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育休中リスキリングとは|支援制度・賛否と2026年の現状【2026年版】

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育児休業(以下「育休」)を取得している期間に、スキルアップや学び直し(リスキリング)を行うことが可能かどうか——近年、政府や経済界からこの問いが繰り返し提起されています。少子化が深刻化するなか、育休中の就業者が職業能力を維持・向上させる仕組みを整えることは、復職後のキャリア断絶(いわゆるマミートラック)を防ぎ、女性の経済的自立を支える施策として注目を集めています。一方、「育休は本来、子どもとの愛着形成と親自身の心身回復のための権利であり、学習活動を組み込むことは趣旨に反する」「事業主からの暗黙の圧力につながりかねない」という批判的意見も根強く存在しています。

2023年6月、政府は「こども未来戦略方針」(内閣府)を閣議決定し、育休中リスキリングへの公的支援を少子化対策の一環として明示しました。2025年4月・10月施行の育児・介護休業法改正(育介法2025年改正)では、育休から復帰する労働者に対するキャリア支援の努力義務が事業主に課されています。制度整備が進む一方、「誰のための、何のためのリスキリングか」という本質的な問いへの答えは、いまだ議論の渦中にあります。

この記事では、育休中リスキリングの概念と法的位置づけ、政府・自治体が整備する支援制度の内容、ジェンダー平等の観点からみた賛否両論、そして2026年時点の課題を整理します。人事担当者、育休取得中・取得予定の方、男女共同参画政策に関心をお持ちの方に向けて、中立的な情報を提供します。

目次

育休中リスキリングとは何か|基本概念と定義

リスキリング(Reskilling)の意味と広がり

リスキリング(Reskilling)とは、デジタル化・産業構造の変化に対応するために、既存の職業能力を更新し、新たなスキルを習得する「学び直し」を指します。経済産業省や厚生労働省の公式文書でも、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進に向けた人材政策の中核概念として使われています。AIやデータ分析、クラウド技術などのデジタルスキルから、語学・マネジメント・法令知識まで、幅広い学習活動が含まれます。

育休中リスキリングとは、育児休業期間中にこうした職業能力の開発・向上を目的とした学習活動を行うことを意味します。オンライン講座の受講・資格試験の準備・語学学習・デジタルスキルの取得などが想定される主な活動です。「育休中は子育てに専念すべき」という従来の社会的意識に対して、「学習と育児を並行することで復職後のキャリアを守る」という考え方との間に、新たな社会的緊張関係が生まれています。

アップスキリングとの違い

「リスキリング」と混同されやすい概念に「アップスキリング(Upskilling)」があります。両者の目的と対象は異なります。

区分 リスキリング(Reskilling) アップスキリング(Upskilling)
主な目的 新しい職種・職務への転換準備 現在の職種・職務のスキル強化
対象スキル これまで未習得の領域 既存スキルの深化・最新化
育休との関係 復職後の新部署・職種変更を見据えた準備 育休前スキルの維持・精度向上
期間感 中長期(数か月~数年) 比較的短期(数週間~数か月)

育休中に行われる学習は、厳密にはアップスキリング(現職スキルの維持・向上)に近い場合も多いです。しかし政府や経済界の公式文書では、両者を区別せず「リスキリング」という言葉でまとめて語られることが大半です。本記事でもこの用法に倣い、育休中の学習活動を広くリスキリングと呼びます。

育休中リスキリングが注目される背景

育休中リスキリングが政策議題に浮上した背景には、複数の社会的変化があります。第一に、AIや生成系ツールの急速な普及により、数か月単位でスキルの「旬」が変わる時代が到来しています。1年前後の育休を経て職場に戻った際にデジタル環境が大きく変わっていることがあり、復職後のキャッチアップを事前に緩和したいというニーズが生まれています。第二に、男性育休取得率が急上昇し、育休を取得する人が女性に限らなくなったことで、育休中の時間の使い方に多様な視点が加わってきています。第三に、政府が「人的資本経営」を政策の柱に据え、個人の学習投資を国全体の生産性向上策として位置づける方向性を強めていることがあります。

