障害のある女性は、障害を理由とした差別と、女性であることへの差別という二種類の不利を同時に受けることが少なくありません。「家事を担うべきだから就労支援は不要」「女性だから障害が軽く見られる」「DV被害を受けても相談窓口で十分な対応が得られない」――こうした経験は、障害差別と性差別の単純な「足し算」ではなく、二つが重なり合うことで独自の困難が生まれる複合差別として、近年国際的に注目されています。
この問題を学術的に定式化したのが「インターセクショナリティ(交差性:異なる属性が交差し複合的な差別を生む構造)」という概念です。2006年に採択された国連・障害者権利条約は第6条で「障害のある女性」を独立した条項に設け、国際社会が複合差別に正面から向き合う姿勢を示しました。日本でも障害者差別解消法(2013年成立・2024年改正)や男女共同参画社会基本法の体制整備が進んでいますが、両法制の連携は十分とは言えず、制度の隙間で支援が届かない当事者が存在します。
本記事では、障害とジェンダーが交差する困難の実態、関連法令の概要、2026年時点での課題を整理します。ハラスメント対応担当者・自治体男女共同参画推進員・福祉支援職など両分野にまたがる実務に携わる方や、当事者として自身の権利を知りたい方に向けて、中立的な立場から解説します。
障害とジェンダーが交差するとはどういうことか
インターセクショナリティ(交差性)とは
インターセクショナリティ(Intersectionality)とは、人種・ジェンダー・階級・障害・性的指向など複数の属性が交差することで、単一の属性差別とは異なる独自の差別や抑圧が生まれるという概念です。1989年にアメリカの法学者キンバリー・クレンショーが黒人女性の雇用差別問題を論じた論文で提示し、その後フェミニズム研究・法学・福祉学・障害学に広まりました。
重要なのは「足し算」ではなく「掛け算」という視点です。障害のある女性が受ける困難は、「障害のある男性の困難」に「障害のない女性の困難」を加えたものとは異なります。たとえば、就労支援の場面で「どうせ主婦になるから」と障害に関係なく就労意欲を低く見積もられたり、DV被害支援の場面で「障害があるから証言能力がない」と支援者に誤解されたりする形で、障害とジェンダーが組み合わさった独自の障壁が現れます。
障害のある女性が直面する複合的不利
内閣府の「障害者白書」や障害者差別解消法施行後の実態調査によれば、障害のある女性は複合的な課題に直面しやすいとされています。就労面では、障害者雇用義務(障害者雇用促進法第43条)の対象となりながらも、実際には「家事・育児を優先すべき」という性別役割規範と組み合わさり、積極的なキャリア支援を受けにくいケースが指摘されています。
家庭面では、身体的障害や知的障害のある女性がパートナーや家族から経済的コントロールを受けやすく、DV被害に遭っても「障害があるから仕方がない」「外に出られないから相談できない」という状況に置かれやすいことが支援現場から報告されています。精神障害がある場合は、被害を訴えても「症状の一環」と受け取られるリスクもあります。
国際社会が複合差別に着目した経緯
1979年に採択された女性差別撤廃条約(CEDAW:Convention on the Elimination of All Forms of Discrimination Against Women)は障害のある女性を個別には明示していませんが、条約の実施監督機関であるCEDAW委員会は一般勧告第18号(1991年)で「障害のある女性」への特別な配慮を求めました。
その後、2006年に採択された国連・障害者権利条約(CRPD:Convention on the Rights of Persons with Disabilities)は第6条を「障害のある女性」に割き、複合差別の存在を国際条約として初めて明示的に規定しました。日本は2014年に同条約を批准し、国内実施の点検を受ける立場にあります。2022年のCRPD委員会の対日審査では、障害のある女性への暴力対策の強化が勧告事項の一つとして示されました。
関連法令の枠組み|障害法制と男女共同参画法制の接点
障害者差別解消法(2013年成立・2024年改正)
障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法、2013年制定・2024年4月改正施行)は、障害を理由とした「不当な差別的取扱い」の禁止と「合理的配慮の提供」を義務・努力義務として定めています(第7条・第8条)。2024年改正では、事業者による合理的配慮の提供が努力義務から法的義務に引き上げられました。これにより、民間企業・サービス事業者も障害のある女性への配慮を怠った場合に法的問題に発展する可能性があります。
