大学や研究機関で働く女性研究者・女性教員の割合は、日本では長年にわたり低水準が続いています。「理系に女性が少ない」という現象は学生時代にとどまらず、教員・研究者のキャリアにおいても顕著です。職階が上がるにつれて女性の姿は少なくなり、特に教授職では全体の2割にも満たない状況が続いています。研究費(科研費)の配分状況や国際比較においても、日本のアカデミアにおけるジェンダー格差は先進国の中で際立っています。
本記事では、文部科学省や科学技術・学術政策研究所(NISTEP)の統計データをもとに、大学教員・研究者のジェンダー格差の現状を職階別・分野別に整理します。研究費配分の状況、国際比較、是正に向けた施策も合わせて解説します。人事・D&I(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)担当者、研究者本人、政策や男女共同参画に関心を持つ方を主な対象として、2026年時点のデータと論点をわかりやすくまとめます。

大学教員・研究者の「女性比率」とは何を指すか
大学教員の職階と統計の読み方
日本の大学教員は職階によって「教授」「准教授」「講師」「助教」「助手」に区分されます。文部科学省が毎年公表する「学校基本調査」は、この職階ごとに女性の本務教員数と比率を集計しており、大学教員のジェンダー統計を論じる際の最も基本的な一次資料となっています。「本務教員」とは専任の正規雇用教員を指し、非常勤講師は含まれません。非常勤比率は女性が高い傾向があるため、本務教員のみで集計すると女性比率が低めに出るという点も理解しておく必要があります。
研究者全体の動向を把握する際にはNISTEPが毎年更新する「科学技術指標」も重要です。NSTEPの定義では「研究者」とは大学・研究機関・企業等に所属し、新知識の発見や技術の創造を専門とする者を指します。大学教員はこの定義に含まれますが、民間企業の研究職も含まれるため、数値の対象範囲が異なる点に注意が必要です。本記事では、大学教員の統計(学校基本調査ベース)と研究者全体の統計(科学技術指標ベース)を区別して示します。
女性研究者・女性教員の現状:全体比率
文部科学省の「令和5年度(2023年度)学校基本調査」によれば、大学の本務教員に占める女性の割合は全体の約26.5%です。2007年時点の約20.5%から約6ポイント増加しており、緩やかな改善傾向は見られます。しかし、OECD加盟国の大学教員の女性比率の中央値が35~40%程度とされることを踏まえると、依然として低い水準にあると言えます。
研究者全体(大学・企業・研究機関を含む)でみると、NISTEPの「科学技術指標2024」によれば、日本の女性研究者比率は約17.7%です。これはOECD平均(28.7%程度)を10ポイント以上下回る数値であり、主要先進国の中で最低水準グループに位置しています。
統計を読む際の留意点
女性研究者・女性教員の比率を議論する際には、「数の代表性(在職比率)」と「機会の平等(採択率・昇進速度)」を区別して考えることが重要です。在職比率が増加しても、昇進速度や研究費獲得において格差が残っていれば、実質的なジェンダー平等が達成されているとは言えません。また、分野・職階・国籍・年齢層によって格差の構造は大きく異なるため、複合的な視点での分析が求められます。
職階別データで見る「シザー効果」
職階が上がるほど女性が減るパターン
「シザー効果(Scissors Effect)」とは、職階が上がるにつれて男女の在職比率が交差するように乖離していく現象を指します。ちょうどハサミの刃が交差するように、初期段階では女性比率が一定程度あるのに対し、上位職になると急速に低下するパターンです。日本の大学でも、この構造が統計データに明確に現れています。
文部科学省「令和5年度学校基本調査」をもとにした職階別女性比率は、おおよそ次のとおりです。助手が約48.4%と高い一方、助教が約31.0%、講師が約33.2%、准教授が約26.4%、そして教授が約16.7%という数値が示すように、職階が上位になるほど女性比率が低下する傾向が一貫しています。教授職では女性が約6人に1人にとどまる計算です。
「助手」については、従来型の大学雇用形態の名残であり、主として理工系・医療系に多い職種です。医療系では女性看護師・女性薬剤師が補助的な教員職に就くケースが多く、これが助手段階での女性比率を押し上げている一因とも言われています。一方で、この数値の高さは「助手から准教授・教授へのキャリアアップにおける格差」を見えにくくするという指摘もあります。
分野別の差異:文系・理工系・医療系
