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気候変動とジェンダー平等|環境危機が女性に与える不均等な影響と市民にできること【2026年版】

気候変動が「ジェンダーの問題」でもあると聞いて、意外に感じる方もいるかもしれません。しかし、台風・洪水・干ばつといった気候危機の影響は、社会的・経済的に脆弱な立場に置かれやすい女性や女児に、より大きくのしかかる傾向があることが、国際調査研究によって繰り返し示されています。同時に、地域の農業や環境保全を支えてきたのも、食料と水の確保を担ってきたのも、多くの社会において女性たちでした。

気候変動問題と男女共同参画は、一見すると別々の政策課題のように見えますが、根底では同じ問いを共有しています。「だれが意思決定に関わるか」「だれがリスクを負い、だれが恩恵を得るか」という問いです。国連や国際機関はこの交差点を「ジェンダーと気候変動(Gender and Climate Change)」と呼び、SDGs目標5(ジェンダー平等)と目標13(気候変動対策)を統合的に進めることを求めています。

この記事では、気候変動とジェンダーの接点を整理し、国際的な枠組みの現状と日本での課題を解説します。また、一人ひとりの市民として日常のなかで取り組める行動のヒントも紹介します。気候変動・環境問題に関心を持つ学生・社会人・地域活動に関わる方など、幅広い読者を対象とした内容です。

気候変動とジェンダー平等|環境危機が女性に与える不均等な影響と市民にできること【2026年版】 - 解説

目次

気候変動とジェンダーの交差点とは

ジェンダーと気候変動が交差する理由

ジェンダー(gender)とは、生物学的な性別(セックス)とは区別される、社会的・文化的に形成された性別の概念です。職業の選択、家庭内の役割分担、土地の所有権、教育へのアクセスなど、社会の多くの場面でジェンダーによる不平等が生じています。

気候変動の影響は、こうしたジェンダー不平等の構造を通じて人々に届きます。農業・漁業・水の調達を担う女性は、気候変動による農作物の不作や水資源の変動に最初にさらされる立場に置かれやすいです。自然災害時には、家族の避難支援や子ども・高齢者のケアを担いながら、自身の避難が遅れるケースが記録されています。避難所での安全や尊厳の確保も、ジェンダーの視点なしには不十分になりやすいことは、国内でも能登半島地震(2024年)の対応で改めて浮き彫りになりました。

一方で、気候変動への適応策や緩和策の立案段階に女性が参加することで、より包摂的で実効性の高い解決策が生まれるという調査結果も蓄積されています。国連環境計画(UNEP)をはじめとする国際機関は、気候行動の意思決定への女性参画を「効率性の問題」としても位置づけています。

インターセクショナリティの視点

インターセクショナリティ(intersectionality、交差性)とは、ジェンダーだけでなく、人種・民族・階層・障害・年齢など複数の属性が重なり合うことで、複合的な不平等が生じるという概念です。ジェンダー平等を論じる際に欠かせない分析の枠組みです。

気候変動においても、この交差性は重要な意味を持ちます。農村部に住む女性高齢者、障害のある女性、移住・外国籍の女性は、都市部の若年層と比べて気候変動の影響をより強く受けやすい状況に置かれることがあります。気候政策の立案に際して、こうした複合的な脆弱性を見落とさないことが、実効性ある対策のために不可欠です。

国際的な定義と枠組み

国連気候変動枠組条約(UNFCCC)は、気候変動対応においてジェンダー平等と女性のエンパワーメントを推進することを明確に位置づけています。2015年に採択されたパリ協定(Paris Agreement)の前文にも、ジェンダー平等・女性のエンパワーメント・世代間衡平性への言及が明記されました。

UNFCCCは2014年の「リマ作業計画(Lima Work Programme on Gender)」を皮切りに、締約国会議(COP)のたびに「ジェンダー行動計画(Gender Action Plan)」を更新してきました。これらの国際文書は、気候変動政策の主流にジェンダーの視点を組み込む「ジェンダー主流化(Gender Mainstreaming)」を各国に求めています。