ただし、同法はジェンダーとの複合差別を直接規定する条文を持ちません。障害のある女性が「障害と性別の両方を理由に」不当に扱われる事案に対しては、障害者差別解消法と並行して、男女共同参画社会基本法(1999年制定)や男女雇用機会均等法(第5条・第6条)が連動して適用される可能性がありますが、窓口や担当部署が分かれているため、支援が断片化しやすいという問題があります。
男女共同参画社会基本法との関係
男女共同参画社会基本法(1999年、最終改正令和7年法律第80号・2026年4月1日施行)は、第2条第1号で「男女共同参画社会」を「男女が、社会の対等な構成員として……」と定義し、障害の有無を問わずすべての人を対象とした理念法として機能します。同法第10条は国民の責務として「男女共同参画社会の形成に寄与するよう努めなければならない」と定め、個人・企業・行政に幅広く参画を求めています。
実際には、男女共同参画基本計画における障害のある女性への言及は限定的でした。第5次男女共同参画基本計画(2020年閣議決定)では「多様な女性の課題」として障害のある女性への配慮が盛り込まれましたが、具体的な数値目標や独立した施策群は第6次計画(令和8年3月13日閣議決定)に持ち越された部分が多いとされています。
障害者権利条約第6条と女性差別撤廃条約(CEDAW)
障害者権利条約(CRPD)第6条第1項は次のとおり定めています。
「締約国は、障害のある女性及び女児が複合的な差別の対象となることを認識し、この点に関し、障害のある女性及び女児がすべての人権及び基本的自由を完全かつ平等に享有することを確保するための措置を取る。」(外務省仮訳)
一方、女性差別撤廃条約(CEDAW)(日本批准: 1985年)には障害のある女性を専門に扱う条文はなく、CEDAW委員会の一般勧告第18号(1991年)により補完されています。二つの条約が並列する現状では、日本政府は両条約体制から個別に審査を受け、それぞれの勧告に対応する義務を負います。窓口の一元化がなされていない点が、当事者支援の隙間を生む一因とも指摘されています。
複合差別の現れ方|就労・DV・医療の実態
雇用・就労場面での複合的困難
障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)第43条は、民間企業に対して法定雇用率(2024年4月: 2.5%、2026年7月より2.7%)の障害者雇用を義務付けています。しかし、実雇用率は2.33%(厚生労働省2023年度集計)にとどまり、障害のある女性の就労は特に困難な状況にあります。
DPI(障害者インターナショナル日本会議)女性障害者ネットワークが実施した実態調査(2019年)によれば、障害のある女性の就労経験者の中に「障害と性別の双方を理由に不当な扱いを受けた」と回答した方が一定数いることが報告されています。具体的には、「結婚するから仕事は必要ない」という雇用担当者の発言、「障害があるから育休が取れない・生産性が低い」という誤解、さらには職場内での性的嫌がらせ(セクシュアルハラスメント)への対応において「障害があるから証拠を集められない」と支援を断られるケースも記録されています。
DV・性暴力被害と支援の空白
内閣府「男女間における暴力に関する調査」(2023年度版)では、DV被害経験の有無について障害の有無を軸とした集計が限定的であるため、全体像の把握が困難な現状があります。しかし支援現場からは、身体障害のある女性は避難行動が物理的に制約されること、知的障害のある女性は支配・威圧の被害を「普通のこと」として認識してしまいやすいこと、聴覚障害のある女性は電話相談窓口を利用しにくいことなど、障害特性に応じた多様な困難が報告されています。
2024年に改正・施行されたDV防止法(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律)では、精神的暴力・経済的暴力が保護命令の対象に追加されました(第10条改正)。この改正は障害のある女性にとっても重要な意義を持ちます。なぜなら、障害を持つパートナーへの「保護」と見せかけた経済的コントロールも、改正法の対象に含まれる可能性があるからです。ただし、保護命令申立てにあたる手続きアクセシビリティ(書面の読み書き支援、聴覚障害者向けの書面申請対応等)については、十分な整備が進んでいないとの指摘が続いています。
