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女性管理職比率とは|業種・企業規模別データと国際比較【2026年版】

「女性管理職がなかなか増えない」「うちの会社の比率は低いのか」――職場の多様性推進を担う人事担当者や、キャリアアップを目指す女性から、このような声を耳にする機会が増えています。日本政府は2003年から「指導的地位に女性が占める割合を30%程度以上にする(202030目標)」を掲げてきましたが、2026年時点でその達成状況はどうなっているのでしょうか。

本記事では、女性管理職比率の定義と測定方法から、厚生労働省「雇用均等基本調査」をはじめとする最新統計データ、業種別・企業規模別の格差、そして主要国との国際比較まで体系的に解説します。女性活躍推進法(正式名称:女性の職業生活における活躍の推進に関する法律)の枠組みや、2023年の東証ガイダンスなど制度的な動きも交えながら、数値の背景にある構造的な課題を読み解いていきます。

この記事は、企業の人事・DE&I(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)担当者、自治体の男女共同参画推進員、女性のキャリア形成に関心のある社会人、行政政策や社会学を学ぶ学生などを主な対象としています。統計データと法令に基づいた客観的な解説を提供するものであり、個別の人事相談や法律判断を行うものではありません。

目次

女性管理職比率とは|定義と測定方法

「管理職」の定義

「管理職」の定義は法令上ひとつに定まっているわけではありません。日本の行政統計では、主に次の2つの枠組みが用いられています。

厚生労働省「雇用均等基本調査」では、管理職を「課長相当職以上」と「係長相当職以上」に分けて集計しています。具体的には課長・部長・工場長などの役職者が「管理職(課長相当職以上)」として扱われます。一方、国際比較の場面ではILO(国際労働機関)が定める「Managers」の概念に照らし、より広い職種が管理職として分類されることもあります。

このように定義の違いによって数値が大きく異なるため、統計を読む際は「何を分母・分子にしているか」を必ず確認することが重要です。本記事では数値を引用する際に出典と定義を明示します。

主要な統計データソース

女性管理職比率を把握する際に参照すべき主な統計は以下のとおりです。

  • 厚生労働省「雇用均等基本調査」(毎年公表):都道府県労働局が行うサンプル調査。常用労働者10人以上の企業を対象に、役職者の男女比を集計する。最も広く参照される基礎統計。
  • 内閣府男女共同参画局「男女共同参画白書」(毎年公表):各省庁の統計を横断的に集約した年次報告書。国際比較データも掲載。
  • 厚生労働省「女性活躍推進企業データベース」:女性活躍推進法に基づく企業の自主公表情報。全国の企業が登録する数値目標・達成状況を横断検索できる。
  • 東京証券取引所「コーポレートガバナンス報告書」:上場企業の女性役員比率など開示情報を集計したデータ。
  • WEF「ジェンダーギャップ指数(GGI)」:経済参加・教育・健康・政治の4分野を国際比較。経済分野に管理職比率スコアが含まれる。

比率の算出方法と比較時の注意点

女性管理職比率は「管理職に占める女性の人数 ÷ 管理職全体の人数 × 100(%)」として算出されます。分母・分子の定義を揃えることが比較の前提です。業種や企業規模によって分母の絶対数が大きく異なり、例えば従業員が10人の中小企業では管理職が2人しかいないために比率が大きく振れることもあります。

また、非正規労働者は通常「管理職候補者層(パイプライン)」に含まれないため、女性非正規比率が高い業種では女性管理職比率が低くなりやすいという構造的な問題もあります。数値を読む際にはこうした前提条件を踏まえることが重要です。

日本の女性管理職比率の現状と歴史的推移

2026年時点の概況

厚生労働省「令和5年度雇用均等基本調査」(2023年度調査、2024年公表)によると、課長相当職以上の管理職に占める女性の割合は全体で約13.0%となっています。係長相当職以上まで対象を広げると約19.7%となっており、役職が上位になるほど女性比率が低下する構造が数値に表れています。