育休中リスキリングの法的位置づけと給付金への影響

育児・介護休業法における育休の定義

育児・介護休業法(最終改正: 令和6年法律第42号・2025年10月1日施行)第5条第1項は、労働者が申し出ることにより育児休業を取得できることを定めています。育休は「子の養育のための休業」であり、休業中は労働義務が免除されます。事業主は原則として、育休中の労働者に就労を強制することはできません。

2025年4月施行の育介法改正では、3歳以降小学校就学前の子を養育する労働者を対象とした「柔軟な働き方確保措置」(テレワーク・短時間勤務・フレックスタイム等からの選択)が事業主の義務となりました。同改正では、育休から復帰する労働者に対して事業主がキャリア形成支援の観点から個別面談を実施する努力義務も明記されています。この面談の仕組みは、育休中リスキリングを「終了後のキャリア設計」に接続する制度的な出発点として位置づけられています。

育児休業給付金と「就労」「学習」の区別

雇用保険法(最終改正: 2022年3月施行)第61条の7は、育児休業給付金の支給要件を定めています。育休中に就労した場合、就労日数や賃金額によって給付金が減額・不支給となる場合があります。具体的には、育休期間中の就労により支払われた賃金額が休業開始時の賃金月額の80%以上に達した月は給付金が不支給となります。

一方、賃金が発生しない自主的な学習活動(オンライン講座の受講・資格試験の準備・語学学習・独学など)は、雇用保険法上の「就労」には原則として該当せず、育児休業給付金の受給に影響しないとされています。ただし、育休中に副業・フリーランス業務を行って報酬を受け取った場合は「就労」と判断される可能性があります。個別の状況については、最寄りのハローワーク(公共職業安定所)に事前確認することを強く推奨します。

教育訓練給付金の活用可能性

雇用保険法第60条の2に基づく教育訓練給付金は、厚生労働大臣が指定した教育訓練を受け修了した場合に、受講費用の一部が給付される制度です。一般教育訓練給付では受講費用の20%(上限10万円)、専門実践教育訓練給付では最大70%(年間上限56万円、最長3年間)が支給されます。

育休中であっても、雇用保険の被保険者資格を維持している場合は教育訓練給付金の受給資格を保持しています。育休中に指定講座を受講し、育休終了後に訓練を修了して申請することにより、費用の一部を後払い形式で受け取ることが可能です。政府は2023年度以降、育休中に受講しやすいオンライン形式の指定講座を拡充する方針を示しており、実際に指定講座数は増加傾向にあります。なお、受講内容・時期によって要件が異なる場合があるため、ハローワークへの事前確認が不可欠です。

政府・自治体の支援制度(2023年~2026年)

こども未来戦略方針によるリスキリング支援の明示

2023年6月に閣議決定された「こども未来戦略方針」(内閣府)は、育休中のリスキリングを「少子化対策と人的資本投資の両立」を実現する施策として明記した最初の政府文書です。この方針では、以下の取り組みが盛り込まれています。

  • ハローワークによる就職支援・職業相談を育休中から前倒しで実施できる環境整備
  • 育休中の労働者がeラーニング・デジタルスキル系訓練を受けやすくするための指定講座拡充
  • 事業主が育休中の労働者に学習機会を提供した場合の助成措置の拡充

この方針表明は、女性のキャリア断絶防止という観点から政策的に注目された一方、「政府が育休中の学習を推奨することは、休む権利への圧力になりかねない」という批判を呼び起こす契機にもなりました。政府は「あくまでも自発的参加を前提とする」という立場を繰り返し表明しています。

人材開発支援助成金(人への投資促進コース)

厚生労働省が所管する人材開発支援助成金(最終改正: 2024年4月)のうち、「人への投資促進コース」は、育休中の労働者に対して事業主が自発的な職業能力開発のための費用を支給した場合に、その一部について事業主が助成を受けられる仕組みを設けています。

