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間接差別とは|男女雇用機会均等法第7条の3類型と職場への影響【2026年版】

「全国転勤が可能な方のみ応募可」「総合職は転居を伴う異動に応じること」——採用要件や人事制度にこのような条件を設けている企業は少なくありません。一見すると男女に同じ条件を課しているように見えますが、このような要件が統計的に女性応募者・従業員を著しく排除する効果をもつ場合、それは間接差別(indirect discrimination)として男女雇用機会均等法(雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律、昭和47年法律第113号、最終改正:2019年6月)第7条に違反する可能性があります。

間接差別の規定は2007年4月施行の均等法改正で新設されましたが、禁止対象が省令で定める3類型に限定されているため、「網の目が粗すぎる」との批判が当初から続いています。転勤制度・コース別雇用管理・身体要件といった日本企業に根深く残る慣行との関係で、2026年現在も制度の拡充を求める議論が続いています。

本記事では、間接差別の概念・法的根拠・3類型の具体的内容を解説し、企業実務への示唆と2026年時点の現代的論点を整理します。人事・労務担当者、採用制度の適法性を確認したい経営者、均等法の仕組みを体系的に学びたい方を主な読者として想定しています。

目次

間接差別とは何か|直接差別との比較から理解する

直接差別と間接差別の定義

雇用の場における性差別は、法的には大きく「直接差別」と「間接差別」に分類されます。

直接差別(direct discrimination)とは、性別を明示的な理由として不利益な取り扱いをすることです。「女性は採用しない」「男性に限り管理職に昇格させる」のように、性別が判断基準として表面に現れます。均等法第5条(募集・採用における差別禁止)および第6条(配置・昇進・降格・教育訓練・福利厚生・定年・解雇・雇用形態の変更等の差別禁止)が規制しています。

一方、間接差別(indirect discrimination)とは、性別に対して中立的に見える要件や措置でありながら、実質的には一方の性別(多くは女性)に著しく不利な効果を生じさせるものを指します。表面的な平等の陰で構造的な不平等が維持されやすく、発見と是正がより困難な点が特徴です。

間接差別を規制しなければならない理由

形式的な平等(女性にも男性と同一の要件を課す)だけでは、雇用の実質的平等は実現しません。育児や介護の担い手が統計的に女性に偏っている社会状況のもとでは、「転勤可能」「夜勤自由」「全日制勤務のみ」といった中立的な要件が、女性応募者を事実上排除する「ふるい」として機能することがあります。

法が性別そのものを要件とすることを禁じても、それと同等の排除効果をもつ中立的要件を規制しなければ、差別禁止の実効性は失われます。欧州連合(EU)は1976年の男女均等待遇指令(76/207/EEC)以降、間接差別を禁止し、使用者に客観的正当化(objective justification)の立証責任を課す法制度を整備してきました。日本でも2007年の均等法改正で国際水準に近づく形で間接差別禁止規定が初めて導入されましたが、適用範囲の狭さは今なお課題として残っています。

間接差別が成立する3要件

均等法第7条に基づく間接差別が問題となるには、次の3要件をすべて満たすことが必要です。

性別以外の事由を要件としていること:明示的な性別要件ではなく、転勤可否・身長・体力など別の属性を要件としていること。

当該要件を満たす女性の比率が男性と比べて相当程度小さいこと:要件を満たせる女性の割合が男性より統計的に著しく低い状態が生じていること。厚生労働省通達では、女性比率が男性比率の2分の1以下である場合を一つの目安として示しています。

合理的な理由がないこと:当該要件の設定に業務上の正当な目的がなく、または目的達成に不必要・不均衡な要件であること。

逆に言えば、使用者が③「合理的な理由」を主張・立証できれば、禁止を免れる可能性があります。この「合理的な理由」の判断が、実務上の核心となります。

男女雇用機会均等法第7条の条文と解釈

第7条の原文

男女雇用機会均等法(昭和47年法律第113号、最終改正:2019年6月5日)第7条の原文は次のとおりです。

第七条 事業主は、募集及び採用並びに第六条各号に掲げる事項について、労働者の性別以外の事由を要件とするものであつて、措置の要件を満たす男性と比較して、措置の要件を満たす女性の比率が相当程度小さいもの並びにこれに準ずる措置であつて、合理的な理由がないものを講じてはならない。