内閣府が掲げる202030目標(指導的地位に占める女性の割合を30%程度以上にする目標)の観点では、2020年の達成が断念され目標年次が2030年に先送りされた経緯があります。2026年時点でも課長相当職以上の女性比率13%台という数値は目標値の半分以下にとどまっており、政策的課題として残っています。

歴史的推移(2007年→2026年)

過去20年間のデータを見ると、女性管理職比率は徐々に上昇してきています。2007年頃は課長相当職以上の女性比率が約7~8%程度でした。2015年に女性活躍推進法が成立・施行されてから上昇ペースが上がり、2020年頃には10%を超え、2023年度調査では13%台に達しています。

ただし、この伸びは年率0.3~0.5ポイント程度のペースであり、30%という目標値との差は依然として大きい状況です。役員比率については、東証プライム市場上場企業全体の女性役員比率が2025年3月末時点で15%超となっており、近年は急速な改善が見られます。しかし「女性取締役を1名以上選任した」という状況と、実質的な経営参画・意思決定への参与とは区別して評価すべきであるという指摘もあります。

民間部門と公的部門の違い

民間企業と公的部門(国家公務員・地方公務員・教育機関等)とでは女性管理職比率に差があります。内閣府「女性版骨太の方針2025」によると、国家公務員の課長・室長相当以上の女性比率は約11%(2024年時点)、地方公務員の課長以上の女性比率は約16%です。

医療・教育分野では女性が多数を占める職種があり、それらの分野の管理職(病院の看護部長、小学校の校長等)では女性比率が全国平均を大きく上回ることもあります。一方、国家公務員の中でも技術系・理工系職種が多い省庁では女性管理職比率が低い傾向があります。

業種別・企業規模別のデータ格差

業種別比較

女性管理職比率は業種によって大きく異なります。厚生労働省「令和5年度雇用均等基本調査」のデータをもとに、業種別の傾向を整理すると次のとおりです。

産業・業種 課長相当職以上の女性比率(概算) 主な背景・特徴
医療・福祉 30%超 女性就業者が多く、看護師長・介護主任など女性管理職が多い
教育・学習支援 25%前後 学校管理職(教頭・校長)の女性比率が全体を左右
宿泊・飲食サービス 20%前後 従業員全体の女性比率が高く、管理職にも反映される傾向
卸売・小売 15%前後 パートタイム女性が多い一方、正規の管理職は少ない傾向
金融・保険 15%前後 女性活躍推進の取り組みが進むが、上位職は依然低水準
情報通信(IT) 10%前後 技術職全体の女性比率の低さがパイプラインを細らせる
製造業 8%前後 技術・製造職に女性が少なく、管理職比率も最低水準に近い
建設業 6%前後 「けんせつ小町」など取り組みが始まるも依然低水準

注:上記は公表統計をもとにした概算値であり、調査年次や調査対象によって数値は異なります。最新かつ正確な数値は厚生労働省「雇用均等基本調査」の公式資料をご確認ください。

企業規模別の傾向

企業規模によっても女性管理職比率には特徴的な差があります。一般的には中小企業のほうが女性管理職比率が高い傾向が見られます。これは大企業ほど職務分類・昇進ルールが階層化されており、女性が上位職に到達するまでの年数が長くなることが一因とされています。

一方、大企業では女性活躍推進法に基づく情報公表義務が課せられており(301人以上は情報公表義務、101人以上は行動計画策定が義務化)、取り組みの「見える化」が進んでいます。2022年改正以降は101人以上の企業も情報公表が義務化されており、中規模企業のデータも蓄積されてきています。

役職階層別格差(ガラスの天井)

管理職の階層が上がるほど女性比率が下がる現象は「ガラスの天井(glass ceiling)」と呼ばれます。ガラスの天井とは、職場において女性やマイノリティが上位職に昇進しようとする際に存在する、目に見えない障壁のことを指します。法令や就業規則に明文化されているわけではなく、慣行・職場文化・無意識の偏見などが複合的に作用するとされています。