気候変動が女性に与える不均等な影響

農業・食料安全保障と女性

世界的に見ると、農村部の食料生産の多くを女性が担っています。国連食糧農業機関(FAO)などの国際機関は、女性農業者が土地所有権や農業資材・技術へのアクセスで不平等な状況に置かれやすいことを指摘してきました。気候変動による干ばつや洪水は農作物の収量に直接影響し、こうした女性農業者の生計と家族の食料安全保障を揺るがします。

日本でも、農山漁村の女性が農業・林業・水産業の担い手として重要な役割を果たしていることは、農林水産省の調査が継続的に示しています。しかし、農業委員会や農業協同組合の意思決定機関への女性参画は依然として低い水準にあり、気候変動適応策を含む農業政策の立案に女性の声が届きにくい状況が続いています。

自然災害と避難行動の性差

自然災害時における避難行動と被害には、ジェンダーによる差が生じやすいことが国内外の研究によって示されています。女性は介護者・ケア提供者としての役割を担いながら避難を判断する場面が多く、自身の安全確保が後回しになるケースが報告されています。

避難所での生活においても、ジェンダー配慮が欠けた環境では、着替えや授乳のスペース確保、女性専用のトイレ・シャワーの不足、性被害リスクの高まりといった問題が生じます。2024年能登半島地震の支援活動でも、こうした課題が改めて社会的に認識され、ジェンダー配慮を盛り込んだ避難所運営の重要性が強調されました(関連: 地域防災と男女共同参画|避難所のジェンダー配慮と能登半島地震の教訓【2026年版】)。

貧困と気候変動の連鎖

気候変動はすでに脆弱な状況にある人々の貧困を深刻化させる「リスクの増幅装置」として機能する場合があります。農業収入の減少、自然災害による住居・資産の損失は、女性に偏った貧困の悪循環を生じさせる可能性があります。

日本においては、非正規雇用に占める女性の割合が高く、経済的な緩衝材が薄い女性が、自然災害後の経済的回復においても不利な立場に立たされやすいという指摘があります。男女間賃金格差(男性を100とした場合、女性は76.6:令和7年6月分・厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」2026年3月24日公表)も、こうした経済的脆弱性の背景にあります。

意思決定への女性参画|なぜジェンダー視点が必要か

気候政策における女性の代表性

気候変動交渉・環境政策の立案における女性の参画は、世界的に見てもいまだ限られています。国連環境計画(UNEP)の報告は、気候変動の最も深刻な影響を受ける地域の人々や女性が意思決定の場に参加できていないというギャップを繰り返し指摘しています。

日本においても、国の審議会等委員の女性割合は42.0%(令和6年9月30日現在・内閣府調べ・2025年4月更新)という全体平均に対し、環境・防災関連の個別審議会では委員構成が男性に偏る傾向があります。第6次男女共同参画基本計画(令和8年3月13日閣議決定)は都道府県防災会議の委員の女性割合について現状23.3%(2024年・内閣府調べ)から2030年に30%とする目標を掲げており、気候・防災政策の意思決定への女性参画が引き続き重要課題として位置づけられています。

女性と気候行動

女性は気候行動の消費・ライフスタイル両面でも重要な役割を担っています。家庭内のエネルギー消費・食の選択・購買判断の多くを女性が担っているという調査結果があります。こうした日常の選択は、エシカル消費・再生可能エネルギーの選択・フードロス削減などを通じて、社会全体の脱炭素化に貢献し得ます(関連: エシカル消費とジェンダー平等|買い物・投資・SNSで変える社会【2026年版】)。

また、NGO・NPO・地域活動レベルでの環境保全運動において、女性の参画率が高い事例が世界各地で記録されています。女性環境活動家が気候変動対策の最前線で果たす役割は、審議会の参画数だけでは測れないものがあります。

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日本における気候変動とジェンダー政策の現状

男女共同参画基本計画と環境・防災

男女共同参画社会基本法第13条(男女共同参画基本計画)に基づき策定された第6次男女共同参画基本計画(令和8年3月13日閣議決定)は、SDGsと整合的に推進する観点から、防災・環境分野における男女共同参画の推進を重点施策として位置づけています。

同計画は、自然災害時の避難所運営・復旧・復興計画への女性参画を促進する施策を盛り込んでいます。また、農山漁村における女性の参画拡大を通じた地域の気候変動適応力の向上も政策課題として認識されています。