医療・福祉アクセスにおけるジェンダーバイアス
障害のある女性の医療アクセスには、移動手段・経済状況・コミュニケーション上の制約という障害に起因する困難に加え、産婦人科・乳がん検診など女性特有の医療サービスへのアクセス障壁という性別固有の問題が重なります。車いすユーザーの女性が婦人科の診察台を利用できないケース、知的障害のある女性に対して同意能力を理由に十分な医療説明がなされないケースが、当事者団体の調査で指摘されています。
精神障害のある女性については、産後うつや育児困難が障害の症状と混同され、適切な支援が遅れるリスクもあります。長期施設入所中の障害のある女性が性的被害を受けても申告手段が限られるという問題は、障害福祉サービスにおけるハラスメント対策の整備課題として2026年時点でも検討が続いています。心身の不調を感じる場合は、医療機関・精神保健福祉センター・専門相談窓口へご相談ください。
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現代的論点|2026年時点の到達点
2007年以降の主な法改正・新法
障害とジェンダーの複合差別をめぐる法制度は2007年以降に大きく動きました。主な法改正・新法は以下のとおりです。
- 2011年: 障害者基本法改正(障害者基本法第3条に「相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会」理念を追加。障害・性別双方の個人の尊重が強調された)
- 2012年: 障害者虐待防止法施行(第2条で「障害者虐待」に性的虐待を明示。施設内ハラスメントへの対応が強化された)
- 2013年: 障害者差別解消法成立(第7条・第8条で不当な差別的取扱いの禁止、合理的配慮の義務・努力義務を規定)
- 2014年: 障害者権利条約批准(第6条「障害のある女性」、第16条「搾取・暴力・虐待からの自由」が国内適用開始)
- 2019年: 女性活躍推進法改正(101人以上の企業に行動計画策定・公表義務。障害のある女性を含む多様な女性の活躍が意識される)
- 2020年: 第5次男女共同参画基本計画(「多様な女性の課題」として障害のある女性への言及が拡充)
- 2022年: CRPD委員会対日審査(初回審査。障害のある女性への暴力対策強化・施設入所者への権利保障強化などを勧告)
- 2024年: 障害者差別解消法改正施行(事業者の合理的配慮が法的義務化)、DV防止法改正(精神的暴力・経済的暴力が保護命令対象に)
議論の現在地
2026年時点における主な議論は、「制度の縦割りをどう解消するか」という点に集中しています。障害者差別解消法の相談窓口と、DV・ハラスメント相談窓口(配偶者暴力相談支援センターなど)は所管省庁が異なり(前者は内閣府・障害者政策担当、後者は内閣府男女共同参画局または厚生労働省)、当事者が「どちらの窓口に行けばよいか」を判断しにくい状況が続いています。
この縦割り問題への対応として、一部の自治体ではワンストップ型相談窓口や、複数機関の担当者が同席するケース会議の仕組みを導入している事例が出てきています。一方で「障害のある女性に特化した支援ニーズは件数が少ない」として独立した施策立案が後回しにされるという指摘もあり、当事者団体と行政の間で認識のずれが続いています。
DPI女性障害者ネットワーク等の当事者団体は、男女共同参画基本計画に「障害のある女性」に関する独立した章・数値目標を設けることを継続的に求めており、第6次男女共同参画基本計画(令和8年3月13日閣議決定)での扱いは、内閣府が公表する計画本文(第2部 政策編)で確認できます。賛否の議論を中立的に整理すると、「交差する困難の実態は確かに存在するが、縦割り解消のための財源・人員をどこに求めるか」という行政リソース配分の問題が核心にあります。
残された課題
2026年時点で未解決の主な課題は次のとおりです。
- データ収集の不備: 内閣府の「男女間における暴力に関する調査」や厚生労働省の雇用統計において、障害の有無を軸とした性別クロス集計が限定的で、実態把握が困難な状況が続いています。EBPM(証拠に基づく政策立案)の観点から、統計整備が急務とされています。