助成率は中小企業で最大60%、大企業で最大45%です。訓練受講料に加え、育休中の「学習手当」(一時金)も助成対象となる場合があります。ただし、制度の趣旨はあくまで「自発的な能力開発への支援」であり、事業主が育休中の労働者に学習を義務づけることを促進・助成するものではありません。この区別は制度設計上も重要であり、運用にあたっては注意が必要です。

自治体の無料講座・支援プログラム

東京都・神奈川県・大阪府・愛知県など一部の自治体では、育休中の男女を対象にした無料または低廉なリスキリング講座(ITスキル基礎・ビジネス英語・DX入門・AIリテラシーなど)を提供しています。受講しやすさへの配慮として、講座受講中の一時保育サービスとの組み合わせを提供しているセンターもあります。各自治体の男女共同参画センター・女性センター、または産業労働部門のウェブサイトで最新情報を確認できます。

また、こども家庭庁・内閣府男女共同参画局との連携のもと、育休中の学習支援に特化した情報ポータルの整備が検討されています(2026年時点では一部試行段階)。

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育休世代のジレンマ——女性活躍はなぜ失敗するのか?(光文社新書)中野円佳 著

育休取得者が復職後にキャリアの壁に直面するメカニズムを、取材と調査で丁寧に解き明かした一冊です。リスキリング議論の背景にあるマミートラック問題を理解するうえで参考になります。

ジェンダー視点からみた育休中リスキリング

女性のキャリア断絶防止としての有効性と限界

日本の女性労働者は、出産・育休を契機にキャリアが停滞しやすい傾向が統計的に示されています。内閣府「男女共同参画白書」(2025年版)によれば、育休復帰後に時短勤務を選択した女性の多くが昇進・昇格機会を失うマミートラックに流れているとされています。こうした状況において、育休中のスキル維持・向上は、復職後の待遇交渉力を高め、職場への早期適応をスムーズにする手段の一つとして期待されています。

特に、AIや生成系ツールの急速な普及を背景に、デジタルスキルの有無が復職後のポジションを左右するケースが増えているとする報告も出てきています。一方で、リスキリングが「キャリア断絶を防ぐ個人の努力」として完結してしまうと、断絶を生み出す構造的問題——職場文化・管理職の意識・評価制度の偏り——の改善が後回しになるリスクがあるという指摘も、ジェンダー研究者の間では根強くみられます。

男性育休とリスキリングの対称性

育休中リスキリングの議論は、これまで女性育休を中心に展開してきました。しかし、男性育休取得率が急増するなか、男性が育休中にリスキリングを行う場面も増えつつあります。厚生労働省「雇用均等基本調査」によれば、男性の育休取得率は令和4年度の17.1%から令和7年度には50.9%まで上昇しました。

男性がケアワーク(育児・家事)に参加しながら学習するモデルは、女性にのみリスキリングとケアを担わせる「二重の負担」を回避する観点からも重要です。育休中リスキリングを「女性活躍の問題」として切り取るのではなく、男女双方が育休中に職業能力を維持できる社会的仕組みとして設計する視点が、男女共同参画の観点からは求められています。男性育休が当たり前になることで、育休中リスキリングの議論も性別に左右されない普遍的な枠組みへと移行しつつあります。

育休中の「余裕」に生じる男女格差

育休中リスキリングを推進する際に見落とされがちな論点に、育休中の実際の時間的・精神的余裕の男女差があります。内閣府「社会生活基本調査」(2021年)によれば、乳幼児を持つ世帯において、育児・家事に費やす時間は依然として女性の方が男性を大きく上回っています。女性育休取得者が育児の主たる担い手である状況では、学習のための「余裕」を確保すること自体が難しく、リスキリング推進が実質的に女性への負担増になりかねないという問題があります。

育休中リスキリングが男女双方にとって現実的な選択肢となるためには、育休中の家事・育児分担が実質的に均等化されていることが前提条件の一つです。ケアワーク分担の男女均等化なしにリスキリングだけを推進することは、格差をさらに拡大しかねないとの指摘は重く受け止める必要があります。