防災会議への女性参画と地域計画

男女共同参画社会基本法第14条第1項は都道府県が男女共同参画計画を策定することを義務づけ、同条第3項は市町村に努力義務を課しています。多くの自治体では、この計画のなかに防災・減災の視点を盛り込むことが求められています。

内閣府男女共同参画局は「男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン」を策定し、避難所運営や復興計画への女性参画を推進しています。都道府県防災会議の委員の女性割合は23.3%(2024年・内閣府調べ)となっており、第6次基本計画が掲げる2030年30%の目標に向けて継続的な取り組みが求められています。

農山漁村と女性農業者の位置づけ

農山漁村における男女共同参画は、気候変動適応策の担い手という観点から改めて注目されています。農業委員会委員の女性割合は全国的に低い状況が続いており、農業経営の意思決定や農業政策の企画立案に女性の声が反映されにくい構造が指摘されています。

農林水産省は「農山漁村男女共同参画推進のための取組」を継続しており、女性農業者のネットワーク形成や経営参画を支援する施策を展開しています。気候変動への適応策(農業技術の転換・作付け品目の変更等)において、現場で農業を担う女性の知識と経験を政策立案に活かすことの重要性も高まっています(関連: 農山漁村の男女共同参画|女性農業者の地位・農業委員会への参画と支援制度【2026年版】)。

現代的論点|2026年時点の到達点

2007年以降の主な法改正・新法

気候変動とジェンダーの交差領域において、国際的・国内的に以下の動きがありました。

  • 2015年(SDGs採択): 持続可能な開発目標の採択により、目標5(ジェンダー平等)と目標13(気候変動対策)を統合的に推進する国際的枠組みが確立された。日本も2016年にSDGsの推進に関する実施指針を策定し、男女共同参画政策とSDGsの整合を明示的に位置づけた
  • 2015年(パリ協定採択): 国際的な気候変動対策の枠組みであるパリ協定の前文に、ジェンダー平等・女性のエンパワーメント・世代間衡平性が明記された。日本は2016年に批准した
  • 2020年(第5次男女共同参画基本計画・令和2年12月25日閣議決定): 防災・復興分野における男女共同参画の推進が重点事項として盛り込まれた。コロナ禍が女性に与えた不均等な影響への対応も新たに位置づけられた
  • 2026年(第6次男女共同参画基本計画・令和8年3月13日閣議決定): 環境・防災分野のジェンダー主流化が継続して掲げられ、防災会議委員の女性割合30%(2030年目標)が設定された

議論の現在地

気候変動とジェンダーをめぐる議論は、主に以下の2つの軸で展開しています。

気候変動適応の公平性(Equity in Adaptation)をめぐっては、脆弱な立場にある女性・子ども・高齢者・障害者を適応策の中心に置くことの重要性を強調する立場と、個人の属性よりも普遍的な政策設計を優先すべきとの立場があります。どちらの立場も「公平で実効性のある気候対策」という目標を共有しており、その手段をめぐる議論です。

女性の気候行動への参画については、女性の代表性向上が気候政策の実効性を高めるという実証研究が蓄積される一方、「特定の属性に過度に依存した政策枠組みは別の不平等を生む」との批判的見方もあります。賛否を含む幅広い意見を踏まえながら、エビデンスに基づく政策の設計と評価が求められています(関連: EBPM(証拠に基づく政策立案)と男女共同参画統計|データで政策を変える仕組みと2026年の現状)。

残された課題

  • データの整備: 気候変動の影響についてジェンダー別に分解した国内データが依然として少なく、政策の効果検証が困難な状態が続いています。内閣府はEBPM(証拠に基づく政策立案)の観点から統計整備を進めていますが、気候・環境分野への適用はまだ発展途上です
  • 意思決定への参画: 環境・防災関連の審議会や委員会への女性参画は、全体平均に対して依然として低い傾向があります。防災会議委員の女性割合23.3%という現状値から、2030年30%という目標達成までの道のりは継続的な取り組みを要します
  • 地域格差: 都市部に比べて農山漁村では、気候変動適応策の立案に女性の声が届きにくい構造的課題があります。農業委員会・農業協同組合の意思決定への参画拡大が引き続き求められています
  • 国際連携のジェンダー配慮: 気候変動の影響を最も受けている途上国・島嶼国との協力において、日本のODA(政府開発援助)や技術協力にジェンダーの視点が十分に統合されているかという問いが残っています