- 支援者のトレーニング不足: 配偶者暴力相談支援センターや女性相談センターのスタッフが障害特性(知的障害・発達障害・精神障害・感覚障害)への対応力を十分に持っていないケースが報告されており、研修体制の整備が課題です。
- CRPD委員会勧告の実施状況: 2022年の勧告に対する日本の対応は2026年時点でも継続審査中で、国内での実施状況の開示・評価が継続課題となっています。
- 施設内性暴力への対応: 入所施設での性的虐待事案が後を絶たない中、第三者委員会制度の実効性強化と、施設従事者に対するジェンダー教育の義務化が求められています。
障害者権利条約とCEDAWの比較|重複する保護規定
| 比較項目 | 障害者権利条約(CRPD) | 女性差別撤廃条約(CEDAW) |
|---|---|---|
| 採択年 | 2006年(国連総会) | 1979年(国連総会) |
| 日本の批准 | 2014年 | 1985年 |
| 障害のある女性への規定 | 第6条(専用条項) | 専用条項なし(一般勧告第18号で補完) |
| 暴力からの保護 | 第16条(搾取・暴力・虐待からの自由) | 一般勧告第35号(ジェンダーに基づく暴力) |
| 雇用・就労 | 第27条(労働及び雇用) | 第11条(雇用の機会における差別撤廃) |
| 教育 | 第24条(教育) | 第10条(教育における差別撤廃) |
| 国内監視機関(日本) | 障害者政策委員会(内閣府) | 男女共同参画局(内閣府) |
| 最新対日審査(2026年時点) | 2022年(初回審査) | 2016年(第9回審議) |
| 両条約の国内連携 | 国連人権メカニズムとして個別に審査。日本国内では担当部局が別々で連携窓口が分断されているのが現状 | |
支援制度と市民・アライの役割
公的支援制度の概要
障害のある女性が利用できる公的支援制度は、障害福祉と男女共同参画の双方から整備されています。就労支援としては、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)に基づく就労移行支援事業・就労継続支援事業(A型・B型)があります。また、女性の就労支援としてはマザーズハローワーク(子育て中の女性向け就労支援)が利用できますが、障害と子育てを同時に抱える女性に特化した専門窓口は全国的にはまだ普及していません。
生活困窮への対応としては、生活困窮者自立支援法(2013年)に基づく支援が受けられる場合があります。ただし、障害のある女性が相談できる担当者を確保するための体制(手話通訳、コミュニケーション支援員の配置等)の整備状況は自治体間で大きな差があります。
障害のある女性へのDV支援の現状
DV被害を受けた障害のある女性が安心して相談できる環境の整備は、2026年時点でも全国的に不均一です。身体障害者が避難できる配偶者暴力被害者シェルターのバリアフリー化は一定程度進んでいますが、知的障害・精神障害・発達障害のある女性に対応した専門支援員の配置は限られています。
聴覚障害のある女性は電話相談が利用できないため、「DV相談ナビ(#8008)」の音声案内に加え、内閣府の「DV相談+(プラス)」(オンライン相談、SNS・チャット・メール対応、24時間受付)の活用が推奨されています。DV相談+は通話が困難な障害のある方でも利用しやすい仕組みとして機能しつつあります。
市民・アライにできること
障害とジェンダーの複合差別問題に関わる市民の取り組みとして、次のような視点が示されています。自治体が策定する「障害者計画」と「男女共同参画計画」の両方に障害のある女性の視点が反映されているかを確認し、パブリックコメントや審議会委員への参加を通じて意見を届けることが一つの方法です。
職場では、障害のある同僚・部下への合理的配慮と、ハラスメント防止対策が連動して機能しているかを点検することが重要です。また、DPI女性障害者ネットワークや地域の障害当事者団体の活動を知り、「アライ(支援者・共感者)」として声をあげやすい環境づくりに協力することも有効とされています。アライシップの実践方法については、ジェンダー平等のアライとは|職場・学校・地域でできるアライシップ実践【2026年版】もあわせてご参照ください。
具体的な事案については、弁護士など専門家への相談をご検討ください。
公的相談窓口
- DV相談ナビ(#8008): 都道府県の配偶者暴力相談支援センターへつながるナビダイヤル(月~土 9:00~21:00、日祝 9:00~17:00)
- DV相談+(内閣府): https://soudanplus.jp/ SNS・チャット・メール対応、24時間受付。聴覚障害のある方も利用可能