現代的論点|2026年時点の到達点

2007年以降の主な法改正・新法

育休中リスキリングをめぐる法制度の変化は、育介法の累次改正と労働政策の転換という2つの流れの交差点に位置しています。主な動きは以下の通りです。

改正・新制度 育休中リスキリングへの関連
2009 育介法改正(育休期間延長・パパ育休(初代)制度化) 育休取得者の増加により「育休中の過ごし方」が社会課題化
2017 育介法改正(育休期間最長2年・有期雇用への拡大) 長期育休取得者のスキルギャップへの懸念が高まる
2021 育介法改正(産後パパ育休創設・2022年10月施行) 男性育休普及とリスキリング議論の裾野拡大
2022 人材開発支援助成金「人への投資促進コース」新設 育休中の自発的学習に対する事業主助成制度が整備される
2023 こども未来戦略方針(内閣府)閣議決定 育休中リスキリング支援を少子化対策として政府が初めて明示
2024 子ども・子育て支援法改正・育休給付財源拡充 育休給付の安定的財源確保・育休中学習の政策後押しが継続
2025 育介法改正(柔軟な働き方確保措置・復帰支援面談の努力義務) 復職に向けたキャリア支援が法制度に組み込まれる

議論の現在地

育休中リスキリングは、2023年の政府方針表明以降、推進論と批判論が真っ向から対立する論点となっています。

推進論の主な主張は次の通りです。「育休明けに即戦力として職場復帰できるよう準備することは、本人のキャリアにとっても企業にとっても合理的だ」「特にデジタル分野での急速な変化に対応するため、育休中の学習が復職後のパフォーマンス維持に有効だ」「男性が育休中にリスキリングを行うことで、育休期間に多様な価値を生み出せる」——経済同友会・経済産業省・一部の人材育成関連団体が、こうした立場から提言を行っています。

反対論・慎重論の主な主張は次の通りです。「育休はあくまでも子どもとの愛着形成(ボンディング)と親自身の心身回復のための権利であり、そこに学習義務を持ち込むべきではない」「事業主や上司が『育休中に学んでいるか』と問うことが心理的圧力になりやすい」「育休中にリスキリングを行えるのは正規雇用・大企業勤務・経済的余裕のある層に限られ、格差拡大につながる」——連合(日本労働組合総連合会)・一部の女性団体・ジェンダー研究者らがこうした問題提起を行っています。

政府は「育休中リスキリングはあくまでも自発的参加を前提とする」とし、「強制につながらないよう制度設計する」という立場を繰り返し表明しています(2023年6月内閣府首相会見・こども未来戦略方針)。しかし「自発的」という建前と、職場での昇進・評価への影響という現実との乖離(かいり)をいかに埋めるかについては、具体的な措置が講じられていないという批判も続いています。

残された課題

2026年時点で未解決の主な課題は以下の通りです。

①「就労」と「学習」の法的境界の曖昧さ
育休給付金の支給要件における「就労」と自主学習・有償研修の区別について、明確な法令上の基準が整備されておらず、ハローワーク窓口による運用上の判断が統一されていないケースも指摘されています。一部の有償オンライン研修(受講料を払うが修了後に収入が発生する場合など)では判断が分かれるケースがあり、利用者が混乱しやすい状況が続いています。

②非正規雇用者の制度利用格差
育休を取得できる有期雇用労働者であっても、育休期間が短い・育児休業給付金の受給資格がない・事業主の助成措置が適用されないなど、正規雇用者と比べてリスキリング支援へのアクセスが制限されやすい実態があります。こうした格差の存在は、制度が「恵まれた層のみに有効な政策」として機能するリスクを示しています。

③制度効果の検証不足
育休中にリスキリングを行った者の復職後キャリアの変化・給与水準・昇進率などを追跡する統計データが乏しく、政策効果の客観的な評価が困難な状況です。「育休中リスキリングが実際にキャリア格差を縮小するか」という問いへの実証的な回答は、2026年時点でもまだ出ていません。