この条文は、均等法施行規則(昭和61年労働省令第2号、最終改正:2006年4月1日)第2条が定める3類型を主な規制対象とします。「並びにこれに準ずる措置」という文言も含まれていますが、省令への列挙が実務上の運用の中心となっています。

「合理的な理由」の判断基準

使用者側が合理的な理由として主張できる根拠は、2つの観点から判断されます。

第一に、目的の正当性です。転勤要件を例にとると、「業務の遂行上、複数拠点での勤務経験が不可欠」「特定地域での活動が職務の本質的部分を構成する」といった業務上の必要性が正当目的として認められうるかが問われます。

第二に、手段の必要性・比例性です。目的が正当だとしても、すべての従業員・応募者に一律に全国転勤を課す必要があるのか、限定転勤制度の導入など代替手段はないのかが検討されます。職務の性質と転勤要件の間に合理的な関連性がなければ、合理的理由は認められにくくなります。

行政指針・通達による解釈補足

厚生労働省は均等法第7条の解釈を「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律の施行について」(平成18年10月11日付通達)等で示しています。同通達では、「相当程度小さい」の判断目安として、要件を満たす女性比率が男性比率の2分の1以下であることが例示されています。ただし、この数値はあくまで目安であり、個別事案の実情に即した総合的な判断が求められます。

なお、均等法違反については厚生労働大臣(都道府県労働局長)が報告徴収・指導・勧告を行うことができ(均等法第29条第1項)、勧告に従わない場合は企業名の公表も可能とされています(同法第30条)。

省令で定める3類型の詳細

均等法施行規則第2条は、間接差別として規制される措置を3類型に限定して列挙しています。

第1号:募集・採用における転勤要件

「労働者の募集又は採用に当たって、労働者が転勤に応じることができることを要件とすること」が第1号類型です。ここでいう「転勤」は、転居を伴う勤務地変更を指します。

全国規模の異動を採用要件とする場合、育児や介護の主たる担い手になりやすい女性応募者を統計的に排除する効果があります。この効果に合理的な業務上の理由が認められなければ、均等法違反となる可能性があります。

実務的には、「転勤の頻度と必要性」「対象となる職種・役職の具体性」「限定勤務区分の設定可否」を個別に精査することが求められます。採用基準に「原則として転勤あり」と明記しつつ、実際には当該業務に転勤の必要性がない場合はリスクが高まります。

第2号:コース別雇用管理における転勤要件

「特定の雇用管理区分への労働者の配置、昇進、降格又は職種の変更に際して、転勤に応じることができることを要件とすること」が第2号類型です。典型例は総合職・一般職のコース別雇用管理において、総合職への配置・昇格要件として全国転勤への応諾を課すケースです。

コース別雇用管理自体は均等法で一律に禁止されているわけではありません。しかし、コース区分の基準として転勤可否を用いることは、実質的に女性を一般職(賃金・昇進に制限がある場合が多い)に固定化する効果をもつため、合理的理由がなければ第2号に抵触します。

2000年代以降、総合職・一般職の統合や「限定正社員」制度の導入など、コース別管理の見直しを図る企業が増えています。しかし2026年時点でも、大手企業を含む多数の企業が実質的なコース別管理を維持しており、第2号の適用場面は引き続き存在します。

第3号:身長・体重・体力要件

「身長、体重又は体力を要件とすること」が第3号類型です。平均値において男女差が生じやすいこれらの指標を採用・昇格等の要件とすることは、女性に著しく不利な影響を与えます。

ただし、業務上の安全・職務遂行に必要な身体的能力を求めることに合理的理由がある場合は、禁止を免れる余地があります。消防・警察の一部職種、建設現場の重量物作業などが例として挙げられます。この場合も、要件が業務上の必要性と比例した水準であることが条件です。「身長170cm以上」のような数値要件が当該業務に実際に必要な水準と乖離していれば、合理的理由は認められにくくなります。

