代名詞はありません。実践としては、「~さん」という中立的な敬称を使用することや、本人の希望する呼び方を個別に確認・尊重することが推奨されています。言語的なコンセンサスの形成は今後の課題として継続的に議論されています。

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