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母性健康管理措置とは|妊娠・出産期に職場が講ずべき配慮義務と2026年の実態

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妊娠が判明したとき、「通院が増えても仕事を休みにくい」「体調不良を上司に伝えにくい」と感じる方は多いと思います。こうした不安を抱えながらも働き続けられるよう、法律は事業主に対して「母性健康管理措置(ぼせいけんこうかんりそち)」を義務づけています。母性健康管理措置とは、妊娠中および出産後1年以内の女性労働者が、保健指導・健康診査を受けるための通院時間を確保したり、主治医等の指導に基づいて業務内容や勤務時間の調整を受けたりできる制度です。根拠は男女雇用機会均等法(以下、均等法)第12条(2026年10月1日以降は第17条)および第13条(2026年10月1日以降は第18条)に置かれており、企業規模を問わずすべての事業主に適用されます。この記事では、制度の仕組みと具体的な措置の種類、手続きの流れ、2026年時点の法改正動向、そしてマタニティハラスメント(マタハラ)との関係を体系的に解説します。妊娠・出産を経ながら就労を続けたいと考えている方や、職場の制度整備を担当する人事担当者の方にとって、制度の全体像を把握する際の参考としてください。

母性健康管理措置とは|妊娠・出産期に職場が講ずべき配慮義務と2026年の実態 - 解説

目次

母性健康管理措置とは何か

制度の定義と目的

母性健康管理措置とは、妊娠中および出産後1年以内の女性労働者の健康を守るために、事業主が講じなければならない職場上の配慮を総称する制度です。大きく分けると、①保健指導・健康診査を受けるための「通院時間の確保」(均等法第12条、2026年10月1日以降は第17条)と、②主治医等の指導に基づく「就業上の措置」(均等法第13条、2026年10月1日以降は第18条)の2種類があります。

この制度が設けられた背景には、妊娠中に業務上の無理を続けたことで母子の健康が損なわれたり、通院のための時間を確保できずに必要な医療を受けられなかったりする事例が多くあったことがあります。妊娠・出産期における健康管理は、母子双方の安全に直結します。均等法はこの観点から、事業主に対して、労働者が申し出をしやすい環境を整え、必要な時間確保・業務調整を確実に実施することを義務づけています。

法的根拠:均等法第12条(2026年10月1日以降は第17条)・第13条(2026年10月1日以降は第18条)

雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(男女雇用機会均等法、最終改正: 令和7年法律第63号・2025年6月11日施行)の第12条(2026年10月1日以降は第17条)は、「事業主は、女性労働者が母子保健法の規定による保健指導又は健康診査を受けるために必要な時間を確保することができるようにしなければならない」と定めています。第13条第1項は、「事業主は、その雇用する女性労働者が前条の保健指導又は健康診査に基づく指導事項を守ることができるようにするため、勤務時間の変更、勤務の軽減等必要な措置を講じなければならない」と定めています。

これらの規定は努力義務ではなく義務(「しなければならない」)として定められており、違反した事業主に対しては、都道府県労働局長による助言・指導・勧告が行われる場合があります。勧告に従わない場合は企業名が公表される可能性もあります(均等法第30条、2026年10月1日以降は第36条)。

対象者と適用範囲

制度の対象となるのは、妊娠中および出産後1年以内の「女性労働者」です。正社員・パートタイム・契約社員・派遣労働者など雇用形態は問いません。事業主の規模(従業員数)も問われず、1人でも雇用する事業主に適用されます。なお、自営業者・業務委託契約(フリーランス)として働く方は、労働者に該当しないため均等法の直接的な適用対象外となります。ただし、2024年施行のフリーランス保護法においてハラスメントに関する一定の規律が定められており、業務委託先によるハラスメントを抑止する仕組みが一部整備されています。

通院時間の確保(均等法第12条、2026年10月1日以降は第17条)

確保が必要な通院回数の目安

均等法第12条(2026年10月1日以降は第17条)の実施に関しては、厚生労働省が「妊娠中及び出産後の女性労働者が保健指導又は健康診査を受けるために必要な時間の確保等に関する指針」(1997年告示)を発出しており、必要な通院回数の目安が示されています。