分野別にみると、女性教員比率の格差は顕著です。人文科学・社会科学・芸術・家政系では女性教員比率が比較的高く、30%前後に達する分野も多いのに対し、理学・工学系では10%台前後にとどまることが多く、NISTEPの調査でも同様のパターンが確認されています。医学・歯学・薬学では女性医師・歯科医師・薬剤師の増加を受けて比率が上昇傾向にありますが、教授職に限ると依然として低い水準です。
このような分野間格差は、学生段階からの「専攻選択のジェンダー格差」が長年にわたって累積した結果とも言えます。学部・大学院段階での専攻選択バイアスについては、「高等教育のジェンダー格差統計|大学・理系・博士課程の男女差と国際比較【2026年版】」で詳しく解説しています。
管理職(学長・副学長・学部長)のジェンダー統計
教員職の上位に位置する管理職(学長・副学長・学部長・研究科長)においては、ジェンダー格差はさらに大きくなります。内閣府の調査では、2023年時点で国立大学の女性学長・副学長比率は約8%程度にとどまっており、学部長・研究科長においても約12%と低水準です。大学の意思決定層における女性の少なさは、組織全体の採用・昇進・研究資源配分の方針に影響を与えるとして、ジェンダー平等推進の観点から問題視されています。第6次男女共同参画基本計画(2025年策定予定)では、国立大学の女性学部長・研究科長等の比率を2030年までに20%以上とする目標が検討されています。
研究費・科研費申請におけるジェンダー格差
科研費(科学研究費助成事業)の申請・採択状況
科学研究費助成事業(科研費)は、文部科学省所管・独立行政法人日本学術振興会(JSPS)が実施する研究者向け競争的資金の代表例です。研究者にとって最も重要な外部資金の一つであり、その配分状況はキャリア形成に直結します。
JSPSが公表するデータによれば、科研費の新規応募件数に占める女性研究者の割合は2022年度時点で約23.7%でした。採択率(応募件数に対する採択件数の割合)については男女間で大きな差がないとするデータが示されていますが、採択された研究費の金額(1件あたりの規模)では、男性研究者の方が平均的に高い傾向があります。これは、大規模研究費を競う上位採択種目(基盤研究A・Sなど)において女性研究者の応募・採択が少ないことが一因です。採択率の男女差が小さい一方で応募件数自体が少ないという構造は、「パイプラインの問題」として研究者コミュニティの中でも議論されています。
採択金額規模の格差と背景
研究費獲得規模の格差は、単に個人の研究力だけで説明できない構造的背景があると指摘されています。特に子育て期(30代後半~40代)は研究の飛躍的な発展期と重なることが多く、育児負担が女性に偏りがちな現状では、大型研究費への申請準備に充てられる時間と労力に差が生じやすい構造があります。
また、研究者のネットワーク形成(共同研究・学会のコネクション等)においても、育休取得や時短勤務による「研究中断」の影響を受けやすい女性研究者が不利な立場に置かれるという指摘もあります。大型研究費への応募には共同研究者や海外ネットワークが必要なケースが多く、ネットワーク形成に充てられる時間の差が、応募件数の格差につながっていると考えられています。
ライフイベントと研究継続の課題
日本の研究者を取り巻く環境では、ポスドク(ポストドクトラル・リサーチャー。博士号取得後に専任ポストを持たず研究を続ける研究員)段階での雇用が有期契約であることが多く、妊娠・出産・育児のタイミングによってキャリアが断絶するリスクが高いとされています。内閣府の調査では、育休取得後の復帰時に研究業績の不足を理由にポスト更新が困難になった事例が報告されています。このような「出産によるキャリアペナルティ(Child Penalty)」の累積が、女性研究者の教授職・シニア研究職への昇進を妨げる構造的要因の一つとして指摘されています。
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現代的論点|2026年時点の到達点
2007年以降の主な法改正・新法
女性研究者・女性教員の就業環境に関わる主な法改正・施策の変遷は以下のとおりです。
- 2006年:「女性研究者支援モデル育成事業」開始(文部科学省) 女性研究者の採用・登用促進のためのモデルプログラムを大学に委託する事業として開始。後の「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ」の前身となりました。
- 2015年:女性活躍推進法(女性の職業生活における活躍の推進に関する法律)施行、2022年改正 301人以上(2019年改正・2022年4月1日施行で101人以上に拡大)の従業員を擁する事業者に対し、女性管理職比率等の行動計画策定・情報公開を義務付け。大学・研究機関も適用対象です。