直接差別・間接差別・関連規定の比較

均等法上の主要な差別禁止規定

規定 根拠条文 定義・内容 立証構造 典型例
直接差別 均等法第5条・第6条 性別を明示的理由とした不利益取扱い 差別的取扱いの事実を示せば成立 「女性は採用しない」「男性のみ昇格対象」
間接差別 均等法第7条・施行規則第2条 性別中立の要件が一方の性別に著しく不利な効果をもたらす行為(3類型) 不均衡な効果を統計的に示し、使用者が合理的理由を立証できなければ違反 「全国転勤可能者のみ採用」「総合職は転勤必須」
セクシュアル・ハラスメント 均等法第11条 性的な言動による就業環境の害または雇用条件上の不利益 行為の事実+就業環境阻害を立証 上司による性的発言・接触、対価型セクハラ
妊娠・出産等に関する不利益取扱い 均等法第9条・育介法第10条 妊娠・出産・育休等を理由とした不利益取扱い 妊娠等の事由と不利益取扱いの時間的近接・因果関係を立証 妊娠通知後の降格・解雇・雇い止め

間接差別の特徴は、不均衡な効果の立証責任が申告者(労働者)側にも一定程度求められる点にあります。EU法制では使用者側に客観的正当化の全立証責任を課すのに対し、日本の現行制度では両者の攻防が複合的に機能します。この立証構造の非対称性が、間接差別規定の実効性を低下させているとの指摘があります。

国際比較:EU・米国との差異

EUの2006年男女均等指令(2006/54/EC)は、間接差別を「外見上は中立的な規定、基準または慣行が、ある性別の人々を他の性別の人々と比較して特定の不利益を受けやすくするもの」と定義し、客観的な要因による正当化がない限り禁止しています。立証責任の転換(使用者側が正当化を完全に立証する義務)が明確化されている点が日本法との大きな差異です。

米国では1971年のグリッグス対デューク・パワー事件(Griggs v. Duke Power Co.)最高裁判決で人種に対する「disparate impact(格差的影響)」理論が確立され、性別についても同様の法理が市民権法(Civil Rights Act)タイトルVIIのもとで適用されています。

日本では省令による3類型の限定列挙という立法形式を採用したことで、類型外の間接差別が規制の外に置かれているという問題が常に指摘されてきました。

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現代的論点|2026年時点の到達点

2007年以降の主な法改正・新法

間接差別規定の導入(2007年)以降、均等法および関連法制は以下の改正を経ています。

  • 2012年:育児・介護休業法改正——短時間勤務・所定外労働免除の義務対象を拡大。転勤制度の見直しと短時間正社員制度の普及が、間接差別的慣行の改善を後押しする文脈となりました。
  • 2015年:女性活躍推進法施行——301人以上の企業に行動計画策定・情報公表を義務化。女性の採用比率・管理職比率・労働時間等の開示が進み、間接差別的慣行の「見える化」が促進されました。
  • 2019年:均等法改正(ハラスメント防止措置義務化)——第11条の2(パワハラ)・第11条の3(妊娠・出産等に関するハラスメント)の防止措置義務が整備されました。間接差別規定そのものへの改正ではありませんが、職場の平等実現に向けた制度整備の一環です。
  • 2022年:女性活躍推進法改正——情報公表義務の対象を常時雇用101人以上に拡大。男女の賃金差異の公表が義務化され、間接差別の結果としての賃金格差が可視化されるようになりました。
  • 2022年:育児・介護休業法改正(段階施行)——男性育休取得率の公表義務化(2023年4月施行)。転勤要件が男性の育休取得を阻む要因となっていることが議論の中で指摘されており、間接差別との関連性が問われています。
  • 2024年:フリーランス保護法施行——特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律が2024年11月に施行。ハラスメント規定が設けられましたが、雇用関係を前提とする均等法の間接差別規定はフリーランスには直接適用されない点が課題として残ります。

議論の現在地

間接差別規定をめぐる議論の中心は、現在も省令による3類型限定の是非にあります。

現行制度を評価する立場からは、「類型の限定により法的予見可能性が高まり、企業が制度設計しやすい」「3類型以外にも『並びにこれに準ずる措置』の文言があり、実態に応じた柔軟な適用の余地がある」との主張がなされています。また、「合理的理由の立証構造が明確であることで、使用者・労働者双方が争点を絞り込みやすい」とも評価されています。