指針によると、妊娠23週(6か月)までは4週間に1回程度、妊娠24週以降35週までは2週間に1回程度、妊娠36週以降出産まで1週間に1回程度、産後(出産後1年以内)は医師等の指示に従った回数とされています。これらはあくまでも目安であり、実際の通院頻度は個々の健康状態に応じて主治医が決定します。したがって、指針の頻度を上回る通院が必要な場合には、それに応じた時間確保も求められます。

有給・無給の取り扱い

均等法第12条(2026年10月1日以降は第17条)は、通院時間を「有給」で確保することまでは義務づけていません。通院のための時間を無給(欠勤・年次有給休暇等で対応)とすることは、法律上は直ちに違反となりません。ただし、年次有給休暇の時間単位付与(労働基準法第39条第4項)を活用して有給で対応している企業も多く、独自の「妊娠中通院休暇」を設けている企業もあります。

事業主が一方的に「通院には年次有給休暇を使え」と強制することは、制度の趣旨に反する可能性があります。制度設計の際には、妊娠中の労働者が無理なく通院できる仕組みを検討することが望ましいとされています。

申出の手続き

通院のための時間確保を求めるにあたって、労働者は事業主に申し出る必要があります。申出の方法は口頭・書面どちらでも構いませんが、実務上は「妊娠の事実」と「必要な通院の時間・回数」を書面で申し出ることで、双方の認識のずれを防ぎやすくなります。事業主は、申し出を受けた場合に正当な理由なく拒否することは許されません。また、申し出た事実を理由として不利益な取り扱いを行うことは、後述のとおり均等法第9条第3項に違反する可能性があります。

主治医の指導に基づく措置(均等法第13条、2026年10月1日以降は第18条)

母性健康管理指導事項連絡カード

均等法第13条(2026年10月1日以降は第18条)に基づく措置を申し出る際に活用されるのが、「母性健康管理指導事項連絡カード(主治医等指導票)」(以下、連絡カード)です。このカードは、主治医(産婦人科医・助産師等)が記載し、労働者が事業主に提出するものです。

連絡カードには、①指導の内容(通勤緩和・休憩の確保・作業の制限・勤務時間の短縮・業務転換・休業等)と、②措置が必要な期間が記載されます。厚生労働省は標準的な書式を公表しており、医療機関での受診時に活用できます。連絡カードは法定の書式ではありませんが、主治医が口頭で指導した内容を書面化する手段として実務上広く活用されています。主治医に連絡カードの発行を依頼することで、事業主への申出がスムーズになります。

措置の種類

連絡カードに記載された指導事項に基づき、事業主が講じるべき措置の例として指針は次のものを挙げています。①通勤緩和(時差通勤・交通手段の変更等)、②休憩の確保(休憩時間の延長・休憩回数の増加等)、③作業の制限(重量物の取り扱い制限・深夜業や時間外労働の制限等)、④勤務時間の短縮(いわゆる短時間勤務への変更)、⑤業務の転換(他の業務への異動)、⑥休業(病気休暇・療養休業等)です。

これらの措置は、事業主と労働者が協議して決定するものです。主治医の指導内容の全てを同時に実施することが困難な場合には、代替措置を講じることも認められています。ただし、主治医の指導に反する業務継続を強いることは許されません。

措置実施期間中の賃金の取り扱い

就業制限措置(業務転換・時短勤務・休業等)を実施した場合の賃金については、均等法上の規定はなく、就業規則・労働契約の定めや実際の就労状況によって異なります。休業を選択した場合に無給となることもあり得ますが、傷病手当金(健康保険法)の受給要件に該当する場合は、標準報酬日額の3分の2に相当する額が最長1年6か月間支給される場合があります。また、企業によっては独自の有給補償制度を設けているところもあります。

なお、均等法第13条(2026年10月1日以降は第18条)に基づく措置は、産前産後休業(労働基準法第65条)や育児休業とは制度上別物です。措置の内容・申出方法・給付の仕組みが異なるため、それぞれの制度を正確に把握しておくことが大切です。