- 2016年:「第5期科学技術基本計画」 科学技術基本法に基づく計画で、自然科学系の女性研究者比率目標を明記(理工農系30%、理学・工学系20%等)。女性活躍推進を科学技術政策に正面から位置付けた計画です。
- 2020年:科学技術・イノベーション基本法(502AC0000000063、旧科学技術基本法改正)施行 第9条に「女性の科学技術に関する活動への参画の促進」を明記。研究現場での男女共同参画を法律の柱として位置付けました。
- 2020年:「第5次男女共同参画基本計画」 研究者・技術者の女性比率向上を重点施策に位置付け。コロナ禍での女性研究者への影響分析やデジタル分野の女性活躍も明記されました。
- 2021年:「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(特色型・牽引型・連携型)」へ再編 文部科学省・JST(科学技術振興機構)が、女性研究者のライフイベント対応・育成・登用を一体的に支援するプログラムとして整備。保育費補助・研究補助員の配置・在外研究支援等を組み合わせた複合的な支援が展開されています。
- 2022年:育児・介護休業法改正(産後パパ育休の創設・段階的施行) 研究者を含む全就労者を対象とした改正。育休中のオンライン研究参加の可否など、研究継続との両立をめぐる議論が研究者コミュニティでも活発化しました。
- 2025年:「第6次男女共同参画基本計画」策定(予定) 研究分野の数値目標を改定し、2030年に向けた女性教員比率・管理職比率の新たな目標値を設定する見通しです。
議論の現在地
2026年時点における女性研究者をめぐる主な議論は、大きく「数値目標・ポジティブアクションのあり方」と「支援策の実効性」の2点に集約されます。
数値目標については、現行の目標(例:理工系30%)を「性別を問わず最も優秀な研究者が選ばれるべきであり、数値目標は研究の質より属性を優先することになる」と批判する立場があります。一方で、「構造的不利(ライフイベントの影響・ネットワーク格差・無意識の偏見)を補正するためのポジティブアクション(積極的改善措置)として正当化できる」とする立場もあり、学界・産業界・行政の間で議論が続いています。ポジティブアクションの法的根拠については「ポジティブアクション(積極的改善措置)とは|職場の男女格差を縮める措置の定義・法的根拠・企業実践例【2026年版】」で詳しく解説しています。
支援策の実効性については、「育児支援(保育・時短勤務)が整備されても、論文数・引用数に偏重した研究評価基準が変わらなければ、育休取得者や時短勤務者のキャリアは不利なまま」とする指摘が根強くあります。また、「女性研究者支援プログラムが特定の大学・特定の研究段階(准教授相当まで)に偏っており、最も苦境にある若手ポスドクには支援が届いていない」という批判的評価もあります。
残された課題
2026年時点で依然として解決されていない主な課題は以下のとおりです。
- ポスドクのジェンダー格差:任期付き・低賃金のポスドク段階で女性研究者の離職が多く、その後の「パイプライン喪失」が教授職への登用不足に直結する構造が続いています。
- 研究評価基準の見直し:論文数・引用数に偏重した業績評価基準が、育休取得・育児期の研究者に不利に作用するという指摘が根強くあります。「業績の質」「社会的影響」「教育貢献」等を加味した評価基準への移行が議論されていますが、大学全体への普及は途上です。
- 研究室でのハラスメント問題:研究室という閉鎖的環境でのアカデミック・ハラスメント(以下、アカハラ)・セクシュアル・ハラスメントが女性研究者の離職要因の一つとして指摘されています。実態把握のためのデータが不十分な点も課題です。
- 詳細統計データの整備:所属機関別・研究課題別・年齢層別の女性研究者データが十分に公表されておらず、EBPM(証拠に基づく政策立案)に必要な詳細統計が不足しています。EBPMの仕組みについては「EBPM(証拠に基づく政策立案)と男女共同参画統計|データで政策を変える仕組みと2026年の現状」をご参照ください。
国際比較で見る日本の女性研究者比率
OECD主要国との比較
NISTEPの「科学技術指標2024」およびOECDの「Main Science and Technology Indicators(MSTI)」「Eurostat She Figures」等をもとに、主要国の女性研究者比率(大学・企業・研究機関を含む全研究者に占める女性の割合)を整理します。集計方法は各国で一部異なるため、国際比較は参考値として参照してください。