国際的な取り組みの比較

気候変動とジェンダー政策の国際比較を通じて、日本の現状を位置づけてみます。

枠組み・国 気候×ジェンダーの位置づけ 主な特徴
パリ協定(2015年) 前文にジェンダー平等・女性のエンパワーメントを明記 締約国に対して気候行動へのジェンダー視点の組み込みを促す国際的枠組み
SDGs(2015年) 目標5(ジェンダー平等)と目標13(気候変動対策)を統合的に推進 17目標が相互に連関し、単独の目標達成には他目標との整合が必要とされる
UNFCCC ジェンダー行動計画 締約国会議(COP)のたびに更新。気候交渉への女性参画率向上を推進 目標・指標・期限を定めた行動計画として機能している
EU(欧州連合) 欧州グリーンディールとジェンダー平等戦略を統合的に推進 エネルギー転換や農業政策にジェンダー影響評価を義務化する議論が進む
北欧諸国 気候変動適応・緩和政策にジェンダー主流化を制度的に組み込む ジェンダー予算(Gender Budgeting)と気候予算を連携させる先行事例がある
日本 第6次男女共同参画基本計画(令和8年3月13日閣議決定)で防災分野のジェンダー参画を推進 気候変動適応計画と男女共同参画計画の統合的な評価体制は整備途上

SDGs目標5と目標13の統合的な推進については別記事でも詳しく解説しています(関連: SDGs目標5とジェンダー平等|日本の現状と市民ができること【2026年版】)。

市民にできること|日常の行動から政策参加まで

消費・ライフスタイルの選択

エシカル消費(倫理的消費)として知られる、環境・社会的公正に配慮した消費行動は、気候変動対策とジェンダー平等の双方に貢献できます。フェアトレード認証品の選択、再生可能エネルギーへの切り替え、フードロスの削減などは、日常のなかで取り組める具体的な行動です。

製品を選ぶ際に「だれが、どのような環境で作ったか」に目を向けることは、グローバルなサプライチェーン上のジェンダー格差(農業・縫製業などにおける女性労働者の問題)にも意識を向けることにつながります。再生可能エネルギーを選択する際には、エネルギー事業の地域雇用や地域の女性参画という観点も視野に入れることができます。

地域活動・情報発信への参加

自治会・PTA・NPO・環境活動グループへの参加は、地域の気候変動適応策の立案に市民の声を届けるチャネルです。防災計画・地域の緑化事業・廃棄物処理計画などに関する意見公募(パブリックコメント)への参加も、市民として意思決定に関与する手段のひとつです。

NPOや市民団体を通じた環境・ジェンダーの交差点に関する情報の共有・発信も、社会的な意識を広げる市民活動となります(関連: NPO・市民団体と男女共同参画|ジェンダー平等を推進する民間活動の役割と事例【2026年版】)。

投票行動と政策参加

環境政策とジェンダー平等政策を重視する候補者や政党を選択する投票行動は、民主主義社会における市民の強力な関与手段のひとつです。候補者の公約や実績を「気候変動」「ジェンダー平等」の両軸で評価することは、持続可能な社会づくりへの参加につながります。

各都道府県・市区町村が策定する男女共同参画計画や環境基本計画の策定過程には、市民参加の機会(意見公募・審議会等の公募委員)が設けられています。こうした機会を活用することで、個人の意見が地域の政策に反映される可能性があります(関連: ジェンダー平等政策に市民の声を届ける方法|パブリックコメント・審議会委員・請願の活用ガイド【2026年版】)。

アライシップと日常の対話

気候変動とジェンダーの両方に関心を持つ「アライ(ally、連帯者)」として、職場・家庭・地域での対話を通じて問題意識を広げることも重要な市民活動です。アライシップ(allyship)とは、マジョリティ側にある人が、より脆弱な立場の人々の権利擁護に積極的に関与することです。