「係長相当職」では女性比率が約20%近くに達する一方、「部長相当職」では8~10%程度に下がり、さらに「役員(取締役等)」になると、近年の上場企業での改善傾向はあるものの、実質的な経営意思決定への参画という観点ではさらに低い水準という指摘もあります。この多段階での比率低下が、統計を見るうえで重要なポイントです。

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現代的論点|2026年時点の到達点

2007年以降の主な法改正・新法

女性管理職比率に関わる制度的枠組みは、2007年以降の約20年間で大きく整備が進みました。主な法改正・新法の流れは以下のとおりです。

  • 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(均等法)改正(2007年)e-Gov法令(最終改正:2022年6月施行)。セクシュアルハラスメント防止措置の義務強化に加え、間接差別禁止規定が設けられた。配置・昇進・教育訓練における性別を理由とした差別の禁止が明確化された。
  • 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)成立(2015年)e-Gov法令(施行:2016年4月、最終改正:2022年)。301人以上の企業に行動計画策定・公表と情報開示が義務化された。その後、2019年改正で101人以上に対象が拡大された。
  • 女性活躍推進法改正(2019年・2022年):2019年改正で101人以上の企業に行動計画義務が拡大。2022年改正(第4条等)では301人超の企業に対し「女性管理職比率」「男女の賃金の差異」など女性活躍に関する情報の公表が義務化され、データ開示の範囲が大幅に広がった。
  • 育児・介護休業法改正(2022年・2024年)e-Gov法令(最終改正:2024年)。産後パパ育休(出生時育児休業)制度が2022年10月に創設され、男性の育休取得を促進する環境整備が法的に求められるようになった。2024年改正では従業員1000人超の企業に男性育休取得率の公表が義務化された。男性育休の取得率向上は、育児負担の均等化を通じて女性のキャリア継続に間接的に影響する。
  • 東京証券取引所によるプライム市場上場企業向けガイダンス(2023年):東証はコーポレートガバナンス・コードの改訂等を通じ、プライム市場上場企業に対して「2025年をめどに取締役会に1名以上の女性取締役を選任すること」「2030年までに女性役員比率30%以上を目指すこと」を求めるガイダンスを公表した。強制力を持つ上場規則上の義務ではないが、対応する企業が急増している。

議論の現在地

女性管理職比率の引き上げをめぐっては、さまざまな立場からの議論があります。

数値目標・ポジティブアクション的アプローチへの賛成意見としては、「自然な市場メカニズムだけでは偏りを解消するのに数十年かかる」「数値目標の設定がなければ組織は変わらない」「ノルウェーをはじめとする北欧諸国の経験からも目標設定の有効性は実証されている」といった主張があります。東証のガイダンスや「女性版骨太の方針」に見られる政府・市場双方からのアプローチも、この方向性を体現しています。

ポジティブアクション(積極的改善措置)とは、過去の不均等な取り扱いを積極的に是正するために、特定の集団(この場合は女性)に対して優先的・優遇的な機会を提供する措置のことです。日本の女性活躍推進法はこの考え方に基づいており、企業が自主的に目標を設定して達成に向けた施策を講じることを求めています。

懸念・反対意見としては、「能力より性別を重視した人事は結果として組織の質を下げる」「当事者女性が数合わせのように扱われることで、かえって職場における格差意識が強まる」「ロールモデルや支援環境の整備を先行すべきではないか」といった声もあります。中小企業からは「人材層が薄い中での数値目標設定は現実的でない」という意見も根強くあります。

この点については、国際的な比較研究や国内の実証研究でも結論は一致しておらず、政策的には賛否両論を踏まえた慎重な制度設計が求められています。ノルウェーのように取締役会への40%クオータを法制化した国もあれば、フランス・ドイツのように大企業に限定してクオータを導入する国、日本のように自主目標にとどめる国など、アプローチは多様です。