母性健康管理措置の種類と比較

主な措置の概要

母性健康管理措置には複数の種類があり、それぞれ法的根拠・申出の要件・賃金の取り扱い・事業主の対応義務が異なります。以下の比較表で整理します。

措置の種類 法的根拠 申出の要件 賃金の取り扱い 事業主の義務
保健指導・健診のための通院時間確保 均等法第12条(2026年10月1日以降は第17条) 口頭または書面での申出 法定なし(有給・無給は事業主の判断) 義務(拒否不可)
通勤緩和(時差通勤・交通手段変更等) 均等法第13条第1項(2026年10月1日以降は第18条第1項) 連絡カードの提出 勤務実態に応じて決定 義務(協議の上で実施)
休憩の確保(休憩延長・回数増加等) 均等法第13条第1項(2026年10月1日以降は第18条第1項) 連絡カードの提出 休憩時間分は無給が原則 義務
作業制限(重量物・深夜業・時間外制限等) 均等法第13条第1項(2026年10月1日以降は第18条第1項)・労基法第65条 連絡カードの提出 業務継続の場合は通常賃金 義務
勤務時間の短縮(短時間勤務) 均等法第13条第1項(2026年10月1日以降は第18条第1項) 連絡カードの提出 短縮分は無給が一般的 義務(代替措置可)
業務転換(他業務への異動) 均等法第13条第1項(2026年10月1日以降は第18条第1項) 連絡カードの提出 転換後の賃金規定による 義務(代替措置可)
休業(病気休暇・療養休業等) 均等法第13条第1項(2026年10月1日以降は第18条第1項) 連絡カードの提出 原則無給(傷病手当金の受給可能性あり) 義務(代替措置可)

産前産後休業・育児休業との違い

母性健康管理措置は、産前産後休業や育児休業とは性質が異なる制度です。産前産後休業(労働基準法第65条第1項・第2項)は、産前6週間(多胎の場合は14週間)・産後8週間(うち産後6週間は強制休業)について、請求または法定により就業を禁止する制度です。これに対し、母性健康管理措置は産前産後休業を取得する以前の就業継続期間中に、健康維持に必要な配慮を事業主に求める制度です。産前産後休業が「休む権利」であるのに対して、母性健康管理措置は「働き続けながら健康を守る権利」と整理できます。

育児休業は出産後の養育を目的とした休業制度であり、主に出産後から子が原則1歳(一定の要件を満たした場合は最大2歳)に達するまでの間に取得するものです。育児休業給付金(雇用保険)の支給により、一定の収入補償が得られる点でも母性健康管理措置と異なります。

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現代的論点|2026年時点の到達点

2007年以降の主な法改正・新法

母性健康管理措置に関連する法令は、2007年以降も複数回にわたって改正・整備されてきました。

2007年(平成19年)の均等法改正では、妊娠・出産・産前産後休業等を理由とする不利益取扱いの禁止に関する規定(第9条第3項)が整備されました。これにより、事業主が労働者の妊娠・出産を理由に解雇・降格・不利益な配置転換等を行うことが明確に禁止されました。

2017年(平成29年)施行の改正均等法・育介法では、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント(いわゆるマタハラ・パタハラ)に対する事業主の防止措置義務が新設されました(均等法第11条の3、育介法第25条)。これにより、母性健康管理措置の申出をきっかけにしたハラスメントも明確に防止義務の対象となりました。

2022年(令和4年)の育児・介護休業法改正(産後パパ育休の創設・段階的施行)では、出産直後の父親が取得できる「出生時育児休業(産後パパ育休)」が新設されました。父親の育休取得促進を通じて、妊娠・出産期における両親の連携と父親の育児参画が図られるようになりました。

2025年(令和7年)の育児・介護休業法改正(4月・10月の2段階施行)では、3歳から小学校就学前の子を持つ労働者を対象とした「柔軟な働き方を確保するための措置」として、テレワーク・時差出勤・短時間勤務・保育施設の利用補助等のいずれかを事業主が提供することが義務化されました。これは直接的には母性健康管理措置ではありませんが、育児期全体にわたる就業環境の整備として、同制度の基盤を支えるものと位置づけられます。

議論の現在地

母性健康管理措置をめぐっては、いくつかの現代的な論点が議論されています。

第一に、「通院時間の有給化」問題があります。均等法第12条(2026年10月1日以降は第17条)は通院時間の確保を義務づけていますが、有給での確保は法定していません。このため、通院時間を年次有給休暇の消化に充てることを事実上強制する運用が行われている場合があります。有給での確保を義務化すべきか、年次有給休暇とは別途の有給制度(妊娠中通院休暇等)を設けるべきかについては、労使双方の意見が分かれており、法改正の議論が続いています。諸外国では通院時間の有給保障が法定されている例もあり、国際比較の観点からも注目される論点です。