環境問題とジェンダー問題が交差する論点について、SNSや勉強会・読書会などで対話する機会を作ることは、社会全体の意識変容に寄与します(関連: ジェンダー平等のアライとは|職場・学校・地域でできるアライシップ実践【2026年版】)。

相談窓口・参考リンク

気候変動に関連した自然災害・避難生活などにより困難な状況に置かれた場合は、以下の窓口にご相談ください。

  • DV相談ナビ(短縮ダイヤル #8008): 自然災害等による避難先でのDV・ハラスメント被害に関する相談を受け付けています。24時間対応の窓口を案内します
  • 法テラス(0570-078374): 法的な問題全般の相談窓口。災害・避難に伴う法律問題についても相談できます。資力の乏しい方への無料法律相談制度(審査あり)も利用できます
  • 内閣府男女共同参画局(https://www.gender.go.jp/): 男女共同参画政策の総合情報窓口。防災分野のガイドラインや各種調査報告書が公表されています

具体的な事案については、弁護士など専門家への相談をご検討ください。最新の改正状況は e-Gov 法令検索 でご確認ください。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 気候変動はなぜジェンダーの問題といわれるのですか?

A. 気候変動の影響(農業被害・自然災害・水資源の不安定化等)は、社会的・経済的に脆弱な立場に置かれやすい女性に不均等に大きくのしかかる傾向があるためです。農業・水の調達・家族のケアを担う女性は、気候変動の影響に最初にさらされやすく、意思決定の場への参加も限られていることが多いです。気候変動対策を公平かつ実効的に進めるうえで、ジェンダーの視点は不可欠です。

Q2. パリ協定はジェンダー平等をどのように位置づけていますか?

A. 2015年に採択されたパリ協定の前文には、ジェンダー平等・女性のエンパワーメント・世代間衡平性への言及が明記されています。これを受けて国連気候変動枠組条約(UNFCCC)は「ジェンダー行動計画(Gender Action Plan)」を策定し、気候交渉や締約国の政策立案にジェンダーの視点を組み込む(ジェンダー主流化)ことを各国に求めています。

Q3. 日本の男女共同参画基本計画は気候変動をどう扱っていますか?

A. 第6次男女共同参画基本計画(令和8年3月13日閣議決定)では、防災・減災分野における男女共同参画の推進が重点施策として位置づけられています。都道府県防災会議の委員の女性割合を2030年までに30%とする目標も設定されています(現状値: 23.3%・2024年・内閣府調べ)。気候変動適応と男女共同参画の統合的な評価体制の整備は引き続き課題です。

Q4. 自然災害時にジェンダーの視点が必要なのはなぜですか?

A. 自然災害時には、女性が介護・ケアの役割を担いながら避難を判断する場面が多く、自身の安全確保が後回しになるケースが記録されています。避難所でも、着替え・授乳・トイレ等のジェンダー配慮が欠けると、女性が安全・尊厳を保てない環境が生じます。2024年能登半島地震でもこうした課題が改めて浮き彫りになりました。内閣府は「男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン」を策定し、自治体に対して避難所運営へのジェンダー視点の組み込みを求めています。

Q5. 市民として気候変動とジェンダー平等に関して何ができますか?

A. 日常の消費行動(フェアトレード・再生可能エネルギーの選択等)から、地域の防災・環境計画への意見公募への参加、投票行動による政策選択まで、さまざまな関与の方法があります。また、NPOや地域団体を通じた活動への参加、SNSでの情報発信・対話も市民としての重要な行動です。気候変動とジェンダー両方の視点を持つアライとして、職場や地域での対話を広げることも社会変容の一助となります。

Q6. 農山漁村の女性と気候変動はどう関係していますか?

A. 農山漁村の女性は農業・林業・水産業の重要な担い手ですが、農業委員会や農協の意思決定機関への参画は低い水準にとどまっています。気候変動による農作物被害・水資源変動は、こうした女性農業者の生計に直接影響します。一方で、地域の農業知識・自然観察の知恵を持つ女性農業者が気候変動適応策の立案に参加することで、より実効的な対策が生まれるという観点から、女性参画の拡大が求められています。

気候変動とジェンダー平等|環境危機が女性に与える不均等な影響と市民にできること【2026年版】 - まとめ

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