拡充を求める立場からは、「3類型は2007年当時の典型的事例に絞った経緯があり、テレワーク普及・フリーランス増加・ギグワーク拡大など働き方の多様化に対応していない」「残業時間の有無・勤務時間帯・特定の学歴や資格要件なども間接差別的効果をもちうるが3類型には含まれない」「EU法制の水準(使用者への完全な立証責任転換)に比べて保護水準が低い」との指摘が続いています。

学術研究においても、浅倉むつ子(早稲田大学名誉教授)らを中心に「3類型の拡充」「立証責任の転換」を求める論考が多数発表されており、厚生労働省の審議会でも定期的に議題となっています。

残された課題

2026年時点の主要課題として、以下の論点が挙げられます。

①3類型の拡充:テレワーク不可要件・特定資格要件・夜勤要件など、新たな間接差別的慣行を類型に追加する議論が続いています。省令改正によって対応可能であるため、政策議論の推移が注目されます。

②立証責任の明確化:現行法の下では「不均衡な効果」の立証負担が申告側にかかる側面があり、EU法制との差異が残っています。司法判断の積み重ねによる基準の明確化が求められています。

③フリーランス・業務委託への適用拡大:雇用関係を前提とする均等法の適用範囲外となる業務委託・フリーランス形態での間接差別的取扱いをいかに規制するかは、今後の立法課題です。フリーランス保護法のさらなる整備や、均等法の適用範囲拡大に向けた議論が求められます。

④転勤制度の慣行的見直し:「年功序列・終身雇用・全国転勤」を三位一体とする日本型雇用慣行の転換が政策的に議論される中、転勤要件の必要性自体を問い直す動きが加速しています。2026年現在、厚生労働省の研究会報告書でも転勤制度の見直しが推奨されており、今後の法令整備の動向が注目されます。

企業実務への影響と対応策

人事制度の点検ポイント

企業が均等法第7条の遵守を確保するためには、既存の人事制度・採用基準を以下の観点から点検することが推奨されます。

採用要件の見直し:募集要項・求人票に「全国転勤可能者のみ」「転居を伴う転勤が必須」と明記している場合、その業務に転勤が実際に不可欠かを検討します。転勤が一部職種・ポジションに限られる場合は、求人ごとに要件を分けることが有効です。

コース別管理の実態確認:総合職・一般職区分において、転勤可否以外にも職務内容・職責・賃金水準の差があるか、女性が一般職に偏在していないかを定期的に確認します。コース転換制度(一般職→総合職)が実質的に機能しているかも重要な点です。

身体要件の必要性評価:募集・昇格要件に身長・体重・体力基準が含まれている場合、業務の実態からその必要性を再評価します。テクノロジーや補助機器の活用によって要件を緩和できる余地がないかも検討対象です。

採用・昇格プロセスの記録と透明化

均等法違反の申告や行政調査を受けた場合に備え、採用・昇格の判断基準と選考記録を適切に保管することが重要です。選考基準を文書化し、男女の合格・不合格率を定期的にモニタリングする仕組みを整えることで、間接差別的効果が生じていないかを早期に把握できます。

女性活躍推進法(2022年改正)の情報公表義務(101人以上の企業)では、男女の賃金差異の開示が求められています。この数値が大きい企業は間接差別的慣行の存在を示唆しうるため、開示値の改善に向けた体系的な制度点検が急務です。

ポジティブ・アクション(積極的改善措置)との関係

均等法第8条は、女性労働者が少ない雇用管理区分において女性を有利に扱うポジティブ・アクション(積極的改善措置)を、均等法第6条(差別禁止)の適用外としています。

間接差別禁止(第7条)とポジティブ・アクション(第8条)は、どちらも実質的な男女平等を目指すものですが、アプローチが異なります。第7条は差別的慣行の除去を求めるのに対し、第8条は格差の積極的な是正を許容するものです。企業の人事施策においては、両規定を整合的に活用することが求められます。

相談窓口と救済手続き

都道府県労働局への申告・調停制度

均等法上の問題(間接差別を含む)については、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)に対する申告および調停制度が設けられています。