第二に、「制度の認知度不足」の問題があります。厚生労働省の実態調査によると、母性健康管理措置の存在を知らない女性労働者や、知っていても申し出ることをためらっているケースが依然として少なくありません。特に中小企業では制度の周知が進んでいない実態があります。均等法では事業主への周知義務が明示されていないため、啓発活動のあり方が引き続き課題となっています。

第三に、「非正規雇用者への実質的な適用」の問題があります。均等法はパートタイム・有期雇用・派遣労働者にも適用されますが、契約更新時期と妊娠が重なった場合などに、実質的に制度を利用しにくい状況が生じているとの指摘があります。妊娠を理由とした雇い止めは均等法第9条第3項違反とされており、最高裁判決(2014年、広島中央保健生活協同組合事件)でも確認されていますが、現場での不当な取り扱いが完全になくなっているとはいえない状況です。

残された課題

2026年時点における主な課題として、次の点が挙げられます。

まず、連絡カードの活用率向上が求められています。主治医が連絡カードを発行してくれないケースや、労働者が連絡カードの存在自体を知らないために措置の申出が困難なケースがあります。医療機関と事業主双方への周知強化が必要です。

次に、性別を問わないケア労働支援の拡充が課題です。母性健康管理措置は生物学的に妊娠・出産を経験する女性労働者を対象とした制度ですが、出産後の育児期において父親・パートナーが同等の就業上の配慮を受けられる仕組みをより充実させることが、ジェンダー平等の観点から重要です。現行の柔軟な働き方確保措置はその一歩ですが、措置の種類・対象年齢・義務水準のさらなる拡充が引き続き議論されています。

さらに、業務委託・フリーランスで働く妊娠中の方への保護が限定的であることも課題です。フリーランス保護法(2024年施行)がハラスメント規定を設けましたが、均等法のような包括的な健康管理措置の義務づけには至っておらず、制度的な空白が残っています。

マタニティハラスメントとの関係

均等法第9条の不利益取扱い禁止

均等法第9条第3項は、事業主が女性労働者の妊娠・出産・産前産後休業の取得等を「理由として」解雇その他の不利益取扱いをしてはならないと定めています。最高裁は2014年(平成26年)の広島中央保健生活協同組合事件において、妊娠中に行われた降格は「原則として」同項に違反すると判断し、例外として本人の自由な意思に基づく同意があった場合等のみ合法と認めました。

母性健康管理措置の申出を行ったことや、連絡カードを提出したことを理由として、解雇・降格・昇給停止・不利益な配置転換等の不利益取扱いを行うことは、均等法第9条第3項の違反となります。

マタハラ防止措置義務(均等法第11条の3)

2017年施行の改正均等法第11条の3は、妊娠・出産・育児休業等の取得に関するハラスメントを防止するための措置を事業主に義務づけています。具体的には、①職場のハラスメントに関する方針の明確化と周知・啓発、②相談体制の整備、③被害発生後の迅速・適切な対応、④プライバシー保護と不利益取扱いの禁止、などが求められます。

母性健康管理措置の申出をきっかけに「職場に迷惑だ」「業務負担が増える」などと発言する行為や、申出後に不当な業務変更を行う行為、また「制度を使わないでほしい」と暗に示すような言動は、マタニティハラスメントに当たる可能性があります。詳しくはマタハラ・パタハラの法的論点をご参照ください。

育休復帰後のキャリアとの連続性

母性健康管理措置の申出をきっかけに、職場での評価が低下したり、育休復帰後にいわゆる「マミートラック」と呼ばれるキャリア停滞に追いやられるケースがあることも指摘されています。制度の利用と職業上のキャリア継続とを切り離して考えることが、事業主側にも求められています。均等法第11条の3に基づく防止措置義務は、こうした間接的な不利益取扱いの抑止にも機能することが期待されています。

相談窓口と支援機関

都道府県労働局(雇用環境・均等部室)

母性健康管理措置に関するトラブルや均等法違反の疑いがある場合は、都道府県の労働局に設置されている「雇用環境・均等部(室)」に相談することができます。全国各地に窓口が設置されており、相談は無料です。厚生労働省のウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/)から管轄の窓口を確認できます。同窓口では、均等法違反の申告・調査のほか、事業主への指導・勧告の申請も行えます。

