職場でパンプスやハイヒールを履くことを事実上求められているが、足に痛みを感じながら働き続けなければならないのだろうか——そのような疑問や不満を抱えた経験のある方は少なくないでしょう。2019年、俳優・モデルの石川優実が「職場でのハイヒール強制をなくしてほしい」と訴えてオンライン署名活動を開始し、「#KuToo(クツー)」というハッシュタグが日本社会に広まりました。「靴(クツ)」と「苦痛(クツウ)」を掛け合わせたこの造語は、同時期に国際的に展開していた「#MeToo」運動とも響き合い、職場の服装規定に潜むジェンダー格差を社会的議論の俎上に載せました。それから7年が経過した2026年、職場における服装規定をめぐる法的解釈や企業対応はどのように変化したのでしょうか。この記事では、#KuToo運動の発端と社会的背景、職場の服装規定と労働法・男女雇用機会均等法との関係、ハイヒール強制が法的にはらむ問題点、そして2026年時点での議論の現在地と残された課題を、法令と公的統計に基づいて解説します。企業の人事・ハラスメント担当者、自らの労働権利を知りたい方、職場でのジェンダー平等を考えるすべての方に向けた情報です。

#KuToo運動とは|発端と「靴の苦痛」が照らし出したジェンダー格差
署名活動の開始と社会的波及
2019年1月、俳優・モデルの石川優実は、職場でのヒールのある靴の着用を義務づける慣行の撤廃を求めるオンライン署名活動を開始しました。署名サイト「Change.org」に投稿されたこの活動は、数日のうちに数万人を超える賛同者を集め、同年6月には当時の厚生労働大臣への請願書提出に至りました。厚生労働大臣は国会答弁で、「社会通念に照らして業務上必要かつ相当な範囲と認められれば問題とはいいがたい」としながらも、「女性のみにヒールを強制することが不当な差別的取扱いに当たる場合がある」との認識を示しました。
#KuToo運動は、単なる「ファッションの問題」を超え、職場における服装規定のジェンダー差別性、女性労働者の身体的健康への影響、そして「女性らしさ」を外見で求める職場文化を問い直す運動として広く認識されました。2019年の#KuToo運動は、その年の「新語・流行語大賞」にもノミネートされるほど社会的な注目を集めました。
「靴」と「苦痛」から見えてくる問い
ハイヒール(かかとの高い靴)やパンプス(つま先が細く、かかとが高い靴)は、長時間の着用により足底筋膜炎・外反母趾・膝関節・腰椎への負担を引き起こすことが整形外科的に指摘されています。それにもかかわらず、接客業・航空業・ホテル業・金融業など多くの業種で、女性従業員に対してのみパンプスやヒール靴の着用が「制服規定」または「身だしなみ規定」として設けられてきました。
問題の核心は、同一業務に従事する男性従業員にはスニーカーや革靴の選択の自由が与えられているのに対し、女性のみがヒールのある靴の着用を求められるという非対称性にあります。これはジェンダー(社会的・文化的に形成された性別。生物学的性別=セックスと区別される概念)に基づく異なる取扱いであり、男女雇用機会均等法との関係で法的に問われるべき論点を含んでいます。
海外の先行事例
職場の服装規定に関するジェンダー格差は、日本に限った問題ではありません。英国では2016年、電話会社の受付業務に派遣された女性がハイヒール着用を拒否したことを理由に帰宅させられた事例が下院で取り上げられ、服装規定の性差別的運用を禁じるよう求める決議につながりました。カナダのブリティッシュコロンビア州は2017年、女性のみにヒール着用を義務づける服装規定を禁止する法改正を行いました。これらの海外事例は、日本における#KuToo運動の論拠の一つとしても参照されています。フィリピンでは、性差別的な服装規定を労働法上の違法行為として位置づける取り組みも進んでいます。
職場の服装規定と労働法令の関係
就業規則・労働契約との関係
企業が従業員に対して服装・身だしなみに関する規定を設ける場合、その根拠は就業規則または労働契約に求められます。労働契約法(最終改正: 2023年4月施行)第10条は、就業規則の不利益変更が合理的なものでなければならないと定めています。また、就業規則が労働者を拘束するためには、使用者が合理的な内容の就業規則を周知させることが求められます(同法第7条)。