残された課題

2026年時点において、女性管理職比率に関して残されている主な課題は以下のとおりです。

  • パイプライン問題:管理職候補となる「係長・主任」層の女性比率を増やさないと、管理職比率の引き上げには構造的な限界がある。採用段階から昇進機会の平等を確保するパイプライン整備が継続的課題とされる。
  • 無意識の偏見(アンコンシャスバイアス):人事評価における「男性のほうがリーダーシップがある」「女性はいずれ辞めるだろう」という根拠のない前提が昇進機会を狭めているとされる。アンコンシャスバイアスとは、自覚なく持っている先入観・偏見のことを指す。研修を通じた意識変容の取り組みが各企業で進んでいるが、組織文化の変容には長期的な取り組みが必要とされる。
  • 統計の質と比較可能性:「管理職」の定義が業種・企業規模によって異なり、国際比較の際に誤解が生じやすい。行政統計の整備と企業開示の標準化が引き続き課題となっている。
  • 介護・ケアと管理職の両立:女性に偏りがちな育児・介護負担が、管理職昇進後のキャリア維持を難しくするという指摘がある。育介法改正で支援策は拡充されつつあるが、職場文化の変化が追いついていない部分がある。
  • 非正規雇用女性の不在:女性管理職比率の「分母」に非正規労働者は含まれない。女性就業者の非正規比率が依然として高い中、管理職比率の向上が「正規雇用の女性」に限定された議論になりやすいという構造的問題がある。
  • 「見せかけの改善」の問題:役員を1名増やして比率を「見せかけ上」改善するだけでは実質的な変化にならないという指摘もある。役員の業務範囲・意思決定への関与度合いも含めた実質的な参画状況の把握が必要とされている。

国際比較|主要国・OECDデータで見る日本の位置

ILO・OECDデータで見る主要国の状況

ILO(国際労働機関)の統計データベース(ILOSTAT)やOECDの各種データをもとに、主要先進国における女性管理職比率(ILO定義の「Managers」)を整理すると、おおむね以下のような水準となっています。

女性管理職比率(概算・参考値) 制度的特徴・備考
フィリピン 50%前後 歴史的・文化的に女性の社会進出が広く認められる。定義の差異に注意
アメリカ 40%前後 民間・政府ともに女性リーダーが多い。ただし最上位のCEO層は依然低水準
カナダ 38%前後 政府の積極的平等推進政策の効果が民間にも波及
スウェーデン 38%前後 男女共同参画が社会全体に定着。育休の男女均等取得が背景に
フランス 35%前後 大企業の取締役会に40%クオータ(Copé-Zimmermann法、2011年)を導入
ドイツ 29%前後 2015年に監査役会へ30%クオータを導入。改善傾向が続く
韓国 16%前後 日本と近い水準。雇用慣行の類似点が指摘される
日本 13%前後 G7・OECD最低水準のひとつ。製造業・建設業の低比率が全体を押し下げ

注:上記は参考値であり、ILO・OECDの公式統計最新版を必ずご参照ください。各国の「管理職」定義の差異により、単純比較には注意が必要です。

G7での日本の位置づけ

G7(主要7カ国)の中で、日本の女性管理職比率は最低水準のひとつとなっています。WEF「ジェンダーギャップ指数2024」においても、日本の経済分野スコアは118カ国中下位に位置しており、とりわけ「管理職に占める女性の比率」と「専門的・技術的職業に就く女性の比率」のサブ指標での低スコアが全体を引き下げています。

G7各国との比較で特に差が大きいのは、「上位の意思決定職(役員・執行役員レベル)」に関する数値です。フランスやスウェーデンでは民間大企業の取締役会の30~40%が女性で占められる事例も見られる一方、日本では東証プライム市場全体で役員に占める女性の割合が15%台(2025年時点概算)であり、欧米との差は縮まりつつあるものの依然として大きい状況です。