④ケアワーク分担の実態との乖離
育休中の育児・家事分担における男女格差が実質的に解消されていないなかで「育休中リスキリング」を推進することは、特に女性育休取得者にとって二重の負担になるリスクがあります。リスキリング支援とケア労働の男女均等化は、一体的に議論される必要があります。

育休中リスキリングを活用する際の実践的ポイント

事前に確認すべき手順

育休中リスキリングを自発的に検討する場合、以下の確認を事前に行うことが重要です。

  • 育児休業給付金への影響確認: 受講する講座が有償か無償か、修了後に報酬が発生しないかをハローワークに事前相談する
  • 教育訓練給付金の受給資格確認: 雇用保険の加入期間・訓練の指定講座の有無を確認する(厚生労働省「教育訓練給付制度」ウェブサイトで検索可能)
  • 会社の社内規定確認: 育休中の学習支援制度・費用補助制度の有無を人事担当部門に問い合わせる
  • 自身の体調・育児状況の把握: 乳幼児期の育児負担を考慮したうえで、無理のない学習計画を立てる

活用しやすい主な学習リソース

育休中に利用可能な学習リソースには以下のものが挙げられます。

  • ハロートレーニング(公的職業訓練)のオンラインコース: IT基礎・ビジネス文書・経理・医療事務など多様な分野を無料または低コストで受講可能
  • 専門実践教育訓練給付金対象講座: 社会福祉士・情報処理技術者・第四次産業革命スキル習得講座(経産省認定)など、費用の最大70%が後払い給付される講座
  • 自治体の無料デジタルスキル講座: 都道府県・市区町村の産業労働局や男女共同参画センターが提供するeラーニング(地域によって内容・実施状況が異なる)
  • 民間オンラインプラットフォーム: 給付金対象外が多いが、低コストで多様なスキルを自習できる(各種eラーニングサービスなど)

事業主として支援する際の注意点

事業主が育休中のリスキリングを支援する際には、「あくまでも任意・自発的参加であること」を明示した制度設計が不可欠です。育休中の労働者に対して学習を強制したり、学習の有無が復職後の評価・配置に影響する旨を示唆したりすることは、育児・介護休業法第10条が禁じる不利益取扱いや、男女雇用機会均等法(最終改正: 令和7年法律第63号・2025年6月11日施行)が禁じるマタニティハラスメント・パタニティハラスメントに該当するおそれがあります。

制度を設ける場合は、「希望者のみが申し込む」「学習の有無を業績評価から切り離す」「育休中の学習を強制・期待していないことを文書でも明示する」といった措置を講じることが、法令上の考え方とも整合します。また、産後パパ育休取得者を含む男性育休取得者にも同じ機会を提供することで、制度の中立性を確保することが重要です。

相談窓口と参考機関

公的相談窓口一覧

育休中のリスキリングや育休・職場の問題に関する一般的な情報提供・相談は、以下の公的窓口が対応しています。

  • ハローワーク(公共職業安定所): 教育訓練給付金の申請・受給資格確認、育休中の職業相談。全国544か所。厚生労働省ウェブサイトから最寄り窓口を検索可能。
  • 都道府県労働局 雇用均等室: マタハラ・パタハラ、育休取得に関する不利益取扱いの相談。厚生労働省「総合労働相談コーナー」: 0570-783-110(各都道府県労働局に接続)
  • 法テラス(日本司法支援センター): 0570-078374。育休中の労働問題に関する法律相談窓口の紹介・経済的な事情による無料相談制度あり
  • 都道府県の男女共同参画センター・女性センター: 仕事と育児の両立に関するキャリア相談・情報提供を行うセンターも多数。各都道府県・市区町村の窓口へ問い合わせを。