服装規定の合理性を判断する際には、①業務上の必要性(安全衛生上・接客上など)、②規制の程度(禁止事項の範囲・代替手段の有無)、③従業員への不利益の程度の3点が考慮されます。これらの基準に照らして著しく不合理な服装規定は、就業規則として労働者を拘束する効力を持たない場合があると解されています。労働基準法(最終改正: 令和8年法律第60号・2026年7月17日施行)第89条は、就業規則に服務規律を記載することを義務づけており、服装規定はその一部を構成します。
男女雇用機会均等法との接点
男女雇用機会均等法(雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律、最終改正: 令和7年法律第63号・2025年6月11日施行)第6条は、事業主が「労働者の配置・教育訓練・福利厚生・職種変更・雇用形態変更・退職勧奨・定年・解雇・労働契約の更新」において、性別を理由とする差別的取扱いを禁止しています。また、同法第7条は「間接差別」を禁止しており、性別以外の事由を要件とするものであっても、実質的に一方の性を他方の性と比べて相当程度不利にする措置で、合理的理由がないものは禁止されます。
女性のみにヒール靴を義務づける服装規定は、直接的に性別を理由とした異なる取扱い(直接差別)に該当する可能性があります。仮に「制服規定」という中立的な名目であっても、実質的に女性のみに不利益を課している場合は間接差別として問題となりうると指摘されています。ただし、現行の均等法施行規則が列挙する間接差別の類型(採用時の身長・体重・体力要件等)に服装規定は明示的に含まれておらず、法令の解釈・適用の余地については引き続き議論が続いています。
労働安全衛生法上の使用者義務
労働安全衛生法(最終改正: 2022年6月施行)第3条第1項は、事業者が「快適な職場環境を実現するとともに、労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない」と規定しています。ハイヒールの長時間着用が引き起こす身体的負担(足底筋膜炎・外反母趾・腰痛等)は、職場における健康リスクとして認識されつつあります。使用者が身体的に有害な服装の着用を継続的に強制することは、安全配慮義務(労働契約法第5条)に反する可能性があると法律家は指摘しています。ただし、具体的な事案においてこれが法的義務違反に当たるかどうかは、個別の状況に基づいて判断されるものであり、専門家への相談が推奨されます。
ハイヒール強制をめぐる法的論点の整理
直接差別・間接差別の可能性
男女雇用機会均等法の文脈では、ハイヒール強制問題は次の2つの観点から問われます。第一に、女性のみにヒール着用を義務づけることが「性別を理由とする差別的取扱い」(直接差別)に該当するかどうかです。同法第6条が列挙する禁止事由には「服装規定」は明示されていませんが、厚生労働省が示す指針は職場環境全般の均等な取扱いを求めており、服装に関する性別別規定も均等法の精神に照らして問題となりうると解釈されています。
第二に、「清潔感ある服装」「プロフェッショナルな装い」といった一見中立的な基準が、実際には女性のみにヒール着用を要求する慣行として機能している場合、これは間接差別(同法第7条)として問われる可能性があります。間接差別が認定されるためには、①性別以外の事由を要件とすること、②実質的に一方の性が相当程度不利になること、③合理的理由がないことの3要件を満たす必要があり、服装規定への適用可能性は法解釈上の検討課題として残っています。
安全配慮義務違反と損害賠償の可能性
使用者が身体的に有害であることが明らかな服装の着用を継続的に強制し、労働者が健康上の損害を被った場合、安全配慮義務違反(労働契約法第5条)に基づく損害賠償請求の対象となりうると考えられています。もっとも、こうした請求が認容されるためには、服装強制と健康被害との因果関係の立証、使用者の予見可能性の認定など、複数の法的要件を満たす必要があります。2026年時点では服装規定に直接関連した損害賠償を認容した裁判例は限られており、今後の判例形成が注目されます。
ILO条約190号との関係