アジア諸国との比較

アジア域内で見ると、フィリピン・中国・シンガポールは日本よりも女性管理職比率が高いとされています。フィリピンでは女性の社会進出が歴史的に広く認められており、管理職に占める女性の割合が50%前後に達するという統計もあります(定義・調査方法の差異に注意が必要です)。中国も30%前後とされ、日本より高い水準です。

東アジアの中でも日本・韓国は特に低い傾向にあります。これはいわゆる「ケア労働の女性への集中」「長時間労働文化」「新卒一括採用型の年功序列人事」といった共通する雇用慣行が関係していると指摘する研究があります。ただし、韓国も近年は女性管理職の増加施策に力を入れており、日韓間の差は徐々に広がっています。

女性活躍推進法と政策的枠組み

女性活躍推進法の骨格

女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(e-Gov法令検索、以下「女性活躍推進法」)は、2015年8月に成立し、2016年4月に施行されました(最終改正:2022年6月)。同法の核心は「企業に女性活躍の現状を把握・分析させ、数値目標を含む行動計画を策定・公表させる」仕組みにあります。

同法第8条では、常時雇用する労働者の数が101人以上の事業主に、以下を義務付けています。

女性活躍推進法第8条(一般事業主行動計画の策定等)に基づき、常時雇用する労働者の数が101人以上の事業主は、女性活躍推進のための数値目標を含む行動計画を策定し、厚生労働大臣に届け出るとともに、労働者に周知し、外部に公表することが義務づけられています(第8条第1項・第2項・第7項・第8項)。

数値目標の設定対象となる指標には「管理職に占める女性の割合」が含まれており、企業が自ら目標を設定して公表する仕組みとなっています。さらに301人超の企業には、第20条に基づき「男女の賃金の差異」を含む情報の義務的公表が課せられています。

えるぼし認定・プラチナえるぼし認定

女性活躍推進法に基づく認定制度として「えるぼし認定」(3段階)と「プラチナえるぼし認定」があります。認定企業は厚生労働省の認定マークを商品・広告等に使用でき、公共調達での優遇などのインセンティブもあります。

えるぼし認定の評価項目には「管理職比率」「労働時間等の働き方」「採用」「継続就業」「多様なキャリアコース」の5分野が含まれており、女性管理職比率が業種平均以上であることなどが認定要件のひとつとなっています。2025年時点でえるぼし認定取得企業は累計で数千社規模に達しており、制度の浸透が進んでいます。

「女性版骨太の方針」と2030年目標

内閣府男女共同参画局が毎年取りまとめる「女性版骨太の方針」(正式名称:女性活躍・男女共同参画の重点方針)では、東証プライム市場上場企業に対し「2030年までに女性役員比率30%以上」という数値目標が示されています。2024年版・2025年版においてもこの方針は維持されており、各企業に対して具体的な目標設定と開示が求められています。

また、国家公務員についても、女性国家公務員の採用・登用拡大に関する指針が設けられており、各府省に対して女性幹部登用に係る目標の設定が求められています。こうした官民一体の取り組みが、今後の比率向上のカギとされています。

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相談窓口・参考情報

企業向け相談・支援窓口

女性管理職比率の向上に取り組む企業は、以下の公的窓口・ツールを活用できます。

  • 都道府県労働局 雇用環境・均等部(室):女性活躍推進法に関する届出・相談の窓口。行動計画の策定支援や助言を受けられる(無料)。
  • 女性活躍推進企業データベース(厚生労働省):各企業の行動計画・情報公表内容を横断的に検索できるデータベース。業種・規模別のベンチマーク情報として活用できる。
  • 内閣府男女共同参画局「女性の活躍推進ポータルサイト」:政府の施策・統計・認定制度の情報を集約している公式サイト。