調停制度(均等法第18条)は、均等法に基づく紛争を当事者の自主的解決に向けて支援するもので、費用負担なく利用できます。申告・調停の申請は、問題が発生した使用者の事業所を管轄する都道府県労働局に対して行います。また、厚生労働省の「総合労働相談コーナー」(各労働基準監督署・労働局に設置)でも初期相談に応じています。

公的相談窓口・専門家への相談

間接差別が疑われる場合の相談先として、以下の公的機関・支援窓口を利用できます。

  • 都道府県労働局 雇用環境・均等部(室):均等法に関する申告・相談・調停申請。最寄りの労働局は厚生労働省ウェブサイトで検索できます。
  • みんなの人権110番(法務省):0570-003-110(平日8:30-17:15)。雇用差別全般の相談窓口です。
  • 法テラス(日本司法支援センター):0570-078374(平日9:00-21:00、土9:00-17:00)。収入要件に応じた無料法律相談・弁護士費用立替制度があります。

個別事案が均等法第7条に抵触するかどうかの法的判断については、弁護士など専門家への相談をご検討ください。各都道府県弁護士会の法律相談センターでは、労働問題を専門とする弁護士への相談が可能です。

まとめ|間接差別規制の意義と企業に求められる姿勢

間接差別は、直接差別よりも発見・是正が困難でありながら、日本の雇用現場に根深く残存する平等阻害要因です。均等法第7条は2007年にその禁止規定を設けましたが、省令による3類型への限定という立法上の制約から、現在も多くの間接差別的慣行が規制の網の目をすり抜けている実態があります。

2026年の現状では、転勤制度の見直し・コース別管理の解消・女性活躍推進法による賃金格差の可視化といった制度改革が進みつつあります。しかし実質的な変革には、法令遵守にとどまらず、企業が自社の人事制度を主体的に見直す姿勢が不可欠です。「なぜその要件が必要か」を問い直すことが、間接差別の解消への第一歩となります。

人事担当者は採用・昇格基準を定期的に点検し、統計的な不均衡が生じていないかを確認することが求められます。また今後の省令改正や判例の動向も継続的に注視することが、適切な人事制度運営につながります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 間接差別と直接差別はどう違いますか?
直接差別は「女性だから採用しない」など性別を明示的な理由とする不利益取扱いを指します。間接差別は「全国転勤可能者のみ」など外見上中立な要件が実質的に一方の性別に著しく不利な効果を与えるものです。均等法第5条・第6条が直接差別を、第7条が間接差別を禁止しています。
Q2. 転勤要件がある求人に応募して不採用になりました。間接差別に当たりますか?
転勤要件が均等法施行規則第2条第1号の対象となりうるかどうかは、当該業務に転勤の合理的必要性があるか、要件を満たす女性比率が男性比率と比べて相当程度小さいか等の個別事情によって判断されます。一律に間接差別に当たるとは言えず、具体的な状況については弁護士など専門家への相談をご検討ください。
Q3. 省令の3類型以外の間接差別的な行為はどうなりますか?
均等法第7条には「並びにこれに準ずる措置であって合理的な理由がないもの」も含まれますが、省令に列挙されていない類型については実務・司法上の判断基準が必ずしも明確ではありません。残業時間要件・夜勤要件・特定資格要件など類型外の間接差別的行為については、今後の省令改正や判例の蓄積が注目されます。
Q4. 間接差別が疑われる場合、どこに相談すればよいですか?
都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に無料で相談・申告ができます。紛争解決に向けた調停制度も費用なく利用可能です。また法テラス(0570-078374)または各都道府県弁護士会の法律相談センターで専門家の意見を聞くことも有効です。
Q5. 企業が間接差別を行った場合、どのような制裁がありますか?
厚生労働省(都道府県労働局)が報告徴収・指導・勧告を行うことができます(均等法第29条)。勧告に従わない場合は企業名が公表される可能性があります(同法第30条)。また民事上の損害賠償請求の対象となりうる場合もあり、過去の裁判例では損害賠償が認容された事例があります。具体的な対応については専門家にご相談ください。

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