ILO(国際労働機関)条約190号「仕事の世界における暴力及びハラスメントの撤廃に関する条約」(2019年採択)は、職場における性差別的慣行も含む広義のハラスメントの防止を各国に求めています。日本は2026年時点で同条約を批准していませんが、条約の内容は国内政策の参照基準として注目されています(詳細はILO条約190号とは|職場の暴力・ハラスメント条約と日本の批准課題を参照)。服装規定の強制がILO190号が定義するハラスメントの範疇に含まれうるかについても、専門家間で議論が続いています。
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現代的論点|2026年時点の到達点
2007年以降の主な法改正・新法
- 2007年: 男女雇用機会均等法改正施行 — 間接差別禁止規定(第7条)が新設。性別以外の要件でも実質的に女性に不利益をもたらす措置を禁止する枠組みが導入された。ただし、禁止される間接差別の類型は施行規則で限定列挙されており、服装規定はその対象外となっている。
- 2019年: #KuToo運動・国会質疑 — 厚生労働大臣が「女性のみへのヒール強制が不当な差別的取扱いに当たる場合がある」と国会で認識を示した。法改正には至らなかったが、企業の自主的な服装規定見直しの契機となった。
- 2020年: パワーハラスメント防止法施行(労働施策総合推進法改正) — 大企業へのパワーハラスメント防止措置義務が施行(2022年中小企業にも拡大)。服装規定の強制がパワーハラスメントの「精神的な攻撃」や「個の侵害」類型に当たる場合がありうることが、企業のコンプライアンス担当者の間で意識されるようになった。
- 2022年: 女性活躍推進法の情報公表義務強化 — 従業員101人以上の企業に対し、女性管理職比率等の情報公表が義務化。服装規定の見直しも企業の女性活躍推進策の一環として位置づけられる事例が増えている。
- 2023年: LGBT理解増進法成立 — 性的指向・ジェンダーアイデンティティの多様性への理解増進が法律上位置づけられた。服装規定がノンバイナリー・トランスジェンダーの従業員に与える影響が、DE&I推進の文脈でも意識されるようになっている。
- 2025年: 改正育児・介護休業法施行(第2段階) — 柔軟な働き方確保措置の義務化に伴い、テレワーク勤務が一部業種で拡大し、服装規定の形骸化が進んでいる側面がある。
議論の現在地
2026年時点において、#KuToo問題をめぐっては大きく分けて2つの立場が存在します。
現行規制の範囲内で対応を求める立場は、均等法・パワハラ防止法・安全衛生法の既存の枠組みで服装強制の多くは対処できると主張します。企業が業務上の合理的理由なく女性のみにヒール着用を強制することは均等法に照らして問題があり、都道府県労働局による行政指導・是正勧告の対象となりうるとする見解が行政実務でも広まっています。
服装規定の明文規制を求める立場は、現行法の間接差別類型に服装規定が含まれていないことを問題視し、均等法施行規則の改正または職場服装規定ガイドラインの策定を求めています。「業務上の必要性」の判断を企業の裁量に委ねると服装強制が温存されやすいという懸念も示されています。
一方で、制服・身だしなみ規定が業種によっては接客品質・衛生管理・安全確保の観点から一定の合理性を持つとする意見もあり、どのような場合に服装規定が正当化されるかについては、引き続き議論が続いています。企業や労働組合の実務においては、服装規定を男女共通の機能基準で再編する動きが大企業を中心に広まっています。
残された課題
2026年時点において、以下の課題が解消されていません。第一に、均等法施行規則の間接差別類型に服装規定が含まれておらず、明文的な禁止規定として機能していないことです。第二に、ハイヒール強制に対する行政指導・是正指導の実績が公開されておらず、実効性の検証が困難なことです。第三に、テレワーク普及により服装規定の問題が一部後退しつつある一方、出社勤務者・接客業従事者には依然として旧来の服装規定が維持されているケースが少なくないことです。第四に、ノンバイナリー・トランスジェンダーの従業員に対する服装規定の適用をどう考えるかという、性別二元論を前提とした規定の見直しが問われていることです。
職場の服装規定における男女格差|比較表