| 国・地域 | 女性研究者比率(概算) | 主なデータ源 |
|---|---|---|
| 日本 | 約17.7% | NISTEP「科学技術指標2024」 |
| 韓国 | 約22.0% | OECD MSTI(2022年参考値) |
| ドイツ | 約28.0% | OECD MSTI(2022年参考値) |
| フランス | 約28.0% | OECD MSTI(2022年参考値) |
| EU平均 | 約33.0% | Eurostat She Figures(2021年) |
| 英国 | 約38.0% | HESA(2022/23年度) |
| 米国 | 約34.0% | NSF NCSES(2021年参考値) |
| OECD平均 | 約28.7% | OECD MSTI(2022年平均) |
アジア圏・欧米との差が生じる背景
日本の女性研究者比率がOECD最下位水準に近い背景として、複数の要因が指摘されています。第一に、中学・高校段階からの理系進路選択における女子生徒の割合の低さ(「デジタル・STEM分野のジェンダーギャップ|統計データと是正策【2026年版】」参照)。第二に、育児・家事の女性への偏重によるライフイベント期のキャリア断絶リスク。第三に、長時間労働・長時間在室が評価されやすい日本の職場文化がアカデミアにも根付いており、育休・時短取得者が業績評価で相対的に不利になりやすいことです。
これらの要因は相互に連鎖しており、特定の政策だけで短期に解決できるものではないとする見方が多数を占めています。学部入学段階からの分野別格差・職場文化・評価基準・支援制度の4つを同時に改革することが必要とされています。
ジェンダーギャップ指数(GGI)との連動
世界経済フォーラム(WEF)が毎年公表するジェンダーギャップ指数(GGI)の「経済参画・機会」分野では、専門職・技術職における女性比率が評価項目の一つです。日本のGGIが他の先進国と比較して低迷している背景には、アカデミアを含む専門職における女性の代表性の低さも影響しています。GGIの詳細な分析については「ジェンダーギャップ指数とは|日本の順位・4分野スコアと国際比較【2026年版】」をご参照ください。
是正に向けた主な施策
文部科学省・JSTの女性研究者支援プログラム
文部科学省は「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ」を通じて、大学・研究機関における女性研究者の採用・登用・ライフイベント対応を支援しています。「特色型」(女性研究者の育成・採用比率向上)「牽引型」(女性リーダー・研究者の活躍環境整備)「連携型」(複数機関の連携による支援体制)の3種類があり、各大学が独自の計画を立案・実施します。JST(科学技術振興機構)も同様に、保育費補助や研究補助員の配置などを通じて育児と研究の両立を支援する体制整備を促す事業を展開しています。
科研費のライフイベント対応措置
日本学術振興会(JSPS)は、科研費のライフイベント(出産・育児・介護)対応として「研究中断・再開制度」「育児・介護中の研究期間延長措置」などを設けています。また、「特別研究員RPD(Research Fellowship for Young Scientists: Return for Developing Professionals)」は育休後に研究者としてキャリアを再開しようとする人を対象とした支援制度であり、月額研究奨励金・研究費の支援を提供します。これらの制度は研究継続を制度面で支える取り組みですが、知名度・利用率ともに十分ではないとする指摘もあります。
大学独自のD&I推進と数値目標の義務化
女性活躍推進法(第8条第1項)(最終改正令和7年法律第63号・2026年4月1日施行)により、101人以上の従業員を擁する大学・研究機関も行動計画の策定・公表が義務付けられています。女性研究者の採用比率・管理職比率について数値目標を設定し、その達成状況を「えるぼし認定」などを通じて可視化する動きも広がっています。えるぼし認定制度の詳細については「えるぼし認定とは|女性活躍推進法の認定制度・取得条件と企業の実態」をご参照ください。
一方で、数値目標の設定が「形式的な達成」に終わるリスクも指摘されています。非常勤・任期付き採用で女性比率を引き上げても、正規・無期の上位職への登用が進まなければ実質的な平等とは言えないとする批判的な評価もあります。採用だけでなく昇進・定着を一体的に測定・評価する仕組みの整備が求められています。
公的相談窓口・参考情報
女性研究者・女性教員に関わる労働問題・ハラスメントについては、以下の相談窓口を活用できます。