個人(女性労働者)向け相談窓口

  • 都道府県労働局 雇用環境・均等部(室):昇進差別・育休後の不利益取り扱いなど、均等法違反が疑われる場合の相談窓口(無料)。
  • 総合労働相談コーナー(各都道府県労働局内):労働問題全般の相談を受け付ける。職場での不当な扱いについての相談が可能(無料)。
  • 法テラス(日本司法支援センター):電話番号 0570-078374(サポートダイヤル)。弁護士費用の立替制度があり、経済的余裕のない方への法律支援も行っている。

個別の昇進差別・不利益取り扱いが疑われる場合は、弁護士など専門家への相談をご検討ください。

まとめ|女性管理職比率が示すもの

女性管理職比率は、職場における男女平等の実現度を示す重要な指標のひとつです。日本では課長相当職以上の女性比率が約13%にとどまっており、G7・OECDの中で最低水準のひとつにあります。業種別では医療・福祉が高く、製造業・建設業が低いという大きな格差があり、役職が上位になるほど女性比率が低下するガラスの天井の構造が確認されています。

2015年の女性活躍推進法成立以降、企業の行動計画策定・情報公表義務化などの制度整備が進み、比率は上昇傾向にあります。しかし、2003年に掲げた202030目標の2020年達成が断念され2030年に先送りとなった現状を見ると、制度整備だけでなく、採用・育成・評価における無意識の偏見の解消、育児・介護負担の男女均等化、長時間労働慣行の是正など、複合的かつ長期的な取り組みが引き続き必要とされています。

個別の職場での対応や法的問題については、都道府県労働局・法テラスなどの専門機関へご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 日本の女性管理職比率は何パーセントですか?
A. 厚生労働省「雇用均等基本調査」(2023年度)によると、課長相当職以上の管理職に占める女性の割合は約13%です。係長相当職以上まで含めると約20%となります。なお、「管理職」の定義や調査年次によって数値は異なります。
Q. なぜ日本は女性管理職比率が低いのですか?
A. 主な要因として、①育児・介護負担が女性に集中しやすい社会構造、②長時間労働・転勤を前提とした管理職モデル、③採用・評価における無意識の偏見(アンコンシャスバイアス)、④非正規雇用の女性比率の高さがパイプライン(管理職候補者層)を細らせていることなどが指摘されています。単一の原因ではなく、複合的な構造問題とされています。
Q. 女性活躍推進法の情報公表義務化はどの規模の企業に適用されますか?
A. 女性活躍推進法(最終改正:2022年6月施行)により、常時雇用する労働者が101人以上の企業は行動計画の策定・届出・公表が義務化されています。また、常時雇用する労働者が301人以上の企業は、女性管理職比率や「男女の賃金の差異」などを含む情報の公表が義務となっています(第20条第1項等)。
Q. 202030目標とは何ですか?達成できていますか?
A. 202030(にーまるにーまるさんまる)とは、「指導的地位に女性が占める割合を2020年までに30%程度以上にする」という政府目標のことです。2003年に掲げられましたが2020年の達成は困難と判断され、目標年次が2030年に先送りされました。2026年時点でも課長相当職以上の女性比率は約13%であり、達成には引き続き大幅な改善が必要な状況です。
Q. 上場企業に女性役員の比率目標が求められているのは本当ですか?
A. はい。東京証券取引所は2023年に公表したガイダンスで、プライム市場上場企業に対し2025年をめどに取締役会に1名以上の女性取締役を選任し、2030年までに女性役員比率30%を目指すことを求めています。強制力を持つ上場規則上の義務ではありませんが、企業統治(コーポレートガバナンス)上の重要事項として対応する企業が急増しています。
Q. 海外と日本の差が大きい主な理由は何ですか?
A. 専門家の間では複数の要因が挙げられていますが、「育児・介護休業の取得が女性に偏っており男性の長期育休が定着していないこと」「長時間労働を前提とした管理職像が根強いこと」「雇用形態の二極化(正規・非正規)と女性の非正規比率の高さがパイプラインを細らせていること」が構造的要因として繰り返し指摘されています。欧米では育休の男女均等取得義務化や取締役クオータ制の導入が比率向上の後押しになったとされています。

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