| 項目 | 男性に一般的に求められる内容 | 女性に一般的に求められる内容 | 格差の論点 |
|---|---|---|---|
| 靴 | 革靴・ローファー(ヒール規定なし) | パンプス・ヒール靴(ヒール高さを指定する場合あり) | 身体的負担・安全衛生上のリスクが女性に集中 |
| スーツ・服装 | スーツ(ジャケット+スラックス)が主流 | スーツまたはスカート。スカート着用が規定される場合も | スカート着用の強制は性別役割の固定化につながりうる |
| 化粧・メイク | 特段の規定なし | 「ナチュラルメイク必須」など化粧を義務づける規定が存在する業種あり | 化粧費用・時間コストが女性に一方的に課されている |
| 髪型・色 | 清潔感のある短髪が推奨。染髪禁止が多い | 染髪禁止・長い場合は束ねるよう指定されることが多い | 規制内容は類似するが、外見管理のプレッシャーが女性に集中しやすい |
| アクセサリー | 原則禁止または簡素なもののみ | 「上品な」アクセサリー推奨または義務。一定の装飾品が「必須」とされる場合も | 外見の装飾を女性の「プロフェッショナリズム」に結びつける慣行の問題 |
| 法的リスク | スーツ・ネクタイ強制がパワハラに問われる可能性 | ヒール・スカート・化粧強制が均等法・パワハラ防止法の問題となりうる | 身体的・経済的負担の非対称性が女性に顕著 |
企業が今できる対応と実践的な取り組み
服装規定の点検と見直しステップ
企業が職場の服装規定を見直す際には、まず現行の就業規則・服装規定の内容を「男女別に異なる規定が設けられていないか」という観点で点検することが出発点となります。特に、①靴のヒール高さの指定、②スカート着用の義務化、③化粧の義務化、④特定の服装アイテムの強制の4点は重点チェック項目です。これらが業務上の合理的必要性なく女性のみに課されている場合は、見直しの対象として検討することが求められます。
見直しに際しては、労使協議の場(労働組合または従業員代表との協議)を経て就業規則を変更するプロセスが労働法令上必要です(労働基準法第89条・第90条)。一方的な「撤廃」でなく、従業員の意見を反映した合理的な新規定の策定が望まれます。
ジェンダーニュートラルな服装基準への転換
近年、接客業・金融業・航空業などで、男女共通の服装基準(「清潔感のある服装」「安全な靴」等の機能要件のみを定め、性別固有の規定を設けない)へと移行する企業が増えています。一部の航空会社では、客室乗務員にスニーカーやフラットシューズを選択肢として認める方向への見直しが進んでいます。また、制服のデザインをジェンダーニュートラルに刷新し、着用者が性別に関わらず選択できる体制を整える企業も出てきています。
ジェンダーニュートラルな服装基準への転換は、女性労働者の身体的負担の軽減に加え、ノンバイナリー・トランスジェンダーの従業員が自身のアイデンティティに沿った服装を選べる環境の整備、そして職場のインクルージョン(包摂性)向上にも寄与します。
ハラスメント窓口・相談体制との連携
服装規定の強制がパワーハラスメントや性差別的ハラスメントに当たると感じた場合、企業のハラスメント相談窓口や社内の人事・コンプライアンス部門への相談が一つの手段です。パワーハラスメント防止法(労働施策総合推進法改正、2022年全事業者義務化)に基づき、すべての事業者は相談体制の整備が義務づけられています。相談の際は、強制された内容、その頻度、上司や担当者とのやりとりの記録を文書化して準備しておくことが助けになります。具体的な法的対応については、弁護士など専門家への相談をご検討ください。
相談窓口・支援機関
職場の服装規定に関する問題や、職場でのハラスメント・性差別に関する相談は、以下の公的窓口をご活用ください。
- 都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)
男女雇用機会均等法・パワーハラスメント防止法に関する相談・申告を受け付けています。相談は無料。全国の相談窓口一覧は厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/)で確認できます。 - 労働条件相談ほっとライン