- 障害者110番(都道府県障害者権利擁護センター): 各都道府県の障害者差別解消支援地域協議会と連携。電話・FAX・書面で相談可。所在地は各都道府県の福祉担当窓口へ確認
- 性犯罪被害相談電話(#8103): 全国統一の性犯罪被害相談窓口(警察)。24時間対応
- 法テラス(0570-078374): 資力が乏しい場合の無料法律相談。DV・障害関連の弁護士紹介も対応
まとめ
障害とジェンダーの交差点に生きる女性が直面する複合差別は、単一の差別禁止法制では十分に対応できない「制度の隙間」の問題です。国際条約(障害者権利条約第6条・CEDAW委員会一般勧告第18号)は複合差別の解消を明確に求めており、日本も批准国としてその実施義務を負います。
2024年の障害者差別解消法改正により事業者の合理的配慮義務化が実現し、DV防止法改正では精神的暴力・経済的暴力も保護命令の対象に加わりました。しかし、障害と性別が交差する困難に対応する専門的な支援体制、複合差別を捉える統計整備、二つの法制度を横断する相談窓口の一体化は、2026年時点でも途上にあります。
市民・支援職・行政担当者がインターセクショナリティの視点を持ち、「障害のある女性」の声を政策立案の起点に据えることが、男女共同参画社会基本法が掲げる「男女が対等に参画できる社会」の実現に向けた一歩につながります。
DE&Iの全体的な枠組みについてはDE&Iとは|ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョンの概念と日本の現状【2026年版】、SDGsとの関連はSDGs目標5とジェンダー平等|日本の現状と市民ができること【2026年版】もあわせてご覧ください。
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よくある質問(FAQ)
- Q. 障害のある女性への「複合差別」とは何ですか?
- 障害を理由とした差別と女性であることへの差別が重なり合い、単独の差別では生じない独自の不利が生まれる現象です。学術的には「インターセクショナリティ(交差性)」と呼ばれ、障害者権利条約第6条はこの複合差別の解消を締約国に義務付けています。
- Q. 障害者差別解消法はジェンダーの問題も扱いますか?
- 障害者差別解消法は障害を理由とする差別の解消を主な目的とする法律で、ジェンダー差別を直接対象とするものではありません。ただし、障害のある女性が障害と性別の双方を理由に不利に扱われる事案では、同法に加えて男女雇用機会均等法や男女共同参画社会基本法が連動して適用される可能性があります。
- Q. 障害のある女性がDV被害を受けた場合はどこに相談できますか?
- DV被害相談全般は「DV相談ナビ(#8008)」または「DV相談+(https://soudanplus.jp/)」(SNS・チャット対応、聴覚障害の方も利用可)をご利用ください。障害に関する一般相談は各都道府県の障害者権利擁護センター(障害者110番)が窓口です。複合的な問題の場合は、相談時に「障害のある女性のDV被害」と伝え、関係機関への橋渡しを求めることが有効とされています。
- Q. 障害者権利条約第6条はどのような内容ですか?
- 第6条は「締約国は、障害のある女性及び女児が複合的な差別の対象となることを認識し、障害のある女性及び女児がすべての人権及び基本的自由を完全かつ平等に享有することを確保するための措置を取る」と定めています。日本は2014年に条約を批准しており、同条の趣旨を国内施策に反映させる義務を負います。
- Q. 障害のある女性の就労支援はどの機関が行っていますか?
- 主に公共職業安定所(ハローワーク)、地域障害者職業センター、障害者就業・生活支援センターが就労支援を担っています。障害者総合支援法に基づく就労移行支援・就労継続支援事業も利用できます。障害とジェンダーが交差する困難への専門的対応は自治体によって差があるため、最寄りの窓口に確認することが推奨されます。
- Q. 市民が複合差別問題に関わるためにできることは何ですか?
- 自治体の障害者計画・男女共同参画計画の両方に障害のある女性の視点が盛り込まれているかを確認し、パブリックコメントなどで意見を届けることが考えられます。また、DPI女性障害者ネットワークなど当事者団体の活動を知り、アライ(支援者)として職場や地域での環境整備に参加することも有効です。