- 都道府県労働局 雇用環境・均等部(室):職場でのセクシュアル・ハラスメント・マタニティハラスメント等に関する相談に対応しています。全国各地に窓口があります。
- 法テラス(日本司法支援センター):電話 0570-078374。労働問題・ハラスメントに関する法律相談の案内を行っています。経済的に余裕のない方向けの法律扶助制度もあります。
- 内閣府男女共同参画局 相談ナビ:困ったときの相談先を地域・テーマ別に案内するウェブサービスです(https://www.gender.go.jp 内)。
具体的な事案については、弁護士など専門家への相談をご検討ください。
まとめ
日本の大学における女性教員比率は全体の約26.5%ですが、教授職に限ると約16.7%と低水準にとどまります。研究者全体(企業・大学・研究機関)でも女性比率は約17.7%とOECD平均(約28.7%)を大きく下回っており、先進国の中で最低水準グループに位置しています。職階が上位になるほど女性が減る「シザー効果」は統計に明確に現れており、管理職(学長・学部長等)ではさらに格差が拡大します。
科研費の採択率に男女間の大きな差はないとするデータがある一方、応募件数自体が少ない点・採択金額規模の差・育児期との重複・ポスドク段階のキャリア断絶といった構造的問題が、女性研究者の教授職への登用を妨げていることが指摘されています。国際比較では、EU平均33%・米国34%・英国38%という数値に対し、日本は依然として約17.7%の水準にあります。
文部科学省・JSPS・各大学による女性研究者支援施策は整備が進んでいますが、研究評価基準の見直し・ポスドクへの支援充実・ハラスメント防止の徹底など、構造的な改革が引き続き求められます。採用だけでなく昇進・定着・管理職登用まで一体的に取り組む視点が、ジェンダー平等なアカデミアの実現には不可欠です。
よくある質問(FAQ)
- Q1. 日本の女性研究者比率はどのくらいですか?
- NISTEPの「科学技術指標2024」によれば、日本の女性研究者比率は約17.7%です。大学・企業・研究機関を含む全研究者に占める割合であり、OECD平均(28.7%程度)を10ポイント以上下回っています。先進国の中では最低水準グループに位置しています。
- Q2. 大学の教授職に占める女性比率はどのくらいですか?
- 文部科学省「令和5年度学校基本調査」によれば、大学の教授職に占める女性比率は約16.7%です。准教授(26.4%)・講師(33.2%)・助教(31.0%)と比較すると、職階が上がるほど女性比率が低下する傾向が明確になっており、「シザー効果」と呼ばれています。
- Q3. 科研費の採択において男女差はありますか?
- 採択率(応募件数に対する採択件数の割合)については男女間で大きな差がないとするデータがあります。ただし、女性研究者の応募件数そのものが全応募の約24%程度と少ない点や、大型研究費の採択金額規模では男性が高い傾向があることが指摘されています。育児期との重複や研究ネットワーク形成の機会差などが背景として挙げられています。
- Q4. 女性研究者を支援する主な国の制度はどのようなものですか?
- 主な施策として、文部科学省・JSTの「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ」(保育費補助・研究補助員配置等)、日本学術振興会(JSPS)の科研費ライフイベント対応(研究中断・延長制度・RPD制度)、女性活躍推進法に基づく大学・研究機関の行動計画策定・公表義務などがあります。
- Q5. 国際比較で、日本の女性研究者比率はどの程度の位置にありますか?
- OECD加盟国の中では最低水準グループに位置します。EU平均の女性研究者比率が33%程度、英国が38%程度、米国が34%程度であるのに対し、日本は約17.7%です。アジアでは韓国(約22%)より低い数値にとどまっています。
- Q6. 女性研究者に関連するハラスメントは法律上どのように扱われますか?
- 大学・研究機関での職場ハラスメント(アカデミック・ハラスメント・セクシュアル・ハラスメント・マタニティハラスメント等)は、男女雇用機会均等法(第11条・第11条の3(2026年10月1日以降は第15条))・労働施策総合推進法(第30条の2、2026年10月1日以降は第31条)等により、事業者に防止措置義務が課されています。具体的な事案については弁護士や都道府県労働局への相談をご検討ください。

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