電話番号: 0120-811-610(無料)。平日17時~22時・土日祝10時~17時。労働基準法・就業規則に関する一般相談に対応しています。 - 法テラス(日本司法支援センター)
電話番号: 0570-078374。労働問題に詳しい弁護士の紹介や、経済的に余裕のない方への無料法律相談も実施しています。具体的な法的対応を検討する際にご活用ください。
まとめ
2019年に日本で広まった#KuToo運動は、職場の服装規定に潜むジェンダー格差を社会的議題として提起しました。ハイヒールやパンプスを女性のみに義務づける服装規定は、男女雇用機会均等法の均等待遇原則・間接差別禁止規定、労働安全衛生法上の使用者の安全配慮義務の観点から問題となりうることが、国会答弁や行政解釈においても示されています。
2026年時点では、テレワーク普及や一部企業の自主的な服装規定見直しが進む一方、接客業・航空業等では依然として旧来の服装規定が維持されています。法令上の明文規定(均等法施行規則への服装規定の間接差別類型追加等)はいまだ整備されておらず、行政指導の実効性検証も課題として残っています。
職場のジェンダー平等を実現するためには、個別企業の服装規定の見直しにとどまらず、労働法令の整備と、ノンバイナリー・トランスジェンダーの従業員も含むすべての労働者が自身のアイデンティティを尊重される職場環境の構築が求められます。具体的な事案については、弁護士など専門家への相談をご検討ください。
よくある質問(FAQ)
- Q. #KuToo運動とは何ですか?
- A. 2019年に俳優・モデルの石川優実が職場でのハイヒール・パンプス着用強制の撤廃を求めて開始したオンライン署名活動を発端とする社会運動です。「靴(クツ)」と「苦痛(クツウ)」、そして#MeToo運動を掛け合わせた造語「#KuToo」のハッシュタグとともに広まり、職場の服装規定に潜むジェンダー格差を問う運動として注目されました。
- Q. 職場でのハイヒール強制は法律上問題になりますか?
- A. 女性のみにハイヒール・パンプスの着用を強制することは、男女雇用機会均等法の均等待遇原則や間接差別禁止規定に照らして問題となりうるとされています。ただし、問題となるかどうかは個別の状況(業務上の合理的必要性・規定の内容・実態)によって判断されるものであり、一般論として断言することはできません。具体的な事案については、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)や弁護士への相談が推奨されます。
- Q. 服装規定の見直しを求める場合、どこに相談すればよいですか?
- A. 社内の人事部門・ハラスメント相談窓口のほか、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に無料で相談できます。また、労働条件相談ほっとライン(0120-811-610)や法テラス(0570-078374)でも相談を受け付けています。法的対応を検討する場合は、弁護士への相談もご検討ください。
- Q. 男性も職場の服装規定で不利益を受けることはありますか?
- A. はい。スーツ着用の強制・ネクタイ義務化・髪型規制など、男性従業員に対する服装規定の問題も存在します。ただし、身体的負担(ヒール着用による足・腰への影響)や化粧・アクセサリーの義務化等は女性にとって負担が大きい傾向にあります。業務上の合理的必要性のない服装強制は、性別にかかわらずパワーハラスメントや均等法上の問題として検討されうるものです。
- Q. ノンバイナリー・トランスジェンダーの従業員への服装規定はどう考えるべきですか?
- A. 性別二元論(男性・女性の2区分)を前提とした服装規定は、ノンバイナリーやトランスジェンダーの従業員にとって自身のアイデンティティと合致しない服装を強制される問題を生じさせる可能性があります。厚生労働省の「職場における性的マイノリティへの理解増進のためのマニュアル」は、個人の性自認に沿った服装選択への配慮を求めています。服装規定を性別ではなく機能・業務要件で定めるジェンダーニュートラルな基準への転換が推奨されています。

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