女性の人権ホットライン

職場での差別・ハラスメントに関しては、法務省が設置する「女性の人権ホットライン」(電話: 0570-070-810)でも相談を受け付けています。プライバシーに配慮した相談が可能であり、相談内容に応じて適切な機関への案内も行われます。

法テラス(日本司法支援センター)

法的手続き(損害賠償請求・労働審判等)の検討が必要な場合は、「法テラス」(電話: 0570-078374)が弁護士費用立替制度の利用案内を行っています。収入が一定以下の方は弁護士費用の立替制度を利用できる場合があります。具体的な事案については、弁護士など専門家への相談をご検討ください。

まとめ

母性健康管理措置の要点整理

母性健康管理措置は、妊娠中・出産後1年以内の女性労働者が安全に就業を継続するために、均等法第12条(2026年10月1日以降は第17条)・第13条(2026年10月1日以降は第18条)が事業主に義務づけている制度です。通院時間の確保(第12条、2026年10月1日以降は第17条)と主治医の指導に基づく業務調整(第13条、2026年10月1日以降は第18条)の2本柱からなり、規模を問わず全事業主に適用されます。連絡カード(母性健康管理指導事項連絡カード)を活用することで、主治医の指導内容を職場に円滑に伝え、必要な措置を申し出ることができます。

制度を活かすために

制度の存在を知ることが、制度を活用する第一歩です。妊娠が判明した際には、①主治医に連絡カードの発行を相談すること、②就業上の配慮が必要な場合は人事担当者や上司に申し出ること、③申出後に不利益な扱いを受けた場合は都道府県労働局や法テラスに相談することを検討してください。事業主側にとっては、均等法の義務を正確に把握し、制度の周知と実施体制を整えることが、働きやすい職場環境の構築と優秀な人材の定着につながります。

心身の不調を感じる場合は、医療機関・精神保健福祉センター・専門相談窓口へご相談ください。具体的な事案については、弁護士など専門家への相談をご検討ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 母性健康管理措置はパートタイム・アルバイトにも適用されますか?
はい、適用されます。均等法第12条(2026年10月1日以降は第17条)・第13条(2026年10月1日以降は第18条)は雇用形態を問わず、パートタイム・有期雇用・派遣労働者を含むすべての女性労働者に適用されます。雇用期間が短い方も同様に申し出る権利があります。
Q. 連絡カードを提出したら、措置の内容は誰が決めますか?
措置の具体的な内容は、連絡カードに記載された主治医の指導事項をもとに、労働者と事業主が協議して決定します。主治医の指導内容を上回る負担を強いることは許されませんが、代替措置が認められる場合もあります。
Q. 措置を申し出た後に降格や契約更新拒否をされた場合はどうすればよいですか?
均等法第9条第3項は、妊娠・出産・産前産後休業の取得等を理由とした不利益取扱いを禁じています。申出後に不利益な扱いを受けたと感じた場合は、都道府県の労働局(雇用環境・均等部室)または法テラスへの相談が選択肢の一つです。個別の法的判断については弁護士への相談をご検討ください。
Q. 配偶者・パートナーに同様の制度はありますか?
均等法の母性健康管理措置は、妊娠・出産を経験する女性労働者を対象とした制度です。出産後に配偶者・パートナーが育児に参加しやすくする制度としては、産後パパ育休(出生時育児休業)(2022年育介法改正)があります。また、柔軟な働き方確保措置(2025年育介法改正)は、子が3歳以降小学校就学前の間について父母双方を対象としています。
Q. 妊娠を申し出たら「迷惑だ」と言われました。これはマタハラになりますか?
妊娠の申出や母性健康管理措置の申請に対して「迷惑だ」などと発言する行為は、マタニティハラスメント(マタハラ)に当たる可能性があります。2017年施行の均等法第11条の3は、事業主にマタハラ防止措置を義務づけています。詳しくは都道府県労働局の雇用環境・均等部室にご相談ください。
Q. 通院時間は有給扱いにしてもらえますか?
均等法第12条(2026年10月1日以降は第17条)は通院時間の確保を義務づけていますが、有給での確保まで法定していません。就業規則・労働協約・慣行によっては有給扱いになる場合があります。就業規則を確認するか、人事担当者に確認することをお勧めします。

母性健康管理措置とは|妊娠・出産期に職場が講ずべき配慮義務と2026年の実態 - まとめ

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