具体的な法律問題や権利侵害が疑われる事案については、弁護士など専門家への相談をご検討ください。

まとめ|育休中リスキリングを「権利」の文脈で捉える

育休中リスキリングは、女性のキャリア断絶防止・復職後の活躍促進という観点から政策的に注目されており、政府は2023年以降、支援制度の整備を着実に進めています。教育訓練給付金・人材開発支援助成金・自治体の無料講座などを組み合わせれば、一定の費用支援を受けながら学習することが可能な環境になってきています。

一方で、育休中リスキリングが「個人の頑張り」や「職場への暗黙の義務」として歪んで機能しないよう、制度設計と運用に細心の注意が必要です。育休はあくまでも休む権利であり、学習するかどうかは当事者が自分の体調・育児状況・意欲を踏まえて決める選択です。

ジェンダー平等の観点からは、育休中リスキリングが「女性が育休中も頑張る」というモデルとして固定化されることなく、男性育休取得者を含む制度設計・ケアワーク分担の男女均等化・非正規雇用者への公平なアクセス確保が一体的に議論されることが求められます。

制度の利用可否については、ハローワークや都道府県労働局に確認の上、個別状況に合わせて判断することをお勧めします。

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リスキリング——デジタル時代の人材戦略(日本能率協会マネジメントセンター)後藤宗明 著

DX時代のリスキリングとは何かを企業・個人・政策の三つの視点から整理した書籍です。育休中リスキリングを検討する人事担当者・取得者の参考になります。

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よくある質問(FAQ)

Q. 育休中にオンライン講座を受講しても育児休業給付金に影響しますか?
賃金が発生しない自主的な学習(オンライン講座受講・資格試験準備・語学学習など)は、育児休業給付金上の「就労」には原則として該当せず、給付金の減額・不支給の対象とはなりません。ただし、副業・フリーランス業務として報酬を得た場合は就労と判断される可能性があります。不明な点は事前にハローワークへ確認することを推奨します。
Q. 会社から育休中のリスキリングを強制された場合はどうすればよいですか?
育休中の就労・学習の強制は、育児・介護休業法第10条が禁じる不利益取扱いに該当するおそれがあります。また、復職後の評価・配置への影響を示唆する形での強制は、ハラスメントに発展する可能性があります。都道府県労働局の雇用均等室(厚生労働省 総合労働相談コーナー: 0570-783-110)または法テラス(0570-078374)への相談が有効です。
Q. 教育訓練給付金と育児休業給付金は同時に受け取れますか?
育休中に厚生労働大臣指定の教育訓練講座を受講した場合、教育訓練給付金は訓練修了後の申請となります。育休中に育児休業給付金を受け取りながら訓練を受け、育休終了後に教育訓練給付金を申請するという流れが一般的です。受講内容・時期によって要件が異なるため、ハローワークへの事前確認が重要です。
Q. 男性が育休中にリスキリングを行う場合、女性と制度上の違いはありますか?
男性育休(産後パパ育休・育児休業)中のリスキリングについても、女性育休中と同様の考え方が適用されます。賃金が発生しない学習活動は育児休業給付金に影響せず、教育訓練給付金の受給資格も性別で区別されません。人材開発支援助成金についても男女問わず適用されます。
Q. 非正規雇用(派遣・パートタイム)でも育休中リスキリングの支援は受けられますか?
有期雇用労働者であっても育介法の要件を満たせば育休を取得でき、雇用保険の被保険者であれば教育訓練給付金の受給資格を持つ場合があります。ただし、雇用形態・雇用保険加入期間によって支援へのアクセスに差がある実態があり、制度改善が求められている課題の一つです。詳細はハローワークへ相談してください。
Q. 育休中に取得した資格は復職後の待遇改善に影響しますか?
復職後の待遇・昇給・配置は事業主の人事制度によって異なるため、資格取得が直接待遇改善につながるかどうかは一概には言えません。育休取得・復職を理由とした不利益取扱いは均等法・育介法で禁止されています。育休中の学習成果を評価する明文的な人事規定を設けている企業では有利に働くケースもあります。

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